『央華封神RPG』

発行:株式会社 メディアワークス
著者:清松みゆき・友野詳/グループSNE

●嘗て文庫サイズにて出版されていたものに、オプション等を付け加えた新装版である。
 若干、ルールも文庫サイズ時代から変わっているらしいのだが、管理人はそれを入手することに失敗している為比較することは出来ない。
 『央華封神RPG』は、中国に伝わる「神仙思想」でお馴染みの仙人……の卵たる道士となり、善行を積み不老長寿を目指すアクションRPGである。
 ……時代劇、中華版といったところであろうか。

●先ほどもチラッと述べたが、プレイヤーは皆、「善行を積み重ねる道士」である。
 と、言うことは、当然「悪行を積み重ねる道士」と言うのも存在する。
 プレイヤーキャラクターである駆け出し道士達は、巷で悪事を行う「悪行を積み重ねる道士」を改心させる、あるいは退治する事で己の寿命を延ばしていくのである。
 なにせ、キャラクター達は皆、人間のOBである。
 不老長寿の内、すでに「不老」は入手済み、という駆け出しとはいえ、そこそこには修行を積んだ道士たち。
 ……システム的には非常に死に易いのだが…寿命さえ来ていなければ、次のシナリオ迄には生き返れるのである。
 と、言うのは、仙人・道士というのは、肉体の死と魂の死が別物になっているのである。
 肉体が滅びた後でも、代用品(人形等)があればそこに魂が宿り蘇る事が出来るのである。
 キャラクター達の場合、流石に肉体が入れ替わることはないであろうが、遺体の損傷が激しくクンフーを積んだ師匠の手に余る場合にはひょっとしたらあるかもしれない。
 ……手に余らなければあっさりと蘇るあたりが凄いといえば凄いであろう。

●ここで、一つ補足なのだが、「善行を積み重ねること」と「悪行を積み重ねること」の双方共に「不老長寿」への道だ、と言うことなのである。
 確かに、「悪行を積み重ねた」仙人は「邪仙」とプレイヤーキャラクター達から呼ばれ、狩り立てられる存在である。
 だが、それはまだまだ未熟な仙人・道士達の間の話であり、「枯れた」仙人達に言わせると、陽の気を集めたか、陰の気を集めたか、の差であって、彼らは対立してはいないのである。
 だが、その差を気に留めなくなるほどに「枯れる」には相当のクンフーを積む必要があり、千年ニ千年の話ではない。
 当然だが、プレイヤーはその事を知っていても、キャラクターである道士はそれを知らないのである。
 まだまだ人間くさい道士たちであるから、「邪仙」には激しい感情を抱くのは…当たり前と言えば当たり前であろう。

●このシステムは、言わば「正義の味方」になる為のものである。
 強きを挫き弱きを助ける、こういったスタイルが必要とされる。
 大体にして、NPCとして登場する人間達は、「相手は仙道の方だから大丈夫だろう」と結構気楽に頼み事をするのである。
 そして、プレイヤーの目的は「善行を積んで寿命を延ばす」事であるから、依頼が結果的に「善い事」であるならば断る理由はない。
 人々からの感謝の念こそが最大の報酬であるから(其れによって寿命が延びる)、過剰な報酬を要求するようならば容赦なく「善行を積み重ねた」ポイントを減らしてあげよう。
 過剰な報酬を要求し、人々を苦しめるならば、それは即ち「邪仙」と呼ばれるものだからである。

●悲しいかな、このルールブックもまた、A4サイズの大型。
 持ち運びには非常に不便である。
 まるでサイコロの様な形でも良いから文庫…せめて新書サイズに収まらないものであろうか?
2002/9/28