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2003.8.3
省庁交渉 省庁交渉の記録


2002年度

 ⇒国土交通省の回答と質疑はこちら(PDFファイル)


国土交通省


2003年7月23日(水)


アスベストの全面禁止の実現及び抜本的な既存アスベスト・健康影響対策の確立に向けた要請


国土交通省要請事項

1. 全省共通項目

@ 厚生労働省「石綿の代替化等検討委員会報告書」に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
A 厚生労働省の、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
B 要請書まえがきで述べた、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に対する石綿対策全国連絡会議絡会議の意見(別添)に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
C アスベスト禁止の導入に関して、貴省のいずれかの部局において、関係業界(建材メーカー、ゼネコン、設計業者、施工業者、解体業者等)から何らかの意見・要請が寄せられたり、話し合いを行ったり、または働きかけていることがあれば、お聞かせいただきたい。
D 現行のアスベスト含有建材対策が十分か、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
E 全アスベスト含有製品の製造と流通に関する調査を製造会社が行うこと、国が責任を持って実施するよう監督指導することに関して、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
F アスベスト対策は、省庁が垣根を越えて協力する必要のある課題であるが、既存アスベスト対策に関して、省庁連絡会議を行う必要があるか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。

2. 建設行政におけるアスベスト問題


@ 厚生労働省の「 石綿の代替化等検討委員会報告書」に示されたように、「代替不可能な建材はない」との認識をもたれているか、お聞かせいただきたい。
A 建材の多くは、古くより石綿含有でない製品も多く、一定の耐火性能を有していたと思われる。一例を挙げれば、瓦では既存の大和瓦や厚型スレートがあり、石綿含有の化粧スレート屋根材は、健康影響を考えれば開発当初から他の鉱物繊維含有でも可能な「不要の」製品だった、との意見もある。建材に多いアスベスト含有製品が、本当に必要な製品であったのか、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
B アスベスト含有建材―屋根材、押し出し成形板、波形・平形スレート、サイディング、建設塗料等のあらゆる建材のノンアス化の状況及び見込みについて、承知されていることを、お聞かせいただきたい。
C 全国の自治体の営繕関係課への通達を行って、各自治体の保育園、幼稚園、公立施設の吹き付けアスベスト及びアスベスト含有建材の実態調査を早急に行うべきである。公共施設のアスベストについて、国民は情報を得、回避する権利が保証されるべきと考える。アスベストの調査結果を公表し、適切かつ十分なリスクコミュニケーションがはかられるべきと考えるが、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
D 平成6年に建設省が定めた「環境政策大綱」は、国土交通省においてどのように位置付けられているか、まず、うかがいたい(http://www.hrr.mlit.go.jp/library/kankyou/a/02.html、http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/envi/epomoc.htm)。「環境政策大綱」において、大気環境の保全の見地から、建材の有害物質対策は、どのように進められているか、お考えをお聞かせいただきたい。
E 建築基準法第1条は、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」とある。発がん物質であるアスベストを含んだ建材の使用は、国民の生命と健康に影響を与えており、「保護を図る」法律の目的と反していることについて、国土交通省としてはどのようにお考えか、お聞かせいただきたい。
F 劣化した吹き付けアスベストが使用されている建築物が、適切に管理されないままで使用されている状況があることについて、どのようにお考えか、再度お聞かせいただきたい。
G 劣化した吹き付けアスベストが使用されている建築物について、所有者や利用者に注意を喚起することは、適切な建設行政の範囲に含まれると考えるが、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。

3. 既存のアスベスト含有建材対策


昨年の日本産業衛生学会において、吹き付けアスベストのある部屋の天井や照明器具を処理する際に、アスベストが飛散することが報告された。「既存建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に述べられた「除去作業の手順」では、吹き付けアスベスト対策は不十分である。同様に、除去業者の聞き取り調査から、アスベスト含有建材の早急な対策が必要である。作業に従事する労働者の健康影響及びリフォーム時の環境への飛散の問題であるだけでなく、建築の改築や解体の工法としての適切な施行が行われるためには、施主と業者の関係、関連業種の指導や監督、産業廃棄物対策という点でも、国土交通省の積極的な関与や検討が必要と思われる。
@ 貴省は、既存のアスベスト建材の改築や解体について、アスベストの飛散に焦点を当てた実態把握、実現可能な工法の検討等を貴省独自で行う点のお考えを、お聞かせいただきたい。
A 貴省が平成12年3月31日付で発出された通達「非飛散性アスベスト含有建材の取り扱いについて」(営計第44号)に基づく、平成14年度の貴省発注工事の件数及び通達の実施状況についてお聞かせいただきたい。
B 同通達では、「処分等」について、「一般産業廃棄物として安定型処分場で処分する」とされ、「建設副産物適正処理推進要項の解説」では、非飛散性アスベストについて、できるだけ直接埋め立て処分することが望ましいとされている。「処分等」について、「特別管理産業廃棄物として管理型処分場で埋め立て処分する」とすべきと思われるが、再度いかがお考えか。

4. 建設リサイクル法(建設工ことに係る資材の再資源化等に関する法律)


@ 「建設リサイクル法基本方針」の「非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある」の部分の実効性の確保について、どのようにお考えか。非飛散性アスベストの取り扱いについて、わかりやすいパンフレット等作成するお考えはないかお聞かせいただきたい。
A @の実効性について、石綿対策全国連絡会議が行ったアスベスト除去業者へのアンケート調査及び聞き取り調査(添付資料参照)では、アスベスト含有建材で、アスベスト粉じんの発生しやすい天井板などの解体の際、バールなどでこなごなに破砕して撤去し、安定型処分場へ廃棄されるケースの実態が浮き彫りにされている。アスベスト除去業者においてさえ含有建材の取り扱いは十分とは言えないが、一般の解体業者においては、「建設リサイクル法基本方針」の「非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある」との認識が徹底されているとは言いがたいと思われる。アスベスト除去工事に関するライセンス制度の実施等、検討するお考えはないかお聞かせいただきたい。

5. 国際海事機関・バーゼル条約におけるアスベスト対策の進展状況


@ 船舶設備規定・小型船舶安全規定・小型漁船安全規則の、石綿を含む材料の使用禁止例外3品目の国内使用実績に関してお聞かせいただきたい。
A 現存船にすでに設置されているアスベスト対策に係る、バーゼル条約・IMO等における昨年以降の動向、及び、国内的な対応の方針についてお聞かせいただきたい。また、国内対応について関係業界とも相談しながら検討していこうと考えるとのお話であったが、進捗状況をうかがいたい。




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