年に一回のペースで『CHARA』という雑誌に掲載されている、『幻月楼』のシリーズが単行本になりました。四つの話が入っています。まとめた紹介文を書く時間がないので、第一話が掲載された時の、私の日記のメモをコピーしておきます。
限りなく昭和初期に近いある時代、鶴亀味噌の若旦那升一郎と、
吉原のお茶屋の幇間(たいこもち)与三郎の話。
鶴亀味噌の主人である升一郎の父親の葬式から話は始まります。
跡を継ぐのはずの升一郎が今ひとつ乗り気でなく、
周囲もあやぶんでいるところに、次々起こる怪現象。
犯人は誰か?与三郎は何を知っているのか?
幻月楼の幻の月とは何なのか?
升一郎のキャラがおもしろい。
今さんの作品にめずらしく、ちゃんとした(?)美形で頭もいい、
何でもできるのに何もものにならない、器用貧乏の素っ頓狂。
キーワードは素っ頓狂です。いちいち、タイミングがはずれているところが絶妙です。
与三郎も、幇間でふらふらしているように見えて、
実は腕に覚えがあったりする。そして、「見える」タイプ。
得意技は「怪談」です。
このふたりがからんで面白くないわけがない。
掲載誌はボーイズ雑誌なのかな?
ちゃんと読者サービスもありますが、ほどよく上品で
楽しい仕上がりになっています。
シリーズにできそうな作品なので、きっと探偵物みたいにして
続くんじゃないかしらん。
でも、探偵物とも幽霊話ともコメディとも、ひとつにジャンルわけ
できるような作品ではなくて、いろんな要素がバランスよく混ざっている。
この作品で一番注目したいのはそこだと思いました。
今までの他の作品もおもしろいけれど、それらを混ぜて
もっとおもしろくなった感じ。
絵もお話もひとつ垢抜けたような気がする。
ますますこれからが楽しみなのでした。
(2002/01/11)
四話揃ったところを見ると、やっぱりいろんなジャンルが混ざっていて、その混ざり具合が楽しい本になっていますが、も少しゆとりがあったらもっと楽しいかもというような印象。でも、面白いです。おすすめ。
投稿者 SOKE : 2004年08月27日 11:35