大木の高い枝に紛れて、下を狙う” 豹のシルエット ”
にわかに影った黒雲の隙間から差す太陽にシルエットさらす” 豹 ”

大木の高い枝に身を潜める、 ”豹” に遭遇することは、なかなか難しく、チャンスは少ない。

この時は、状況と背景がドラマチックであった。

古来、強いものの喩えとして、 「竜虎」 といい、「竜は雲と風をよび、雲に乗る」と言われるが、 まさに、そんな、背景と状況の中で、大木の上の”豹”を見た。

豹は、大型のネコ科の肉食獣。 胴体の割に、足は短く、体はネコのように、しなやかで、がっしりしている。

警戒心が強く、単独生活をしていることが多い。
よく、見通しの利く大きな木の上に登って、下を狙っている。

ところで、”豹”と言えば、ヘミングウエイの短編小説「キリマンジャロの雪」を思い出す。 この短編は次の文章で始まる。

”キリマンジャロは19,710フィートの雪に覆われた山で、アフリカ第一の高峰だと言われる。その西の頂はマサイ語で神の家と呼ばれ、その西のすぐそばには、ひからびて、凍りついてた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたか今まで誰も説明したものはない。”

赤道直下の、キリマンジャロの山頂の氷河に”豹”が埋まっているなんて、想像も出来ないくらい、神秘的ですね。

写真には”豹”が幻想的に、空高く、雲の中に、黒いシルエットで浮かんでいる。

背景の黒雲と、 隙間から差し込む太陽の光に浮かび上がった、”大木と枝にからむ豹” の黒いシルエットが神秘的です。

  
次話へ