■ 2004年06月19日 ■ <陽水>ビデオ『CURVE』

インターネットのファンサイトがなければ、存在自体知らなかっただろうビデオを入手しました。1992年にツアーの会場で販売された45分のビデオ、『curve』。これは三部構成になっています。

第一部「陽水」 第二部「素顔」第三部「バレリーナ」

当時33歳の佐野一という陽水のファンの方が、中学二年生のときに陽水に出会い、陽水の音楽とともに青春をおくり、そして陽水と自分の人生を重ねることをやめたときまでの経緯を、一本のVideoにまとめて陽水に送ったところから話が始まります。第一部「陽水」がそのビデオです。
陽水はそのビデオを見て、佐野さんと一時間にわたって話をして、「映像のアマチュアリズムの復権」ということで二人は意気投合。その年の暮れに行われた6回のライブのリハーサルと本番に、佐野さんは立会いカメラを回すことを許可されます。第二部は佐野さんの撮った映像と、スタッフが撮った映像を編集してまとめてあります。
そして第三部は佐野さんのカメラの前で、(そのためだけに)陽水が歌った映像を、佐野さんがプロモーションビデオにしたもの。『バレリーナ』がフルコーラスで入っています。

最初にいかにも素人風の映像が流れた時に、これは見ていて痛かったらどうしよう、と思いましたが、杞憂でした。ひとりのファンとして陽水を追いかけ、自分の青春を重ねていた佐野さんが、陽水と自分の人生の分岐点を自覚し、社会人として会社に通い家庭を持つまでを短いビデオにまとめてあります。ファンでありながら、距離を測ることのできる彼に、陽水が好感を持ったのもわかるような気がします。

そして第二部。この年のライブは急に思い立って6回おこなわれたもので、通常の時間帯に会場を押さえることができずに、真夜中の12時に開演という変則的なものでした。ライブ映像はプロが撮ったもの。その映像と佐野さんが撮った楽屋の映像などが入ります。陽水の歌は部分しか入らないので、あああ、もっと歌を聞きたい、と思ってしまうのが玉に瑕ですが、プロには撮れない瞬間の切れ端が新鮮でした。中でも急にカメラに陽水がぐっとよってきて「・・・そこにいると、じゃま。」「・・あ!すみません」っていうのが面白かったな。

第三部はプロモーションビデオ。『バレリーナ』にバレエを踊らせるのはあまりにもベタだろう。東京タワーと花火はないだろう。・・・と思いました。この頃の陽水の歌は素晴らしく、カメラを固定して回すだけでじゅうぶんなので、演出はいらないんですが、これも実験的な試みとしてはおもしろい。

アマチュアリズムを取り入れたとはいえ、ビデオ全体の仕上がりには破綻がなく、企画に秋元康の名前があるように、きちんとプロの手が入った作品でした。第二部にはたぶん他で使われたインタビューの内容も一部入っているのですが、そこで陽水が言っていることは今とあまりかわらない。えのきどいちろうの『陽水全発言』を読んでも、陽水は昔から首尾一貫しています。既成の価値や評価にであうと、「ほんとかな?」と思ってしまうこと。自分に対して決め付けられると反対のことをしたくなること。人前に出るのが大嫌いなのに、人前で歌っていること。
おそらくそのバランス感覚が、プロ仕様ではない映像を作ろうと思わせたんでしょう。

さて、当時陽水は44歳くらいです。この頃の陽水をリアルタイムで追いかけていなかったので、映像も歌も新鮮です。当時の歌は声量音質とも抜群で、対応も少しソフトになってきたところで歌声も甘く、短い映像の切れ端でさえ、聞きほれてしまう。きっとライブ映像は保存してあるだろうから、いつか全部見たいものです。12月のライブなのでアンコールに赤い上着を着て、白いボンボンのついた赤い帽子を被り、『ジングルベル』を歌っていました。・・・・びっくりした。・・・・・『ジングルベル』さえ、スバラシイ。(←バカ)バックでは今さんが鹿の角をつけて、名前忘れたけれど、他の人が天使のわっかと羽をつけていました。

この頃のライブの映像が見たい。テレビ番組が見たい。これで市販の映像は全部入手したんですが、テレビとかラジオは録画してないとどうしようもないもんね。そのうちDVDボックスでも出ないかなあ。あまりにもそういうのが少なすぎる〜

投稿者 SOKE : 2004年06月19日 06:57
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