『始皇帝』〜しこうてい〜
出版:文春文庫
作:安能務

●やれやれ、今回は大忙しだ。
まあ、一緒にUPするのが『韓非子』だから、仕方がないと言えばそうなのだが・・・。
●まず、第一に、彼は決して、悪党ではなかった、と言わねばなるまい。
独裁者であったことは事実だ。
だが、独裁を行なわねば、国が動かなかったのだから仕方がない。
彼は、「韓非子」が残した、法術による国家統治を目指した。目指したのだが、なんせ、「韓非子」が中国統一前に自殺してしまった。
そんな訳で、彼の目指す国家の姿が、宰相以下皆、見えていなかったのだから、どうしようもない。
彼が引っ張っていかなければ、国は動かなかったのだ。
●始皇帝―秦王政は結局のところ、過労死した。
官僚たちが信用できない状況で、全ての書類を自ら決裁していれば、まあ、そうなるだろう。
彼は、皇帝にしては「真面目」だったのが、寿命を縮める原因であったのであろうな。
●何故、冒頭にも言ったが、「韓非子」と対なのか。
至った簡単な理由だ。「韓非子」が彼の家庭教師だったのだ。
まぁ、思想信条の違いによって結局は喧嘩別れのような形になり、韓非子は自殺してしまったのだが…。
両雄並び立たず、とはよく言ったものだが……惜しい時に死んでしまったものだ…。
●因みに、秦王政―後の始皇帝は、秦国王室の血は引いていないようだ。
だが、晏子の言にもあるが「登極せしものは即ち王」である。正当な手続きさえ踏んでいれば、他のことは些細なことだ。
●彼は晩年には霊薬を求め、不老長寿を目指したといわれている。
まぁ、支配者というものは須らくそうであろう。
不老長寿は人類の永遠の夢でもあるようだしな。…私には理解できないが…。
彼の場合……まさに、死ぬに死ねない状況にあったようだから、まぁ、理解できなくもないが。
2001/6/3