■ 2004年08月22日 ■ 富士見二丁目交響楽団シリーズ第四部

第四部6冊読了。ヨーロッパ留学編。悠季はコンクール入賞後、イタリアのマエストロ、エミリオの弟子になり、圭はヨーロッパの指揮者コンクールを転戦する日々。ここにきて悠季と圭の恋と音楽が対立する様相を見せています。いいかえれば依存と自立の問題。第四部の圭は唯我独尊おれ様天才指揮者ではなくなって、自分の不安を悠季で埋めようとする。悠季は引っ込み思案な性格だったのが、音楽に目覚めるにつれ本来の自分が現れて、圭に依存する必要がなくなってくる。二人が恋も音楽も両立するにはどうすればいいのか、試行錯誤が続きます。
この作品は雑誌のJUNEに載った中短編が文庫化されているので、一冊の本にふたつの挿話が収録されています。雑誌掲載の作品なので、続けて読んでない人にも話がわかるように、経過をきちんと説明する部分があるし、だいたいその挿話の中で起承転結があって、とっても読みやすいんだけれど、続けて読むと繰り返しがしつこいかも。一つの話に一回は入っているサービスシーンというのが、いっそ邪魔になってきて、なかなか難しい。それでもマンネリにならないような、あの手この手のバリエーションが楽しいんだけれど。(←ほめてます)
悠季が自分の音を見つけ出していく過程が感動的でした。圭も自分の音楽を自分で作らなくてはいけないわけで、共演する場合以外は、それは孤独な作業なので、極めれば極めるほど別々の話になっちゃうんですね。過去のスポーツ漫画や芸術漫画がたどったのと同じように。そこをどうするのかが今後のテーマでしょうけれど、結論はでないかもしれないな。小さな起承転結を繰り返しつつ、ずーっと続くことに意味があるという境地に達するのかもしれませんが。

投稿者 SOKE : 2004年08月22日 16:48
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