小杉十郎太×石田彰 飛田展男 置鮎龍太郎 檜山修之 鈴木千尋
ええとー原作が五冊。CDが四枚出ている『お金がないっ』シリーズ。どうしてこれ買うの?と某友人にさえ言われてしまう表紙イラストとあらすじ。簡単に言うと、「従兄弟の借金のカタに非合法の人身売買のセリにかけられた大学生の綾瀬がヤクザまがいの金融屋の狩野に買われて、借金を理由に好き勝手されてしまうという話。毎回、狩野に恨みを持っているヤクザに拉致監禁されて、あわやという時に救われる。でも実は狩野は綾瀬のことが本当に好きで、綾瀬も狩野を家族のように大切に思い始める。」基本ラインはそうなんだけれど、原作を読んで思うのは、この話は借金のために体を売るとか、SMまがいの行為を強要されることをソフトタッチで描いて、女性読者が楽しむためのものなんだろうなあということ。ここのところ大量に読んでるBLにはそういう要素もあって、いろんな基準の境界が曖昧になっている作品で、何がよくて何が悪いのか読んで自分で判断するのが面白い。『お金がないっ』のシリーズはけっこう微妙な位置にある。純愛路線を根っこに置きながらも、行為そのものを楽しむところもある。作者の未熟なところと、若いのに上手なところが混ざっていて、すごい傑作ってわけではないけれど、人気があるのはよくわかる。
CDの方は、いろいろなレビューサイトでほめてあったので、どんなふうなのか気になっていた。今日聞いたのはシリーズ二枚目。CDになって何が面白いかというと、本の中ではどの登場人物も作者の分身だけれど、声優さんが演じることによって、声優さんたちの個性が加わることだな。小杉さんの狩野は狩野の青さが幾分薄くなってしまうけれど、ヤクザをやらせたらピカイチなのでさすがでした。(ううう。黒羽を思い出しちゃう。)石田さんの綾瀬は原作の線の細い綾瀬よりも、もっとちゃんと男の子していて、それでいて可愛くて、けっこういいかも。そしてオッキー、チンピラの祇園を演じるオッキーは実に楽しそうにチンピラをやっています。でも根がまじめだから、一枚目と祇園の性格が変わって綾瀬に手を出したのは釈然としないとトークで言っていました。トークの仕切りはオッキーで、和気藹々と楽しそう。このメンバーだとほとんど立場が対等でいい感じ。小杉さんと石田さんは攻守でしょっちゅう顔をあわせるので、倦怠期かもだって。オカマの飛田さん、鬼畜な檜山さん、最高!檜山さんは「何にせよ、暴力はいけない」と力説していて、すごくまともでした。声優陣が豪華なので、やっぱり続きを聞いてしまうかもしれません。