■ 2004年11月13日 ■ 身代わりの恋人

さて、数え切れないくらい読み返して、作品にどっぷりひたっていると、そのうち作品中のパターンが見えてくる。そしていろいろ言いたくなるわけだけれど、秋月さんの作品に繰り返し表れるパターンは、「身代わりの恋人」。
フジミではまず、圭の祖父と伊沢と光一郎さんの関係。圭の父と母と妹の関係。そして、これはまだ可能性だけれど、圭と悠季と彼女の関係。私が読んだ秋月さんの本の中では、「要人警護シリーズ」の、立花と西條と兄。「王朝ロマンセ」の業平と国経と千寿丸。「テンペラシリーズ」は(ちょっと我田引水っぽいけれど)日本画家と弟と主人公の関係。以前、フジミの感想に、常に死の気配を感じると書いたけれど、最愛の人を亡くすという経験が色濃く反映しているんじゃないだろうかと思ったりする。ただし、それはマイナスには働かない。終わりを知っているからこそ、今を大事にするという形で現れているように思う。どんなに甘い言葉を語っても、どんなに幸せでも、彼らは常に終わりを意識している。だからこそ甘い。「身代わり」という言葉を使ったけれど、これもマイナスの意味はなくて、むしろ積極的に生きていこうという意志の表れとも見える。最近の作品では、死別という形ではなく、恋人は生きているけれど別れがあって、違う人と新しく始めるという話に変わってきたように思う。自分の意思で選択するということなんだろうな。いろいろと突っ込みどころが多くても、私が彼女の作品にひかれるのは、その前向きで楽天的な姿勢があるからかもしれない。

あと、悠季はいつもお湯を沸かしたまま、他のことに気をとられて(笑)カラ焚きしている。
いつか火事になるぞ。

投稿者 SOKE : 2004年11月13日 14:40
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