機内より フランス人パイロット。
ベトナム戦に参加したと
視界良好。 スリルよし ミスター、これから急降下する
OK ?

レユニオン エアー サービスのヘリコプターのパイロットは赤い帽子を被ったフランス人。
彼は若い頃、ベトナム戦争時に、ベトナムの空を飛んでいたという。

ベトナムは、もともとフランスが長い間、植民地としていたところで、第二次世界大戦後、独立した。
その後、ソ連にサポートされた北ベトナムとアメリカにサポートされた南ベトナムとの間で起こったベトナム戦争は、歴史的な血みどろの戦いとなった。

今でも、この戦争に行った帰還アメリカ兵の中には、アメリカが散布した枯れ葉剤の後遺症や恐怖の体験からくる精神的ダメージより抜け出せない人もいるという。

  ヘリは離陸した。

ヘリは色々なところを飛んで色々と体験させてくれた。

ヘリの視界は、座席の周囲ぐるりと、足もと近くまでがガラス張りなので、視界は実によい。

また、ヘリコプターの特性として、前進するためには、機体を前傾にすること、小型機であるため、少し動くたびに前後左右に瞬間的に傾き、スリル満点である。 床のないジェット・コースターで空中に放り出され、また急落下するような感じである。

これもサービスのうちの一つか。

このパイロットは面白がって、かなり曲乗り風に操縦した。

機は空中で木の葉のように揺れ、そして飛ぶ。
そりゃーベトナム戦争に比べれば、地上から、機関砲やスティンガーミサイルが飛んでこないだけでも安全なんだろうが。

そうはいっても、    ”スリルもまた楽し”である。
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