森の中の” ヌー ”の一群
草原の ” ヌー ” ” ヌー ” 、 この後の運命は

”ヌー”はアフリカで棲息している動物の中で一番数が多い。

日本名は「ウシカモシカ」。 体は頭にも角があり、体型も牛である。
足は、たしかに細く、スマートで「カモシカ」のようである。

しかし、そこが悲劇の始まりである。
カモシカのような足が牛のように大きな体を支え、活動するには細すぎて、不十分なのである。

ライオンに襲われると、たちまち餌食になってしまう。
戦ったり、逃げたり出来ないのである。

そこで、ヌーは、種の保存のため、繁殖力を高め、ライオンの餌食となって、減る数よりも、生まれる数を多くして、種の存続を維持している。

その数は、ケニヤだけでも数百万頭、或いはもっといるかもしれない。
アフリカ大陸では、ただすごい数としか言えない。
正確にはわからない。

”ヌー”のイメージは、ライオンに襲われて、食われてしまう可哀想な動物。
そして、数万頭、或いは、数十万頭、ときには、百万頭を超える数で移動する”ヌー”の大群の大移動である。

ヌー”の大群の大移動は、草と水を求めて4〜6月は、隣国タンザニア側からケニヤ側へ、そして、10〜12月は、その反対に、ケニヤ側からタンザニア側へ、大移動する。

この大移動の途中に、彼ら”ヌー”には、さまざまな、ドラマが待っているのである。

ライオンやハイエナの餌食となってしまったり。 病気や骨折で群れの移動に付いていけずにサバンナで死ぬもの。 ワニの棲む河を渡るとき、ワニに襲われ、水中に引きずり込まれてしまうもの。 増水した河を渡りきれずに、溺れてしまうもの。  などなど。

一方、移動の途中で、沢山の子供が生まれる。 が子供は弱い。 生き残れるのはその内、どれくらいいるのであろうか。

弱肉強食のサバンナの動物の世界そのものが、繰り広げられるのである。

なんだか、残酷で、切なく、悲しい。

 人間世界は、もっとひどいかな・・  そう思いたくはないが・・
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