ネットのいろんなところで書名を見かけたので、読んでみました。角川文庫で二巻まで出ていますが、全六巻。会社員の父が身体を壊して、その療養を兼ねて一家四人で母の実家に越してきた原田家の長男、巧が主人公です。巧は中学一年生になったばかりですが、天才的なピッチャーで、日々トレーニングをこなし、強い意志で自分の力を伸ばしていこうとしています。自分の力を信じている巧は、周囲と妥協をするということができない。納得できることなら従うけれど、建前やウソには従わない。そんな巧の態度は家族や友人や先生や先輩との軋轢を生みます。弟の青波(せいは)や、キャッチャーの豪や、祖父の助けを得ながら、彼が意思を通しつつも周囲を理解していく様子をきめこまやかに描いた作品。
久しぶりにライトノベルから離れて、児童文学のお話を読みました。文章の感じがかなり違うので新鮮。浮ついたところがないって感じかしら。よく練った言葉で、納得のいく心の動きを描いています。それでも、なんとなくまだお話に入り込めませんでした。あとがきの作者の文章が硬くってね。本文が柔らかい言葉遣いなのに、あとがきは硬い。作品の最後に、作者の意図とか書かないほうがいいんじゃないかなあ。主人公のまっすぐな意思というのは読んでいて気持ちがいいけれど、人に有無を言わせない実力があるからそういう強さがある、ということに、私は疑問を感じるんだろうと思います。これもある意味ファンタジーだなあ。続きは文庫になるのを待つことにします。
投稿者 SOKE : 2004年08月20日 05:06