■ 2005年05月13日 ■ <本>榎田尤利『オール・スマイル』

ソリッドラブ』『レイニーシーズン』と続いた吾妻伊万里シリーズもこれで最後。きちんとまとまった作品だったので、気持ちよく読むことができました。(本来それがあたりまえだが・・・)主人公のふたりはもちろん、それ以上に脇のキャラがよかった。吾妻の友達、王子沢は小さい頃バレエをやっていたので王子様と呼ばれているくらいハンサムなくせに、中身はおじさん。パイポをくわえて爪楊枝でシーハーして毒舌で要領がいい。けれども勘所は外さない。一巻でさりげなく張られた伏線通り、二巻、三巻では絶妙のタイミングでメインカップルにからんできます。が、すごく男前なヤツでした。かっこいいぞ、王子沢。このキャラを読者も作者も放っておくわけがなく、番外編『ワークデイズ』では主役を張るそうです。(今から読みます)そして河川敷(かせんじき)さん。このお話の舞台である総合商社ナノジャパンのお局さま。35歳の人事部の才媛。女子社員の絶大な支持とあこがれの的。文武両道に秀でて、社内のことなら知らないことはない。この人もすごくかっこいいの。そういう人たちに支えられながら、吾妻と伊万里は少々ヘタレなのでした。吾妻は名前の通り、太陽みたいなキャラのままだったらよかったのになあ。ストレスが胃にくるタイプなんですね。伊万里は人間関係のシロウトだし。それでも、ちゃんとまとまったので、読後感は悪くないです。やっぱりどうしても底の方に暴力的なものがあるような気がするんだけれど、この作品にはその正体はでてこない。でもほんっとに、CDの配役は上手いよ。原作読了すると改めてそう思います。

投稿者 SOKE : 2005年05月13日 07:43
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