PCパーツ考
パソコンは様々なパーツから構成されています。そのパーツの種類たるやとても把握できる数ではありません。ビデオカード一つをとっても、いったい何種類のビデオカードがこれまでに発売されているのか想像もつきません。
ここでは、そのパーツについて多面的に考察したいと思います。
まず最初に、使う人の好みが出やすいサウンドカード(音源も含む)を取り上げます。
今後取り上げる予定のパーツ
☆サウンドカード☆
私は常々、サウンドカードは非常に重要なパーツだと考えています。その音質だけでなくCPU負荷やDiretMusicのサポート具合等、色々考慮するべき点があると思います。
しかし、世の中には「パソコンなんて音が出てりゃ、それでいい」という人があまりにも多いようです。あまりこだわる人はいないようです。
しかし、ゲームをやるのなら話は違います。サウンド環境を変えただけでも、ゲームの雰囲気が変わります。まぁ、私がゲームをやりたいがためにAT互換機を買ったという人間のせいもあるでしょうが、実際、PCゲーマーはサウンドカードにこだわる人が多いのは事実です。
ここではそのサウンドカードについて考察します。
まずは、温故知新。最新サウンドカードを知るために、サウンドカードの歴史について振り返ってみましょう。
0. サウンドカード登場以前
IBMが1981年にIBM-PCを発売しましたが、サウンド機能は内蔵スピーカーのbeep音だけでした。あの「ビー」とか「ブー」とかいう音だけだったのです。
この頃、ゲームの世界の主流であったApple IIやCommodoreが既に豊富なサウンド機能を持っていた事に比べると、beep音のみというサウンド機能では、ゲームの楽しさの面で明らかに劣っていました。おそらく、IBMはビジネス向けのみ考えていたのでしょう。1983年に発売されたIBM-PC/XT、1984年に発売されたIBM-PC/ATになってもこの状況は変わりませんでした。
その後、IBMがコンシューマー向けに発売したPCjrと、日本IBMが発売したJXには、3音同時発音機能があるPSG(Programmable Sound Generator)音源が搭載されていましたが、これはその時限りの規格となりました。
1. 最初に普及したサウンドカード
その後長らくIBM-PCユーザーにとっては、ゲームの効果音はbeep音という不遇の時代が続いていました。
しかし1987年、その後の歴史を変えるサウンドカードが発売されました。
AdLib社のAdLib Music Synthesizer Cardです。11音モノラルのFM音源で、価格は$195でした。当初はほとんど対応ソフトもありませんでしたが、徐々に対応ゲームが増えていきました。
また、このころRolandがMIDI音源のMT-32とMIDIインターフェイスのMPU-401を発売しました。
2. 本命登場
1989年、シンガポールのCreative Labs社がSound Blasterを発表しました。性能は11音モノラルのFM音源でAdLibと互換性があり、さらにジョイスティックポートとMIDIインターフェイスも持っていました。(だたしMPU-401非互換)
そしてこのカードのその後の運命を決定づけるスペックとして、デジタイズした音の再生能力がありました。そう、PCM音源です。Creative Labsはマイクロホン入力用のジャックから取り込んだ音のデジタイズ再生用のDACを取り付けていたのです。
この機能はゲームに使われ、それまでのゲームには無かったリアルなサウンドを提供してくれることになったのです。これは同時にAdLibを駆逐し、Sound Blasterの時代がやってくることを意味していました。
3. デファクトスタンダードをめぐる争い
1991年、Creative Labs社とAdLib社は、共にこれまでのサウンドカードの後継となる新製品の発表を行いました。Sound Blaster ProとAdLib Goldです。
今後の予定
4. 一強多弱の時代
5. 新たな時代
<参考文献>
「IBM-PC活用ハンドブック」 相沢一石、斉藤健司 著 CQ出版社 発行
「サウンドボード入門」 大田英一郎、白水尚、ポリゴン健 著 ビー・エヌ・エヌ 発行
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