『僕の心臓を盗まないで』
作:テス・ジェリッツェン
翻訳:浅羽 莢子
発行:角川書店
備考:平成9年角川書店発行『命の収穫』を改題・文庫化した作品

○「養子」として売られる貧しい子ども達
そして、病床でひたすら臓器を待ち続ける患者
脳死状態になった交通事故の患者が”遺した”臓器は一つ
移植希望者は二人―貧乏な少年と裕福な婦人―
○平たく言うならば”移植用臓器として売られる子ども”と”臓器を買う側”の話である
フィクションではあるが、これが実際に行われていないという確証はない
むしろ。
”金さえあれば何でも買える”世界に住む人間が、買わない訳がない。
実際、身元不明者の脳死患者は臓器移植に使っても良い、という州法のある州において、身元の判明していた旅行者が作為的に身元不明者にされて臓器移植に使われたという事例すらある国だ
管理人の住む国であっても、腎臓・肝臓、売れる臓器には値段がついてる
『臓器移植ビジネス』の発達した国ならば闇ルートの色がより暗くても不思議ではない
○因みに、管理人は臓器移植に関して否定的である
これは幸いにも管理人が臓器移植を必要としていないからやもしれない、恐らくそうであろう
当然だが、己の臓器を他者に提供する気もない
移植を必要としている当事者から見れば、己が生きる権利を行使する手段があるのなら、なのやもしれない
管理人自身、先にも述べたように必要としない側の人間なので必要とする側の事はわからない
だが。
肝臓・腎臓のように提供側が、提供後も生存し・生活を営める場合を除けば
臓器移植の順番待ちというのは―脳死だろうが、心臓死だろうが―どこかの知らない健康な誰かの死を待つ行為なんじゃあないのか?
他者の命を踏み台にすると考えるか、命を繋ぐと考えるか
それは個々の思想信条によるとは思う
管理人は前者の思想を持つ。故に否定的なのだ
○話が逸れたが。
この作品は一般的な臓器移植の順序を待つ話ではない
『臓器移植先進国』ならば、順番がまわってきて臓器が来たのならば”おめでとう”と祝福されるはずだ
臓器移植を待つ側も、提供する側も、完全に管理された状態においてその順列を無視して臓器を手に入れる方法・手段があるなら?
もしそれが実行されているなら?
つまり―――そういう事である
2004/10/12