■ 2004年07月20日 ■ <本>結城光流『少年陰陽師3鏡の檻を突き破れ』

ルビつき難読漢字が一挙に増えました。うちの中学生が漢字を覚えるにはいいかも。三冊目でとりあえずお話に一区切りつきました。晴明の孫昌浩は、陰陽師としての強大な能力を持っているけれども若干13歳。後継者として任せるにはあまりにも若すぎる。晴明は自分を取り巻く強力な式神たちを孫に譲りたいと思っているが、式神たちは昌浩を認めない。ちょうどその頃、都に怪しい気配が満ちて、外来の物の怪がどこかに巣くっているのを昌浩は退治することを任される。外来の化け物、日本の神、12神将と陰陽師の壮絶な戦いの中で昌浩は成長し、大きくなっていく。というような話。
すごく面白かった。昌浩の中の力が目覚めていく様子とか、式神がだんだん昌浩を認めて行く過程が丁寧に描かれていて、でも読みながら、「それでも、その戦いが時の権力者(道長)のためにやってるんだとしたら、ちょっとつまんなくない?」なんてどこかで思っていたら、ちゃんとそれに答えるような展開が用意されてました。(そういうのあり?と言ってはいけない)晴明は、もう先が長くないと思っている老人として出てきます。孫いじめが生きがいのいけずなおじいちゃん。それでも孫を助けに出張って行く時の姿は霊力の一番強かった20歳の頃の姿だというので、なかなか美味しい役どころです。主人公の昌浩は「こんにちは」「ありがとう」「ごめんなさい」のきちんと言える、しつけの行き届いた少年で、それだけでもポイント高いんですが、式神たちに任せ切りにしないで危機の最中も彼らを守ろうとする、とてもいい子です。陰陽師ものを読むのはこれが三つ目くらいなんだけれど、同じ題材でも違うものになっているので、この時代とこのネタは想像力を刺激する良い題材なんだなあと思います。

投稿者 SOKE : 2004年07月20日 06:40
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