『王朝春宵ロマンセ』の外伝。昨年末発行された「キャラコレクションVol.2」に掲載された短編です。まだ文庫になっていません。これもオークションで入手。ロマンセの春夏秋冬の四冊の本編のあとで、外伝の「唐紅ロマンセ」の前に書かれた作品です。既に業平と国経は気持ちが通じたあとの話で脇ながらいい感じの描写が続きます。主人公の千寿丸の出自が、関係者以外にも知れ渡り、その高貴な血筋を巡って様々な思惑が渦巻いている中、春の花見の宴の華やかさと裏腹に、千寿丸の恋人諸兄は別れを予感して涙する。千寿丸が、国経が、業平が、そんな彼のために手をつくしてくれる、そういう話。一番大事な場面で使われるのが「和歌」なんですよ。業平のあの有名な歌とか、その他いろいろ。そういうものに気持ちをたくす話がBL雑誌に載ってるんですよね。こういう和ものの漢字が多い作品がOKになったのは、陰陽師ブームのおかげだそうです。なにがどう転ぶかわからないですね。千寿丸が宮廷で認められるにしたがって、諸兄と千寿丸の立場は逆転していく。大人になった千寿丸と諸兄の主従が逆転しても気持ちはもとのまま、というひねった話なら、結構好きかも。おすすめ。
投稿者 SOKE : 2004年10月22日 20:23