GURPS
著者:スティーブ・ジャクソン
翻訳:黒田和人/グループSNE(翻訳権 角川書店)
発行:富士見書房
●ついに、TRPG最高峰の一つ、『GURPS』のご紹介だ。余りにも有名だからな、名前くらいは聞いたことがあるだろう。
汎用RPGルールブック、と銘打たれたそれは、まさしく、あらゆるTRPGに対するニーズに応えうるであろう。
●まず、基本として「ベーシック」これがあれば、一通り楽しめる。現代物、古代物、未来物、全てをカバーするであろう。
しかし……TRPGといえば、「魔法」や「超能力」、もしくは「スーパーヒーロー」と、現実には存在しないものを登場させることができる、という楽しみもある。
大丈夫。GURPSには数々の「サプリメント」が存在する。
「魔法」拡張ルールはそのままずばり、「GURPS マジック」が用意されている。GURPSの魔法は一つ一つが細分化されており、系統をマスターしようと思えばキャラクターを熟練させるか、あるいは、一方向へと特化させるか、のどちらかになるであろう。
次に、日本語に翻訳されているものに限定で言うならば、ファンタジー拡張ルールとして「GURPS ルナル」が用意されている。
7つの月がしろしめす世界、「ルナル」を舞台での生活(?)が可能だ。「ルナル」は「ベーシック」と「マジック」を組み合わせて遊ぶことが主流だろうな。
ファンタジーの拡張としては、コメディ路線の「コクーン」というものも存在することはするのだが…G文庫のシリーズが廃刊となった今、入手は困難を極めるだろう。
●嘗て、角川書店のG文庫シリーズにて「GURPS」のシリーズは展開されていた。
その当時、ベーシック、マジック、ルナルは勿論のこと、スーパーヒーロー物にあたる「妖魔夜行」、マーシャルアーツ拡張ルール「マーシャルアーツ」
超能力拡張ルール「サイオニクス」、未来世界物たる「サイバーバンク」と、出版されていたのだが…。
現在のシリーズ(A4ムック版)となってからの展開は、現在のところ、「ベーシック」「マジック」「ルナル」そして「ドラゴンマーク」だ。
最後の「ドラゴンマーク」は簡易キャラクター作成ルールがついていることと、背景世界ルールがついていることを除けば、目新しいルールはない。
噂では、年末までに「妖魔夜行」の改定版たる「百鬼夜翔」がでる、とのことだが……この業界だからな、気がつけば「年度末」ということも珍しくなければ、出ないことも珍しくない。
しかし、「超人」を作成するには、どうやっても必要なのが、このサプリメント(注:原典には「妖魔」だの「百鬼」だのは当然存在しない。これは、日本の風土に合わせて「GURPS Supers」を変更したものだ。原書は、アメコミスーパーヒーロー物である。)
浮遊大陸には「超人」(といっても人ではないのだが……)がちょくちょく遊びに来ている。管理人としては是非とも発行の日の目を見ることを切望している。
●GURPSは、そのキャラクター作成ルールの独自性によって、一種確立したものをもっている。
このRPGはキャラクターの作成時における一切の不確定要素を排除した。キャラクターは「許された範囲」において、プレイヤーのまさに意のままに作り上げることができる。
GURPSでは、全ての要素は、与えられた「ポイント」で「買う」。
他の、代表的なRPGのダイスの目に運命を託すような事はない。まさに、「自分の分身」を生み出すことができるのだ。
欠点としては……作成に時間がかかることであろうが……慣れていけば、どの「特徴」と「技能」を買えば、自分の望みが達成できるか、そして、それが「幾ら」で買えるのか。
きっと、そこまで記憶してしまうだろう。
それほどまでに、このRPGは魅力的なのだ。
●非常に魅力的なこのGURPS。現在、その魅力を激減させている要素がある。
それは……価格と、サイズだ。
はっきり言おう。高い。高すぎる。そして、大きすぎる。携帯に、非常に不都合なサイズだ。こんなもの、広げながら作業?場所をとって仕方がない。
……が、しかし、悲しいかな、昨今のRPGルールブックのサイズの主流はB5もしくはA4版。
価格帯も3,000円から、と手を出しずらい状態となっている。これからTRPGをはじめよう、と思う人間も、これでは二の足を踏むであろう…。
嘗ては、文庫サイズで価格も1,000円未満。中高生でも購入できる価格であった。
今の価格では、どう考えても既存のプレイヤー位しか購入しないであろう。
プレイヤー人口の増加がほぼ打ち止め状態(の様に管理人には思われる)の今、低価格帯のルールブックの再登場を願うばかりである。
2001/10/6