■ 2004年07月24日 ■ <本>とみなが貴和 『EDGE3』

平凡な女の子が、ふとした拍子に芽生えた殺意を、都会の雑踏の中にばらまこうとする。それを阻止することができるかどうか?三作目もよく練られたプロットで、犯人の動機も手段もすとんすとんと収まるところに収まって、シリーズ全体で続いている錬摩と藤崎の関係も複雑になり、さらに次の話への伏線も仕込まれているという、小説としては出来すぎの一冊。かえってそのきちんとした仕事ぶりが欠点じゃないかと思えるほど。もっとミスディレクションとか無駄とか趣味が混ざってもいいかもしれない。だけれど、三冊読んでみて、それはこの作者の特質かもしれないと思うようになりました。私が読んでいて一番印象が深くて、一番好きなのは、硬質でいて優しい独特の雰囲気です。錬摩も藤崎も松並も桜井も、犯人達でさえ、同じ弱さを共有している。そのあたりを見つめる作者の目が私は好きです。ずっとそればかりで行くわけにはいかないかもしれないけれど。二年も待たせた続刊はもうすぐ、8月5日発売です。あんまり錬摩をいぢめないでね。

投稿者 SOKE : 2004年07月24日 04:28
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