■ 2005年02月 6日 ■ <本>谷崎泉『俺がいなきゃダメだろ?』

2001年の作品。おそらく谷崎さんの唯一の、高校生が主人公のお話。田舎の高校に通う体育会系の男の子が、新任の先生に恋をする話。先生は小柄で華奢で不器用で、放ってほけないタイプ。あれこれと世話をやくうちに、だんだん惹かれていく様子をゆっくり丁寧に書いてあります。・・・このあらすじだけじゃ、この作品のほんわかした良さを伝えることができないだろうなあ。まず、先生も生徒ものんびりした学校の描写が楽しい。それから幼なじみ達との家族ぐるみの付き合いの地域社会の様子が楽しい。その上で、他所からの異分子である新任の先生が、だんだんなじんでいく様子がちゃんと描かれている。そして主人公の男の子と先生の距離がだんだん近くなっていく。お互いの気持ちを確かめたあとも、ふたりは情にほだされない。どうすれば一番相手が幸せになれるのか考えて、そして行動します。谷崎作品のどれもが最後のところでは、相手の幸せを一番に考えるというのが、この作品にもきちんと通っていて、お話自体はやはりファンタジーだけれども、読んだあととても気持ちのいい作品になっています。

投稿者 SOKE : 2005年02月06日 17:06
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?