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2002.11.9
省庁交渉 省庁交渉の記録


2001年度 

国土交通省


2002年7月24日(水)10:30〜12:00
国土交通省1階共用会議室

国土交通省側出席者
@ 住宅局建築指導課 勝見康生
A 住宅局建築指導課
B 官庁営繕部建築課 課長補佐 村田昇太郎
C 官庁営繕部建築課 営繕技術管理室 課長補佐 澤水好章
D 総合政策局建設業課 課長補佐 徳元真一
E 海事局安全基準課 専門官 今井新
F 海事局造船課 国際業務室 専門官 藤原浩
(窓口: 大臣官房総務課、TEL 5253-8181/FAX 5253-1523)

全国連側出席者
12名: 古谷杉郎、老田靖雄、永倉冬史、名取雄司、大内加寿子、西雅史、西田隆重、信太忠二、飯田勝泰、林充孝、大森華子、大森美華子



1. アスベスト全面禁止の導入


@ クリソタイルを含めたアスベストの輸入・製造・使用等の禁止を早期に実現されたい。

【建築指導課回答】 現在建築物一般にに使用されているアスベスト含有建材については、現時点では通常の使用状態ではアスベスト繊維が室内に飛散して衛生上の問題を生じさせるというような十分な科学的知見は得られていないのではないかと考えており、したがって通常使用される状態での有害性が建築材料として判明していない現状では、建築基準法上禁止することが必要という認識には至っていない。ただし、アスベストは労働安全衛生法とか大気汚染防止法等に基づいていろいろな規制が行われているところであり、6月28日に厚生労働大臣が発言したように、全面禁止という方向で使用禁止されてくれば、反射的に―建築基準法で言えば、ご案内のとおり耐火の建築材料として使えるものとして挙げられているものを削除するという方向で、建築基準法としては対応していく方向になるのではないかと考えている。

※ 厚生労働大臣の方針について、少なくとも出席されている部署として、「問題であるとか、異論があるということはない」という理解でよいかと問うたが、声はなし。

※ 「通常の使用状態」云々をめぐる議論も行われているが、数年来の同じ議論と変わらないので省略した。


A 要請書まえがきで述べたような、内外情勢に関する貴省の認識をお聞かせ願いたい。

B 今後40年間の悪性胸膜中皮腫による男性死亡者数が過去10年間の約50倍、10万人にも達するという将来予測は、(i)アスベストの禁止、(ii)アスベスト健康被害対策、(iii)既存アスベスト対策を含めた総合的対策の見直し、確立を迫るものであると認識しているが、貴省としてどのように受け止めておられるか、お聞かせ願いたい。

【建築指導課回答】 ABについては、総論的な話で、所管のところの観点でしかお答えできずに恐縮だが、内外情勢については、近年欧州を中心にしてアスベスト規制が確実に強化されていることは承知しており…(一部聞き取れず)…ならないのではないかとは思っているが、アスベストの防護対策という観点では労働安全衛生法や大気汚染防止法等に基づいて様々な規制が行われているところであり、所管の厚生労働省や環境省で検討されているのではないかと考える。

C 4月28日付け毎日新聞報道の「省庁間協議」(正式な協議といったものでないことは承知しています)への貴省からの参加者、部局、また、 貴省として、どのようなスタンスを表明されたのか、お聞かせ願いたい。この報道に対する貴省内外から寄せられた反応、意見等についてもお聞かせ願いたい。


【建築指導課回答】 答弁書にもあるように、実務担当者の情報交換を行ったということで、スタンスの表明等を行ったものではない。

※ 住宅局建築指導課および総合政策局建設業課から担当者が出席。官庁営繕部建築課も誘われていたが都合がつかず欠席、後で資料をもらったとのこと。6月28日の答弁書の閣議決定・厚生労働大臣発言後には、協議のような声はかかっていないとのこと。


D アスベスト禁止の導入に関して、貴省のいずれかの部局において、関係業界(建材メーカー、ゼネコン、設計業者、施工業者、解体業者等)から何らかの意見・要請が寄せられたり、話し合いを行ったり、または働きかけていることがあれば、お聞かせ願いたい。

【建築指導課回答】 これも建築基準法の観点からということだが、関係業界等から要請等は寄せられていない。(他の出席者の部署にも、ない。)


2. 建設行政におけるアスベスト問題

@ 数年来の貴省との話し合いを私たちなりに整理させていただくと、建材へのアスベスト使用ないしアスベスト含有建材の使用を禁止するという点に関しては、建築基準法を管轄する立場から、(i)現に流通・使用されている―すなわち他の法令等によって禁止されていないものを締め出すわけにはいかない、(ii)現在使用されているものは建築物を通常使用する状態では粉末や繊維が飛散する恐れは少ないものと理解している、という主に2点の理由から、建築基準法上禁止する必要があるという認識にはいたっていないということのようである。一方、貴省自らが発注者となる立場からは、アスベスト含有建材は使用しない―ノン・アス化を積極的に推進する、また、解体・改修等にあたっては法規制の対象となっていない「非飛散性」アスベスト含有建材についてもアスベスト含有建材の場合と同様の対策が必要という方針を明示し、地方自治体等に対してもそうした方針を伝達・指導されている。さらに建設リサイクルを進めるという立場からも、再資源化等が困難な有害物質含有素材としてアスベスト含有建材は「非使用が求められる建材のひとつ」と認識されている。このような理解に間違いがないか、お聞かせ願いたい。


【建築指導課回答】 前段の部分は建築指導課の関係だが、(i)の「現に流通・使用され、他の法令等によって禁止されていないものを締め出すわけにはいかない」というのは、必ずしもそうではなくて、建築基準法の観点からは、(ii)に記載されているように、先ほど申し上げたように、通常の使用状態では衛生上の支障を生じさせるという十分な科学的知見が得られていないということで、建築基準法上禁止する必要性があるという認識には至っていない。ただし、規制を管轄されている他の省の方で禁止されるということになれば、反射的に、建築基準法の方も…するということになるのではないかと考えている。

【官庁営繕部建築課回答】 後段でアスベスト含有建材のノンアス化について書かれているが、われわれは発注者の立場にいる。JIS等が改正され、アスベスト含有建材がだんだんとノンアス化に移行しつつあるが、官庁営繕部としては、その有害性も認識しつつ、なるべくノンアス化の材料を優先的に使用するようにしている。先導的立場という点もあるので、そういった立場をとらさせていただいている。

非飛散性のアスベスト含有建材についての対策については、「建築改修工事共通仕様書」の平成14年版が改定され、そのなかで非飛散性アスベスト含有建材の処理方針についても規定しており、それによって処理するということにしている。

【総合政策局建設業課回答】 建設リサイクル法を所管しているが、この法律の基本は分別解体・再資源化の促進であるが、もうひとつの役割として、例えば「建設資材の製造に携わる者」の役割ということで、「有害物質等を含む素材等分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等が困難となる素材の非使用等により、建設資材廃棄物の排出の抑制並びに分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等の実施が容易となるよう努める必要がある」としている。(一部聞き取れず)

※ 【総合政策局建設業課回答】は録音が聞き取りにくいため、以下も含めて要旨のみ記載。


A 「他の法令等によって禁止されていないものを建築基準法で禁止するわけにはいかない」という立場は、他の法令等による禁止の導入に反対するものではなく、また、他の法令等によって禁止されれば建築基準法上も使用できないようにすることは問題ない、という理解でよろしいか、お聞かせ願いたい。

【建築指導課回答】 先ほど申し上げたことと同じだが、厚生労働大臣の発言した方針で使用禁止ということになれば、建築基準法で扱える材料として挙げているものも削除する方向で対処することになるのではないかと考えている。

※ 労働安全衛生法令なりで禁止をする場合に、基本的に建築基準法の施行令・告示の改正と一緒にやらなければできないのか?→「そこまで、今後のスケジュール等はわからない」(禁止の施行までに整備されればよい)」。法改正は必要ないわけで、受け身ではなく今から積極的な準備、対応を要望した。


B 「現在使用されているものは建築物を通常使用する状態では粉末や繊維が飛散する恐れは少ない」という認識は、解体・改修や廃棄等の際のアスベスト含有建材の危険性を否定するものではないこと、また、アスベスト含有建材の解体・改修や廃棄等の際には危険が伴うことについては貴省全体として認識している、という理解でよろしいか、お聞かせ願いたい。

【回答】 前述の官庁営繕部建築課の回答以上には回答なし。


C 直轄工事等において、また、建設リサイクルを促進するという観点から、アスベスト含有建材は使用しない―ノン・アス化を積極的に推進するという方針をとっておられることは、こと建材に関しては、ノン・アス建材への代替化が困難なものはない、という理解でよろしいか、お聞かせ願いたい。もし、代替化が困難な建材、用途があるとすれば、具体的にお示しいただきたい。

【官庁営繕部建築課回答】 ノンアス建材への代替化が困難なものがあるかどうかということだが、その可能性についてはちょっとこちらでは判断は(できない)。メーカーの方の問題になるので。(われわれとしては)もしもそういうものが製品化されれば、積極的に使っていくということ。

今までアスベストを含有している製品については、例えば耐火性能とか耐摩耗性能を重視するものに限られてきたが、そういうものについても逐次業界の方でノンアス化の方向に進んできていて、ノンアス化されたものについては積極的に活用していく。ただ使用部位で含んでいるものしか製品がない―そういうものが現段階であるかどうか承知していないが、仮にそういうものがあってそれを使わなければ建物ができないという場合には使わざるを得ないかなと思う。

※ 「承知していない」の部分だが、現実に発注した工事で使わなければならなかった部位があったという経験はおありか?→「例えば、自転車置き場の屋根のスレートなんかそうですね」(これはもちろん鉄板等でもいけるというやりとりあり―これくらいしか思い出さないということ)。例えば、この(旧建築省)前の総務省等も入っている合同庁舎を建てる際にはどうだったか?→「現段階ではそういうのはたぶんないんだと思う。基本的にはない」。

建築基準法の改正議論のなかで、法の趣旨とは直接関係ないにしても、石綿含有建材しか存在していないというような情報に接したことはないか?→【建築指導課回答】「問題となるのは、たぶん火災時の防災用に断熱しなければいけない部分があるということだろうと思うが、今のところ使わなくても工事ができているとすれば、いけるのではないか」。建築基準法関係で挙げているものは、性能を満たしている。それらのうちのどれかを使えばいいということであって、どれを使うしかないというようなものではない(われわれの要望は、性能規定主義を徹底して、アスベスト含有製品の例示列挙をやめられたいということであった)。

6月28日に閣議決定された答弁書に添付されている現在市場に流通しているアスベスト含有製品のリストの作成に国土交通省は関与していない?→「かかわっていない」にうなずく。ここにもれているものがあるかどうかもチェックしていないかどうか、についても同様。

100%確かということではないのだろうが、ここに出席されている皆さんの現状認識として、こと建材について言えば24階建てくらいのビルを建てることも含めて、建材で代替化が不可能なものはないだろう。少なくとも(代替化不可能なものが)あるとは認識していないと?→「微妙なところ。例えば、私たちが使っているノンアス建材というのは、例えば押出成形セメント板とかあるが、それが本当にアスベストがゼロなのかという検証自体は私どもできていない。ただ規格等によると、あれは含有量が特定の数値以下だという表現である」。ただし現在は1%未満でいけているとは思うが→「そうですね。しかし、ゼロではない。正確に全く入っていないものだけ使ってできるかと言われると、それはどうかなという話はあるが、ノンアス建材についてはいいんですよということになれば、それについては代替できますという答えはできる。ゼロと言われると、いまちょっと確認のしようがない」。

「押出成形セメント板を使う部位の一例をあげれば、屋上の防水槽の保護等に使う場合がある。ここで押出成形板の代わりに何かあるかというと、確かに代替材を考える場合もあるだろうし、別の工法に変えるという考え方もある。結果的に私たちが求めているのは、関係法令に…(一部聞き取れず)…した素材を使いなさいということと、建物に求めている性能が最終的に担保されればよいということであるから。押出成形セメント板に代替品があるかと言うと、工法的にはある。まったく同じ(性能の)ものが別にあるかと言えば、例えばPCによる成形板とか―いま世の中にないですが、そういうもので置き換えることは可能だと言えるかもしれないが…。ただ物質的な代替だけではなくて、価格だとか機能性等々の観点でも検討しなければいけないから…。代替材ができてくればそれは使う」。

「工事を進めるなかで、素材の設定で、材料リストのなかで規定されている。押出成形板について言えば少なくともノンアス」。その材料選定リストは見せていただけるか?→「検討する。オープンにということではなく、こういうかたちであれば…」。

厚生労働省等との話もあるのかもしれないが、あまり受け身にならずに積極的に対応していただきたいし、今のような技術的な話―実際にアスベスト建材を使わなくても建築できているということなどはむしろ積極的に情報提供していただきたいと要望した。


D アスベスト含有建材―屋根材、押し出し成形板、波形・平形スレート、サイディング、建設塗料等のノンアス化の状況および見込みについて、承知されていることを、お聞かせ願いたい。

【建築指導課回答】 これもうちが一番近いようだが、これに関しては情報をもっていない。


E 現在、アスベストはそのほとんどが建材に使用されており、建材へのアスベストの使用およびアスベスト含有建材の使用を速やかに禁止することが急務であると考えており、その実現のためにイニシアティブを発揮されたい。

【建築指導課回答】 関係省庁の方で動きがあるという点について、連携を図ってまいりたい。



3. 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)

@ 昨年の話し合いにおいては、建設リサイクル法の講習会等を開催しているとのお話であったが、この講習会の対象は、資材製造業者や建設業者と理解してよいのかお答え願いたい。また、講習会はどこが開催し、具体的にいつ、どのような人に対し、どのような内容で行われたのか、お教えいただきたい。講習会で使用されたパンフレットや解説書等があれば、提供していただきたい。


【総合政策局建設業課回答】 講習会については、事業者でいえば建設業者、解体業者、産廃業者等々の方々、他にも地方自治体や一般の皆様向け等々を対象に、全体で何回というのは今となってはわからないが、数多くやってきている。パンフレットは、「建設副産物リサイクル広報推進会議」作成のものなどがある。


A 「建設リサイクル法基本方針」の「分別解体等特定建設資材廃棄物の処理等の過程における有害物質等の発生の抑制等に関する事項」に記載された、「建設資材廃棄物の処理過程において、フロン類、非飛散性アスベスト等の取扱いには十分に注意し、可能な限り大気中への拡散又は飛散を防止する措置をとるよう努める必要がある」、「非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある」とされる部分の実効確保について、昨年、講習会等の開催等により建設業者等に広範に周知するとの回答をいただいたが、「建設副産物リサイクル広報推進会議」によるパンフレットでは、非飛散性アスベストについてまったくふれられていない。この点について、どのようにお考えか、また、非飛散性アスベストの取り扱いについて、わかりやすいパンフレット等作成するお考えはないかお聞かせ願いたい。

【総合政策局建設業課回答】 建設リサイクル法の目的である分別解体・再資源化の促進を基本に作成したものであり、有害物質の扱いをすべてというのは難しいのかなと思う。

※ すでに解体工事の説明会でこのパンフレットを用いて説明された例にも接しているが、非飛散性アスベストに関する言及等がなく、説明者も聞かれても承知しておらず、パンフレットを説明する立場の者に、アスベストをはじめ有害物が含まれている建材の処理の仕方などの観点が入っていない実態が多いと思う。そういう意味でも、パンフレットに明記して徹底する必要があると指摘した。


B 「解体工事業に係る登録等に関する法令」による解体工事業登録の実数についてお聞かせ願いたい。解体工事業登録者と土木工事業者、建設工事業者、とび・土工工事業者の名簿を提供されたい。

総合政策局建設業課回答】 解体工事業者の登録は、6月末時点で4,376社。名簿については各都道府県で閲覧できるようになっている。


C 法第9条第2項で「主務省令で定める」とされる「分別解体基準」策定の内容について、お聞かせ願いたい。

【総合政策局建設業課回答】 「特定建設資材に係る分別解体等に関する省令」が3月5日に公布済み。(内容についての説明もあり)


D アスベスト処理工事の届出という観点からみると、労働安全衛生法、大気汚染防止法、廃棄物処理法および地方自治体の条例等に基づくものに、さらに建設リサイクル法に基づく届出が加わることになる。建設リサイクル法によって「解体工事」の届出が義務付けられることになった。「非飛散性アスベスト含有建材」とされるものを含むアスベストの事前調査表を、各届出に共通する部分について、書式を斉一化することによって、アスベスト処理工事を網羅的に把握することができると考えるが、いかがお考えかお聞かせ願いたい。


【総合政策局建設業課回答】 昨年もご要望いただいたが、各々の目的に照らして定められているところなので、難しい。


4. その他


@ 国土交通省として、建築物の解体・改修工事におけるアスベスト対策およびアスベスト飛散状況の実態調査・把握を行われたい。昨年の話し合いでは、建築物の解体・改修工事における安全確保、廃棄物になった場合の処理に関しては労働安全衛生法や廃棄物処理法等が対応しているので、貴省としては関与していないとのお話であったが、建設リサイクル法の施行により、解体・改修工事の非飛散性アスベストを含むアスベスト建材の事前調査などアスベスト対策が十分に取られないと、工事現場や中間処分場や最終処分場からのアスベスト粉じんの飛散が避けられないと考えられる。とくに非飛散性アスベストの扱いに関しては、労働安全衛生法、廃棄物処理法、大気汚染防止法、廃掃法等でも十分な対策が取られておらず、この点におけるアスベスト対策およびアスベスト飛散状況の実態調査・把握がぜひとも必要であり、緊急課題であると考える。


【官庁営繕部建築課回答】 アスベスト処理工事については、関係法令に定める有資格者―特定化学物質作業主任者や特別管理産業廃棄物管理責任者等を選任して作業管理等を実施する。その後に「アスベスト飛散票」というものを…(一部聞き取れず)…それについても「建築改修工事共通仕様書」に規定された測定方法等によって行うことになる。


A 要請書まえがきでふれたように、今年4月の日本産業衛生学会で、天井や照明器具の処理に際し、現行法令や「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に述べられた「除去作業の手順」では、吹き付けアスベスト対策では不十分であることを示す研究報告がなされている。早急に見直しが必要と考えるが、いかがお考えかお聞かせ願いたい。


【官庁営繕部建築課回答】 学会の基準に対してどうこうということはこちらも言えないが、われわれとしては「建築改修工事共通仕様書」に基づいて実施しているところである。



5. 「非飛散性」アスベスト含有建材対策


@ 貴省が平成12年3月31日付で発出された通達「非飛散性アスベスト含有建材の取扱いについて」(営計第44号)に基づく、貴省発注工事の件数および通達の実施状況についてお聞かせ願いたい。

【官庁営繕部建築課回答】 平成12年度、13年度について、官庁営繕直轄工事について実態調査を実施している。平成12年度の吹き付けアスベストの工事件数は15件、撤去面積が3,204m2、平成13年度が7件、1,969m2。非飛散性アスベストについては、平成12年度が工事件数23件、撤去面積が11,001m2、平成13年度が16件、7,063m2となっている。非飛散性アスベストの方の撤去面積は、床・壁等部位別面積の延べ面積になっている。もちろん、概数なので正確な面積ではないが、一応報告させていただく。


A 同通達では、「処分等」について、「一般産業廃棄物として安定型処分場で処分する」とされ、「建設副産物適正処理推進要項の解説」では、非飛散性アスベストについて、できるだけ直接埋め立て処分する事が望ましいとされている。「処分等」について、「特別管理産業廃棄物として管理型処分場で埋め立て処分する」とすべきと思われるが、いかがお考えか。

【官庁営繕部建築課回答】 一応関係法令遵守でやっているので、関係省が判断してそちらの方で法令化した段階で検討していきたい。


※ 「建築改修工事共通仕様書」については、前回が「平成10年版」で、今回「平成14年版」ができて市販されているということだが、平成10年版のときの第9章「吹き付けアスベストの除去及び封じ込め工事」というタイトルだったものが、「環境配慮(グリーン)改修工事」と変わり、内容的に吹き付けだけでなく、吹き付け以外のアスベスト含有建材の一部を取り込んだという理解でよいか?→「(吹き付け以外については)非飛散性のアスベスト成形板の処理」。まだ実物を読んでいないのだが、その新たに取り込んだ分については、すべてではなくかさ比重0.5以上とかの限定があるやに伝え聞いたのだが?→「そういう限定はない」。2000年3月31日付けの官庁営繕部営繕計画課長名の通知「非飛散性アスベスト含有建材の取扱いについて」は今も生きていて、共通仕様書に取り込まれなかった非飛散性アスベスト含有建材の一部を対象にしているということでは?→「通達というのはなかなか難しいが…(平成14年版共通仕様書に取り入れてしまったので用はすんだ―)そういうふうに理解していただいてよい。本当は廃止すべきなんでしょうが」。平成14年版共通仕様書は非飛散性アスベスト含有建材全般を取り込んでいると理解してよい?→「それでよろしいです。文言どおりだと『吹き付けアスベストの粉じん飛散防止のための吹き付けアスベストの除去工事及び非飛散性アスベスト含有建材(以下『アスベスト成形板』という)の処理工事に適用する』となっている」。成形板に限るということでもないのか?→「成形板以外は通常のアスベスト除去工事。そのへんは微妙なところがあるのかもしれないが、どちらにしろアスベストについてはそういう規定に従って除去なり処理をするということになっている」。

歓迎したいし、地方自治体等にも波及してほしいしすべきだと思うが、浸透の状況はいかがか?→「解体工事共通仕様書がどれくらい地方自治体で使われているかについてのきちっとしたデータはないが、解体でない共通仕様書の場合だと都道府県・政令指定都市については100%使われている(市町村についてはデータなし)」。版が変わったときに今回の改定の内容はこういうことだという説明を通知するか?→「(文書で)通知はしていないが、全国営繕主管課長会議等とかで改定の概要を説明している」。「直接的な指導はできる立場ではないので、いろいろなかたちで周知を…」。

「直轄工事については、先ほどの平成12・13年度の実態調査のなかで、とりわけ非飛散性アスベスト含有建材についてどのように行われているか確認した。これはルーチンの調査ではない。今回提供する件数、撤去面積の数字をまとめた表以外には、報告書にはなっていない」。

吹き付けについては日本建築センターの技術証明がボランタリーベースであるが、直轄工事ではこの技術証明をもった業者に限る等のハードルは設けているのか?→「している。吹き付けについては技術証明をもっている業者(仕様書には明記されていない?)」。

昨年も要望したことだが、確かに建設リサイクル法が動き出したばかりで新たな資格制度というのは難しいのかもしれないが、アスベスト建材の解体・改修工事については何らかのライセンス制度が必要と考えているとあらためて要望。建設リサイクル法によって、「解体工事業」という「業」がふくれあがっており、アスベスト対策という面からは適切な技術を確保している業者ばかりとは到底言い難い。有害物については建設リサイクル法本来の目的の言わば裏側ということではあるが、今後の計画はないか?→【総合政策局建設業課回答】解体工事業者の登録制度というのも分別解体・再資源化の促進を前提とした制度であるという趣旨の説明。例えば、今回登録された解体工事業者のうち、アスベスト対策の講習もしていると聞く。(社)全国解体工事業団体連合会(全解工連)のメンバーはどのくらいを占めるか?→「そういうデータはない」。

現行の建設リサイクル法の資格要件は、アスベスト建材の取り扱いという面から見ると不十分と言わざるを得ない。実態はかなりひどい。いまアスベスト除去業者に対するアンケート調査も行っており、また、その結果も踏まえて話をさせていただきたい、国土交通省としても実態を把握してほしいと要望した。



6. 国際海事機関・バーゼル条約におけるアスベスト対策の進展状況


@ 国際海事機関(IMO)における、新造船舶および現存船への新たなアスベストの設置を禁止する国際海上人命安全(SOLAS)条約に係る昨年以降の動向、および、国内的な対応の方針についてお聞かせ願いたい。昨年のお話では、今年5月の海上安全委員会(MSC)で現存船の既存アスベストの処理について最終的な判断がなされる見込みとのことであったがこの点についてお聞かせ願いたい。また、国内的な対応について省令改正の内容、時期についてお聞かせ願いたい。

【海事局安全基準課回答】 IMOについてだが、平成12年のIMOの海上安全委員会(MSC)で、国際海上人命安全(SOLAS)条約の改正が採択されて、アスベストの禁止について(今年)7月1日から発効した。これに伴いわが国においてもSOLAS条約の国内法令への取り入れを進めてきたが、先日7月1日に関連規程・規則(船舶安全法の船舶設備規程、小形船舶安全規則、小形漁船安全規則)を改正して施行したところ。したがって、7月1日以降、原則として船舶へのアスベストの使用は禁止されている。

※ 例外3品目について、国内で実際に使用されているかどうか(以前は使用されていないと聞いてきたが)、確認できないか検討するよう要請した。


A 現存船にすでに設置されているアスベスト対策に係る、バーゼル条約・IMO等における昨年以降の動向、および、国内的な対応の方針についてお聞かせ願いたい。昨年のお話では、バーゼル条約のリーガル・ワーキンググループとテクニカル・ワーキンググループの合同会合が昨年10月に開催され、そこでテクニカル・ワーキンググループのガイドライン案(昨年6月のバーゼル条約第18回会合で提案された案)に対するコメントやリーガル・ワーキンググループのコンサルタントに依頼した調査報告が示されるとの見通しであったが、この点についてお聞かせ願いたい。また、国内対応について関係業界とも相談しながら検討していこうと考えるとのお話であったが、この点について進捗状況をお教え願いたい。

【海事局安全基準課回答】 現存船に設置されたアスベストの扱いについては、これも今年5月に開催された海上安全委員会(MSC)で、「船上での保守・監視のためのガイドライン」(MSC/Circ.1045 Guidelines for maintenance and monitoring of on-board material containing asbestos)が作成された。これは基本的に強制適用(「ではない?」…録音不明瞭?)なものなのでわれわれとしても業界に周知徹底をしていきたい。

【海事局造船課】 造船課からはアスベストというよりも船舶の解撤の話だが、これは現在バーゼル条約の方とIMOの2か所で審議されている。バーゼル条約の方は、要請書記載のとおり、昨年10月にリーガル・ワーキンググループとテクニカル・ワーキンググループの合同会合が予定され、そこでガイドライン案の検討やリーガル・ワーキンググループがコンサルタントに依頼した調査報告が示される見通しというのは、昨年7月の時点ではそうだった。しかし会合の日程が若干変わり、今年の1月と5月、バーゼル条約が開催されて船舶の解撤の問題が審議されている。その2回の会合において、まずテクニカル・ワーキンググループの方は、「船舶の解撤の管理に関するガイドライン」の議論が行われ、一応ガイドライン案の大筋の了承がなされた。具体的にどのようなものかというと、解撤ヤードでどのようにしたら環境に優しい解撤ができるかということを示したガイドライン。一方リーガル・ワーキンググループの方は、実際はコンサルタントへの依頼もなされておらず、議論も全然進んでいないということで、これは来年以降も引き続きリーガル・ワーキンググループのなかで議論を進めていこうということになっている。

一方、IMOの方でも船舶の解撤の問題について審議されているが、住み分けとしては、バーゼル条約の方は主に船舶解撤のときにどうやって安全を担保していくか、環境に優しい解撤をしていくかということを、IMOの方ではもう少し包括的な話で、例えば、解撤というものの安全を担保したり環境を保持したりするために、各旗国であるとか各所の―各ステークホルダーの役割はどういうものがあるのかという検討が開始されている。今年3月に第47回海上環境保護委員会(MEPC)で検討が開始され始めたところで、具体的な議論はこれからである。

最後に国内対応の話だが、正直に言ってまだ具体的に進んでいる状況ではないが、学識経験者や船主さん、造船所サイドとかいった方々を集めた検討会を開始しようと考えていて、そこで適宜今後IMOの検討も進んでいくので国際的にも対応していこうと考えている。「シップリサイクル検討委員会」ということで、すでに6月に最初の会合を行っている。具体的な道筋はまだ決めていないが、今後のIMOやバーゼル条約の会合に適宜対応方針を決めていくようなかたちで開催していきたい。

※ 検討委員会は15人くらい、名簿の提供は求めた。労働組合の代表は入っていないということであった。



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