この本を読んで私は確信するにいたりました。谷崎さんはフジミのファンで、意識して書いてるのか無意識かしらないけれど、いろんなところにフジミの世界を感じさせるものがあるので、それで私にとって、とても読みやすいんだと。それはエピソードのつなぎ方や、ちょっとした言葉遣いにとどまらず、最終的には明るく楽天的に話を収めてくれるという安心感まで同じ。いろいろなレビューを読んでいると『君が好きなのさ』のシリーズ10冊の後半くらいから上手くなってきたという話なので、私は最近作から溯って読んでいます。『エンジェルノイズ』は今年出た本で、ふたつのお話のうちひとつは2002年。もうひとつは書き下ろし作品。書き下ろしの方も、フジミだったので結構根が深いかも。それでも連載中の『しあわせにできる』は、オリジナルな部分も大きいので、これからはそっちの方がメインになっていくだろうと思います。
『エンジェルノイズ』は都会の高級スーパーマーケットに勤務する天音が、商社から出向してきている遠藤を、後輩として教育して親しくなるうちに、ある日突然遠藤に押し倒されてしまうという話。最初は茫然としていた天音が、それでも一緒に仕事を続けるうちにだんだん遠藤の気持ちにほだされて、彼のことが好きになる。その過程を丁寧に書いてあります。スーパーマーケットの仕事をきっちりこなしながらのお話なので、あらすじで読むほど荒唐無稽な話ではありません。手堅い文章が結構好きです。
この2人、かあいいな〜。好き。ああ、楽しかった!
ノベルズだと谷崎さんは、できるだけ設定を地味にしようとしてるみたい。
長編が派手だからね・・・どっちも好き。