ジキル博士とハイド氏
著者:ロバート・ルイス・スティーブンソン
訳者:夏来健次
発行:創元推理文庫

●人間のもつ二面性を描いた作品としてあまりにも有名であり、既に語り尽くされている感があるのだが、管理人はそれでも薦めたいようだ。
善人として生活している「ジキル博士」が、薬品の服用により生み出された悪意の人「ハイド氏」に取って代わられていく様は、如何に人間が弱い生き物であるかをあらわしているであろう。
●だが、結局のところジキル博士はハイド氏に対して、最終的にはある意味の勝利を収めてはいる。
人間の良心、あるいは正義感とうものであろうか?
それらが、いかなる悪意、邪悪に対しても打ち勝つことが出来る、という事をあらわしたかったのだろうか。
●物語は主人公であるエンフィールド氏からの視点として発端から結末まで、ジキル博士の友人たるラニオン氏の手記、そして謎解きとして、ジキル博士の手紙という3部構成になっている。
本人の手紙による謎解きという構成は、管理人が心酔するアガサ・クリスティー女史の「そして誰もいなくなった」にも使われている手法であるから、ポピュラーなものなのであろう。
●この作品が、後世のホラー、ミステリー分野において、いまだ強い影響をもっているものの一つであることは間違いないだろう。
「ジキルとハイド的」という表現を耳にしたことのない者を探すほうが難しいくらい有名な作品ではないか?
人間の精神の闇というのであろうか?その部分を描き出した作品は、いつの時代でも通じるものがあるのだろう。
……たとえば、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』の様に
2003/5/4