『ラヴァーズキス』を買ったついでに、隣に並んでいた『BANANA FISH』をざっと見て、久しぶりに読みたくなったので(全部初版で持っているはずだがいったいどこに・・・)一冊だけ買ってきました。これは文庫の外伝集。最初の単行本では、フラワーコミックスの19巻とサイズの違う『PRIVATE OPINION』に分かれていたのを、一冊にまとめたものです。アッシュとショーターの出会いの話。本編が終わって7年後の英二の話。ブランカとアッシュの出会いの話。そして伊部さんと英二の出会いの話。最初の三つの作品は本編が終わってから描かれた作品。鎮魂と再生の物語だそうで、どこかもの悲しいムードがただよっています。最後の『Fly boy、in the sky』は、『BANANA FISH』が始まる前に描かれた、一番最初のストーリー。この三作と最後の一作の間には10年の月日があって、その間に『BANANA FISH』が描かれました。
今回久しぶりに読んで、『Fly boy、in the sky』の完成度の高さに驚いてしまいました。絵も話も素晴らしい。この作品が初めて載ったのは、白泉社の別冊LALAという雑誌で、5冊くらい出たきりの中綴じスタイルの増刊号でした。1984年だから、もう20年も前。この頃の方が絵が上手いよ。いったいどうしたことでしょう。(禁句?)
美大の学生だった伊部さんが、進路に迷っている時にテレビのインターハイの棒高跳びの決勝を見て、決勝で負けた高校生の表情に心を引かれる。それが奥村英二でした。伊部さんは奥村君の写真を取るため彼の住む町へ行って、彼の姿をファインダー越しに追いかけるうちに、自分が忘れていたものを思い出す。青い空に飛んでいった長島選手のホームランを見つめていた頃の気持ちを。そして伊部さんの写真を見て、奥村君もまた、自分の棒高跳びへの最初の気持ちを思い出すのでした。
とてもタイトにまとまっていて、生活の描写がしっかりしていて、しかも甘さに流れず、読んだあとに青空にすいこまれていくホームランボールを見た時の気持ちが残る、そんな作品。『BANANA FISH』もアッシュもこの時には作者の中にも存在していなかったかもしれないけれど、一番最初の物語がこんなに素敵なお話なのは、すごいことじゃないかしら、と今さらながら思ったのでした。
そして、私の頭は今フジミに染まっているので、奥村英二と守村悠季が無関係とは思えないんですね。アッシュは圭じゃないけれど。(どっちかっていうとブランカのビジュアルか)『終わりのないラブソング』の御大と吉田さんとか、小説道場に投稿した秋月さんとか、そのへんの相互作用について、リアルタイムに読んでなかったのがちょっと残念。今から復習しようとか思わないけどさ(笑)でも、そもそも吉田さんのデビューの頃の作風は倉多さん抜きに語れないとか、24年組の作品の影響とか、溯っていくと面白いんだけれど、誰かそういうのを概説する本を出してくれないかなあ。
私は意外とYASHAって好きだったんですよ。終わり方が腰砕けっぽいかなと思っていたんで、却って続編は歓迎でしたし。BANANA FISHの方が人気あるのは分かるんだけど、リアルタイムで読んでなかったせいか、以外と粗が目についてしまって。もちろんBANANAも面白いと思うし、YASHAも突っ込みどころは満載だけどさ。
とゆーわけで、最近の吉田さんの絵もきらいじゃないです。
でも、Fly boy の絵が今よりうまいとおっしゃるのも分かります。あれはほんとにいい話だね。何ていうか、英二も、伊部氏も、読者も、たぶん作者も、英二を待ち受けている運命を知らないだけに。もちろん決して否定されるべき運命ではないんだけど。
私にとって吉田さんて決して一番好き〜!!って夢中になれる作家じゃないんだけど、やっぱり本が出ると買っちゃいますね。
お出かけ前に無関係なレスすみません〜。気をつけてね。
『ラヴァーズキス』も、掲載当時はそんなに好きじゃなくて、一巻は買ったけれど、二巻を買ったかどうか覚えてないの。でも、今読んだらすごく上手なのがわかりました。そんなふうに、けっこう当時の私の目はバイアスがかかってるのかもしれません。『YASHA』も最新作もコミックスをj持っていないので、一度まとめて読んでみようかなと思いましたよ。
ああ、飛行機飛ぶかな〜?