ゴールド・スークには、こんな店がいっぱい

アラブでは、どんな国へ行っても、ゴールド・スークがある。

ゴールド・スークとは、写真のように、純金や18金で作られたキンキラキンのネックレス、腕輪、ペンダント、チェーン、指輪などなど、沢山の金細工製品を、店一杯に、所狭しと並べて販売する「金製品販売店」が、ズラッと軒を並べているところである。

ヨルダンは、金の産出もなく、石油の生産も少ない。
されど、アラブの国々では、女性はもとより、男性も「金製品」が大好きである。

これは、元来、砂漠の民は、国としての体裁が整わず、政情も大変不安定である。
政権が転覆したり、他国に侵略されれば、紙幣など、一瞬にして、紙屑になる。

この現実が、実に長い間、繰り返されてきた。

その結果、持ち運びが容易で、価値のある「金製品」を蓄え、装飾品として、身につけていれば、いつでも、砂漠を移動して、逃げ出すことが出来る。

アラブ世界の「金選好」は、実は、生活の知恵なのである。

アラブ世界で、石油が発見される前は、殆どが、貧しい国であった。

貧しい国での結婚は、生きるため、売買婚が広く行われていた。
結納金という名の下で、社会ルールとなっていた。
その時の、対価は、代表的なものが、「金製品」か「ラクダ」か「ヒツジ」である。

女性は、実家と自分に「金製品」を求めた。
女性もまた財産の一つなのであった。

もちろん、アラブ諸国の中では、石油産出大国のサウジアラビア、アラブ首長国連邦、クエートなどには、はるかに規模が大きく、価格も安い、「ゴールド・スーク」があり、世界的に有名である。
中東に足を踏み入れる人たちは、よくこれらの国で、金製品を買っている。

特に、有名なのが、アラブ首長国連邦の「アブダビ」と「ドバイ」という都市である。
自由度も高く、石油のみならず、自由貿易都市を目指している。

世界史の中においても、「力と金」はいつも、対をなしていた。

   この” 金選好 ”の歴史は、永遠なのかな〜
  
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