私が四ヶ月だけ在籍した高校には英語の名物教師がいた。その先生は今にして思えばヒステリー気質というか、異様なほど感情の起伏が激しい先生だった。口癖は「辞書繰れ、辞書繰れ、辞書繰れば、な〜んでもわかるんや。さて、この単語の意味は?片手で三秒!」言ったとたんに生徒全員が、研究社英和中辞典をざーっと音をたてて繰るのであった。先生は気まぐれにそのへんの生徒を当てる。直立不動で立ち上がった生徒がちゃんと答えられればラッキーだが、口ごもりでもしたらさあ大変。優しげな言葉を言いながら近づいたかと思うと、生徒を殴りつけるのだ。私と同じ中学から来た男の子がそんなふうに殴られたことがある。静かな優等生で、おそらく親にだって手を上げられたこともないだろう。彼のびっくりした顔が忘れられない。そんな教師がなぜ何年もその学校に在籍していたのか、理由がわからない。私は一学期で転校してしまったので、恐怖の英語を受けなくてよくなったのが何よりうれしかった。転校先の英語の先生は穏やかなクリスチャンで、まさに地獄から天国へ移り住んだ心地がしたことだった。さて、
ある時、金沢の高校の友達から手紙が来た。「あのK先生のことを書いた手紙がなっちゃこパックで読まれました。学校中その話でもちきりです。」え〜?ほんと?すごい。聞きたい。と返事を書くと、誰か機転の利くヤツが録音したテープが何人もの人の手を経て私の元にもやってきた。すごい。たしかに野沢のなっちゃんと、白石冬美さんが、K先生の真似をしている。「片手で三秒。やってみて?ディレクター三秒で辞書を繰れません」とか、なんとか。その投書はのちに本にも収録されて、世田谷区立の図書館で、私は教室のぴりぴりしたムードを思い出しながら読んだのだった。
その年の文化祭、あるクラスが劇でK先生をネタにして勧善懲悪の話を上演した。鬼のK先生は、御奉行様に成敗されて、そののちみんなは幸せに暮らしました。めでたし、めでたし、という話だそうだ。K先生は劇を見ながら怒りのあまりぶるぶるとふるえていたという。その場にいなかったことが、とても残念だった。でも、授業を受けるのは嫌だったので、戻りたいとは思わなかった。
xx年目のもう一つの別の広場を確認。
「恐怖の英語」
But to my suprise she made me an April Fool by giving me an egg at breakfast which was an empty egg-shell turned upside down in the egg-cup.
大原麗子と白石冬美に大人の女を感じる男さんの投書でした。
なんかこの日本語訳、聞いたかもしれない記憶がうっすらと。
ちほさんたら、何でそんな本持ってるの?もしかしたらなっちゃんのファン?ちほさんちの日記にパックの話が出ていたので書いてみましたが、思わぬ収穫(笑)収録された本のタイトル忘れていたので、そのうち図書館で探してみようと思っていたところ。そうそう。『・・・別の広場』でシリーズで出ていたうちのひとつだよね。30年も前の思い出なのに、確認できてうれしいです。