アスベスト新法:不作為の結末(目次)

アスベスト新法:不作為の結末(その4)

〜AIA会費の負担〜


1996年2月19日、(社)日本石綿協会会長、音馬峻氏(ニチアス(株)社長)と、AIA(国際石綿協会)ジボアン会長との会談は、ぺトー教授の警告に端を発したフランスの「反石綿キャンペーン」について、次のように話している。

「一方、「反石綿の市民グループ」も仲々手強い相手であった。
彼等は、この騒ぎを千載一遇のチャンスと見なし、『石綿規制』のキャンペーンを展開し、政府、行政機関、議会等へ圧力を掛けた。
実際、彼等は国際的な連携を強め、多国間の諸情報を最近のインターネットを駆使し効率的且つ有機的に収集し、反石綿運動に有効に繋げている。
(中略)
こうした環境の中で、これらの反石綿の運動に対し、AIAはあらゆる携帯を利用し、反論を試みた。
一般への広報活動、政府への働き掛け、行政機関への説得工作、議会へのロビー活動等である。」
((社)日本石綿協会「平成7年度事業報告書」から引用)
AIAは、アスベストの衛生対策のための国際組織で、アスベストによる健康上の 問題を十分認識することが目的の一つだが、反アスベストグループに対抗する活 動も活発に行っていたわけだ。

(社)日本石綿協会は、加盟後、独立会計の「AIA部会」を組織し、「安全衛生 委員会」をその中においた。1990年に組織替えをして、会長の下に3つの委員会 をつくり、「AIA委員会」をその中の一つとした(あと二つは、「安全衛生委員 会」と「広報委員会」)。

もう一度、平成12年度の(社)日本石綿協会の会費収入を見てみよう。
一般会員から徴収すると見られる「通常会費」は、225万円になっている。
 会費収入     41,289,500(円)
 (内訳)通常会費 2,250,000
     賛助金  32,800,000
     賛助会費   850,000
     協力会費  5,389,500
  この年の収支計算書を見ると、「支出の部」の「AIA会費」は764万円になっている。

支出の事業費総額は2千4百万円あまり。
広報委員会が710万円、AIA会費764万円、環境安全衛生委員会400万円、受託業務費が460万円というのが主な内訳だ。

日本石綿協会は、実に、通常会費収入のの3倍以上の金額を、AIA会費として支払っていたことになる。この額は、事業費総額(約2千4百万円)の3分の一近くを占めていた。

次年度(平成13年度)の予算では、事業費約2千万円のうち、AIA会費は約800万円で、事業費の半分近くを占め、通常会費収入約200万円の4倍にも上ることが見込まれていた。

日本石綿協会にとって、AIA会費の負担が大きくなりすぎていた。

石綿の輸入量の減少により、協会運営上AIAとの関係を維持することが財政的に困難となり、石綿輸入協議会に賛助金の値上げを願い出た(トン当たり350円に)のも、そのような事情があったからだ。

相前後して、AIAに会費の値下げの申し入れをしたことになる。

つづく                          (2006.1.4)K.OUCHI


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