■ 2005年02月26日 ■ <本>剛しいら『色重ね』

イラスト:高口里純 (キャラ文庫 ) 徳間書店 2005/02出版
画商の黒崎は一枚の浮世絵の贋作の作者を探して、京介のもとを訪れた。この若者が天才的な技術をもっていることを知った黒崎は、この世に存在しない浮世絵の贋作を作ることを依頼する。・・・
その浮世絵が男色の春画というところがポイントです。京介は美大を卒業して、掛け軸の表装を手がける祖父の手伝いをしていますが、春画など見たこともないと言う。黒崎は絵を見せ、ゲイの男達を見せ、京介の中の弱さを見抜いて、彼の望んでいるものを与えて、良い絵を描かせようとする。被虐と嗜虐、支配と被支配の関係は、やがて逆転して愛情としか呼べないものに変わっていく。ドクボクや教授シリーズと構造的には同じ。だけれども、日本画や浮世絵がテーマなので、色彩感豊かな話に仕上がっていました。
そして珍しくこの本には剛さんの主張のようなものが感じられました。春画というものについて。春画への評価について。権威から認められることと大衆に支持されることについて。主張というには控えめかもしれませんが、BL小説を量産することに置き換えて読むと、あまりにも単純すぎるかしら。

剛しいらブックガイド

投稿者 SOKE : 2005年02月26日 15:29
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