大西洋を越え、ニューヨークへ渡るルートが三つある・
上の地図の3ルート。 

青のルート:ニューヨーク〜パリ
        リンドバーク大佐の
        大西洋無着陸単独横断飛行。
        「翼よ!あれがパリの灯だ」 

緑のルート:ポルトガル〜ニューヨーク
        ヨーロッパ最西端からニューヨーク

黒のルート:セネガル〜ニューヨーク
        アフリカ最西端からニューヨーク
        「奴隷輸出ルート」

リンドバーク大佐は1927年愛機「スピリッツ・オブ・セントルイス」で33時間30分で大西洋を単独横断飛行を成し遂げた。

知られているのは、空気抵抗を少なくするため、前方窓がなく、有視界飛行は僅かに左右の穴(窓)のみだったことである。 主翼は木製骨格に布貼、胴体は鉄製骨格に布貼。重量を軽くするためである。

搭乗したアフリカ航空は、西アフリカの小国が共同で運行している航空会社で、パイロット、スチュウワーデス等全ての乗務員が黒人である。
乗客も殆どが黒人であり、それ以外は、ほんの数人の欧米人と一人の日本人(私)が乗っているだけである。座席はほぼ満席。 私はガヤガヤ騒がしい黒人の真ん中にぽつんと一人座っていた。

中東、アフリカを長く旅していれば、こんなことはしょっちゅうあり、慣れてるとはいうものの、基本的な部分において、不安感は否めない。

提供される機内食も、アフリカンテイストであるが、これは特に気にならない。 気になるのは乗客やあちこちに染みついた臭いである。
しこたま酒を飲んで、その勢いで眠ろうとするが、どうも緊張感がとれず、なかなか眠れない。

結局、うとうとする程度でボーとした頭で、気がつくと、大西洋をほぼ渡り終え、ニューヨークに既に近づいていた。

これも経験の一つか。

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