イスラムの女性。
茶色の布で全身、顔面は目の詰んだ編目で覆う。
黒い布で全身を覆う。顔は出ている。
◎白い布で全身を覆う。顔は出ている。
イスラム世界では男同士が手をつなぐ。女性とは手をつなげないから。
1. イスラム教徒はマホメットの教えのコーランに従って生活する。教典には色々な教えがあるが、少し大きくなった女性は夫や父親を除いて他の男性には「手首と足首」から先以外は見せない。
つまり、黒髪、顔、体のどの部分も見せてはいけない。体型の分かる衣服も禁止されている。ボデコンドレスなどもってのほか。

理由は女性の魅力が男性を惑わし、狂わせることと、女性が男性の視線と略奪から身を守るためとされているが、詳しく述べると本の何冊分にもなるのでここでは触れないことにします。

2. 頭から被るベールには「3タイプ」ある。
@ 茶色い布を全身被り顔の前は目の詰んだ網目の頭巾となっている。中からは見えるが、外からは全く見えない。一番厳格で、伝統的なもの。 但しその下は、左写真の左側のように自由。

A 黒い布を頭からスッポリ被るが顔は普通に出す。このスタイルでは次ぎに目だけ出して鼻から下を布で隠すことも多い。隠し方は布を目の下に垂らす方法とマスクのように顔に巻き付ける方法がある。この時使用する布が薄いベールの人と通常の黒い布の人に分かれる。

B 右写真のように白い布を使用する。使い方はAと同じ。

 簡便法として日本風の頭だけに被るスカーフも時に見かけることはある。 イスラム教徒といっても戒律の度合いは国によって全くと言って良いほど異なる。

ベールの色はこの3種類に限定されている。元来イスラムの基本色は黒と白。これにも理由がある。 カラフルな色使いなどとんでもない。

3. イスラム女性の化粧のポイントはアイライン
上のように外部に出ているのは「目」だけであるため、目を強調する。 つまりアイラインとアイシャドウである。
概してアラブ系の人の顔立ちは目が大きくパッチリしていて鼻が高い。立派な顔立ちの人が男女を問わずに多い。
アイラインを濃いめにひき、ブルーのアイシャドウを塗ると目だけで人を魅了できる。 女性は「目」で勝負する。

4. ブルーのアイシャドウの原料は「ラピスラズリー」という柔らかい宝石の一種でアフガニスタンやイランで採れる。これを粉にして瞼に塗る。こうして魅力的な目元が完成するとともにもう一つの効用がある。

粉が自然に目の中に入り涙がこれを押し流そうとするので、目がいつも濡れている。魅惑の瞳の完成である。 エジプトの女王クレオパトラもシルクロードを通って運ばれたこれを愛用していた。
これがなければ歴史は少しは変わっていたかもしれない。 どうかな・・

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