イラスト:富士山ひょうた (Daria novels ) ム−ビック 2001/11出版 2002/04出版
勤務先の大手デパートが倒産したため仕事を探していた角田正義(かくたせいぎ)は、ひょんなことから高校時代のラグビー仲間が働いているテレビ制作会社で働くことになった。正義に任された仕事は人気司会者、円城寺円(まどか)の身辺を守ること。番組をやめろという脅迫状が届いたというのだ。円城寺のマンションに住み込むことになった正義は円が5歳年上のくせに、子供っぽく不安定で、テレビで見せている姿とは全く違うことを知る。そして・・・・
コメディかと思って読み始めたら、いろんな要素が盛り込まれていて、作品としてのまとまりはあんまりよくないかもしれないと思った。それでも、テレビ番組制作にからめて作者の本音が見え隠れして、そういう部分は興味深い。テレビのバラエティ番組という放送されたら流れていってしまうものの背後にも、それを作るために寝食を忘れて働くスタッフがいる。そういう裏方の思いを大事にしたい、というような気持ち。そして、二冊目では、正義の不器用な誠実さがテレビ番組のウソを一瞬無力化してしまう。いつだって本気になった人間は強い。そのことを知っているから剛さんの作品はおもしろい。
この作品には教授シリーズを彷彿とさせるようなエピソードが何回か出てくる。あれれ?と思ったけれど、こちらの方が出版年が前なので、ここで書いたものが、あとのシリーズにつながっているということなんだろうな。あとがきの後にオマケつき。架空のテレビ番組でBLを語る。ちょっとマジかも。