入力しやすいPC 〜キーボードを選ぼう〜


 「パソコンを買いたいのだけど、どこのメーカーのがいいかな? 使いやすいのがいいのだけど」
 などという質問を受けることがある。Windowsなら操作方法は同じであるし、大手メーカーのパソコンなど(デスクトップなら)どれでも同じような物なので、メーカーによって使いやすさが違うことはあまりないのだが...むしろ初心者ならサポート関連の充実を重要視するべきであろう。
 このような質問を受けた場合、あえて私は「使いやすいキーボードが付いているパソコンがいいよ。なんなら別売りされているキーボードの中から気に入った物を選んで、それと交換して使うといい。」と言うのだが、質問者は一様に怪訝な顔をする。(まぁ、あたりまえか) 彼らにとっては使いやすいキーボードと 言われてもどんなものなのか判らないのだろうし、付属しているキーボードを使わないで、わざわざ別のキーボードを買うなんてもったいないと思っているのだろう。
 人間とパソコンとのインターフェイスである「キーボード」「マウス」「ディスプレイ」が優れていることは重要な快適度である。なかでも「キーボード」は非常に重要なデバイスである。どれほどGUIが発達しても文章入力はキーボード以外に考えられない。(しかし最近、口頭による文章入力技術の発展が著しいので、近い将来は変わるかもしれない)
 近年、PCの性能は飛躍的に向上したが、キーボードだけは性能が後退しており、メーカー製PC付属のものには安っぽい作りなものが目立つ。性能上では注目されない部分であり、コストダウンのしわ寄せが来ているためである。
 さて、使いやすいキーボードと言っても、これは個人の好みによる問題が大きく、一概に「このキーボードが使いやすい!」と言う事は難しい。だが、以下に挙げる3つのfactorを満たしていれば、「一般的に使いやすいキーボード」と言えるだろう。

1.キータッチの感触

 キータッチの感触とはつまり、キースイッチを打った時の感触である。この感触については、キースイッチのバネの強さ、キースイッチのバネの特性、キースイッチのストロークの深さ、キートップの形状と材質などが深く関わっている。
 バネについては、最初は軽くて、だんだん重くなり、最後は再び軽くなってキーが入ったとはっきり判る感触を指に与えてくれるものが良いようである。
 ストロークの深さは、指先の疲労度に関わってくる。一般には、ストロークが浅く弾性の低いキーボードは長時間のタイピングには向かないと言われている。(ノートPCのキーボードにはこのようなものが多い)
 材質は、つるつる滑るものではなく、ざらざらした(梨地処理)ものが良い。

 ちなみに私は、カチャカチャタイプのメカニカルキースイッチが好みである。

2.キーボードの配列

 104や109、最近では色々なファンクションキーのついたものなどがあるが、基本は101キーボードと106キーボードの二つに分けられる。(親指シフトタイプなど独自のものなどが一部有るが...)どちらが良いかは個人の好みだが、海外ソフト(特にゲーム)を多用する場合は、キーの種類と実際の入力の一致の問題があるため、101タイプを選ぶべきである。
 また、左Ctrlの位置がAキーの隣にあることを重視する人がいるが、最近はキー入力を入れ替えてくれるソフトがあったりするので、それほど大きな問題ではないだろう。私自身は「左Ctrl+英字キーのコンビネーション」は使わないので関係ない。

3.キーボードの大きさ

 キーボードの大きさはなるべくコンパクトな方がいい。理由は簡単...机が広く使えるからである(^^)


 次に、これらの観点により、独断と偏見による「使いやすいキーボード」を紹介する。

■IBM製 5576 A01

IBM  これは最近のAptivaなどに付いてくる安っぽいものではなく、かつてIBMが超高い値段でPCを販売していた頃のものである。
 今はどうだが判らないのだが、昔IBMは人間工学の研究を行っていたらしく、その成果が現れている素晴らしいものである。きっと、コストも非常にかかっているのだろう。キースイッチはメカニカルタイプ。打ちやすく疲れない素晴らしいキーボードなのだが、唯一の欠点は...デカイことである。(まぁ、MSのNatural Keyboardほどではないが)
 ロビン電子にて購入。

■ORTEK TECHNOLOGY製 MCK-84

MCK-84  先に述べた3点を満たしているキーボード。コンパクトでキータッチの感触も良い。自宅メイン機ではこれを使用中。
 コムサテライト1号店にて購入。








★今後の期待

 現在、2つほど気になっているキーボードがある。
 秋葉原のショップであるぷらっとホームのオリジナルキーボード「FKB8579」とPFUの「Happy Hacking Keyboard Lite」である。
 ぜひ一度、手で触れて感触を試してみたいものである。

NEC  また、かつてNECの9801RAユーザーであった時に使用していたキーボードは、非常に使いやすいものであった。これを改造してAT互換機で使えるようにしてみたいものである。
 NECは98シリーズのキーボード配列なUSBキーボードを発売しているのだが、この中身の基板を、98シリーズ用キーボードに組み込むという荒技を成功させている人もいる。私も挑戦してみたいものである。




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