■ 2005年04月29日 ■ <本>谷崎泉『しあわせにできる』第七巻

ものすごくお話が盛り上がってるところです。それでもってクライマックス直前で、「つづく」。でも、私は雑誌で第一部終了まで読んじゃったので、心穏やかに読み終わることができました。本田が久遠寺に惹かれていって、もう少しで落ちる直前という心の動きが丁寧に描写されていて、その微妙なところを味わう本。全体を見ると、いろいろと言いたいことがないわけじゃないけれど、でも谷崎さんの作品はやっぱり好き。書き下ろし短編『等分のしあわせ』は、これまで文庫に必ず入っていた、視点を変えたバージョンの書き下ろしと違って、ちゃんとしたお話になっていて、まゆりさんのパトロン(というか保護者?)堂島さんのお話でした。これもしみじみとしてよかったな。17歳のまゆりさんとか、17歳の久遠寺の突っ張っている姿が読めて楽しいけれど、なによりも堂島さんという人を書き上げることのできる筆力を感じさせる短編でした。

投稿者 SOKE : 2005年04月29日 20:43
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