以前から書店の平積みになっているのを見て、気になっていた本。表紙イラストは雪舟薫さん。19世紀末イギリスの青年ふたりの並んだ姿。もう表紙を見ただけでなんとなくBLっぽいんだけれど、ビーンズなので一応BLにしないのだそうだ。
19世紀イギリスのパラレルのような設定で、政府公認の歓楽街レーンが舞台。レーンで働く娼婦や男娼は宝石と呼ばれ、中でも最高級の宝石は金の城に住む。主人公のひとりは金の城に住む宝石のショウ。もうひとりは、レーンに新任の医師としてやってきたレイ。とりあえず第一巻はショウとレイがどうやって知り合ったかという話。
レーンは一種治外法権のような場所で、お金さえ払えば最高級の宝石が買えるが、外での社会的地位は全く関係なく、国王といえどレーンのきまりに従わなければならない。独自のシステムと情報網を持ち、国の最高機密を左右する駆け引きがレーンで密かに行われることもある。
そういう基本設定を作ることで手一杯な感じがする。作者があとがきに書いているとおり、ショウとレイがまず最初にあって、事件の方が追いついてない感じ。でも、もう少し話が練ってあったらもっとおもしろいだろうなと思う。
レーンという設定自体が、かなりきわどいので、そこを舞台にするのは難しいだろうと思う。この先、巻が進むにつれて、堕落せずに純愛路線を続けることができるのか?というところが見どころかも。
雪舟さんのイラストが、けっこう好きなんだけれど、いろんなシリーズの絵を見て、主人公達の一番個性的な部分は絵にはしないんだな、と思うようになった。内面までは踏み込まない。お人形のようなところで筆を止めているような気がする。それは想像の余地を残すためにわざわざそうしてるんだろうか?とか思ったりするけれど、まだよくわからない。
作者の公式HP「楽園貴族」
http://members.jcom.home.ne.jp/y.komazaki/