■ 2004年06月11日 ■ 望月花梨を読む

望月花梨を四冊読みました。「裸足めぐり」「チョコレートダイアリィ」「スイッチ」「スイッチ」2
最初の二冊は比較的古い作品で、まだつたなさが残る。けれども感覚が鋭くて、時々はっとさせられて、それでも私はこういう中学生の残酷さはちょっと苦手かも・・・と思いながら読んでいました。で、どの話か忘れたけれど、すこんと突き抜けた感じがあったんですね。一線越えてもいいんじゃないかというサバサバした感じというか。それを読んでちょっと受け入れられた。なんていうんだろ。この人は常識の範囲、日常の範囲から逸脱したいと思ってるし、ちょこっと意地悪だし、それなのに、学校とか小さい枠の中が好きな感じもする。鋭いナイフを小さい世界の中で振り回していたら、それは危険だわよ。で、振り回していたナイフが切り裂いたところから小さい世界を見たら、いとおしい気持ちになった・・・って、そんな感じ?
「スイッチ」の二冊は、そういう危なっかしさを上手に馴らしつつ、消さずに、前向きにまとめてあるところが良かったかも。これは絵も上手いし、誰が読んでも良い作品だっていうだろうなあ。誰にも知られちゃいけない関係って、現実以上にロマンティックなんだよね。そういうのが好きな向きにはたまらない作品。
ううう。でも、私は主人公のそばにいつもいる仲良しの女の子とか仲良しの男の子とかが怖いです。ああいう親友のことは何でも知ってなくちゃいや的関係は、私が一番避けてきた世界なので・・・一人で立って歩けよ。おせっかいするなよ。自分のことは自分で抱えろよ。などと思ってしまいました。一歩間違えば一番やっかいな敵とか火種になる関係を繰り返し描く望月さんは、そういう関係のどろどろした部分にこそ惹かれているのかもしれませんよ?

投稿者 SOKE : 2004年06月11日 20:29
コメント
■ Posted by: komuro : 2004年06月11日 21:40

あ、今日届きましたか。

>親友のことは何でも知ってなくちゃいや的関係は、私が一番避けてきた世界なので・・・

あれ?そうなのか.....私自身はこの年代の友達同士でつるむ感覚は普通に理解できる。うとましいとは思わないけど...。
SOKEさんはくらもちさんを読んでないのね。「海の天辺」を読んでいたら、どう思うかそこも聞きたかった。私には同じモチーフでも切り口が全然違って、どちらも面白いんだけど。

>一歩間違えば一番やっかいな敵とか火種になる関係を繰り返し描く望月さんは、そういう関係のどろどろした部分にこそ惹かれているのかもしれませんよ?

初期の初期は確かにインセストタブー的なストーリーも描いてらした。その毒っぽさがマニアに受けていたみたい。そのどろどろさが、だんだん無くなってきて、初期作品のファンと近作のファンとで分かれる所以ですね。私は「スイッチ」から入ったから、違和感なく全部の作品を読めるんだけど。
単行本の柱とかでご自身が語られてましたけど、中学生以上を主人公にするのが苦手だったのだって....。中学生を主人公にすると重くなると言って。
そういう未発達を描くのが専門な人だったのが、主要人物に大人を据えた画期的な試みなのね「スイッチ」は。私は、その子供の背丈から大人を見上げる感覚に引かれて読み出し....。2はちょっと惰性で。
主人公を子供と思っていたら、やにわに大人な振る舞いを見せる、そういう一瞬の表情の切り取り方が好きなんですよ。

■ Posted by: soke : 2004年06月11日 22:53

ははは。勝手なことを書いてすまんですね。もしこれを中学生の時に読んでいたら、すごくはまっていたかもしれないけれど、二倍どころか三倍の年になってしまうと、教師側から見て、さらに父兄側にたってしまうというところがあるのかも。いや、生徒と先生でもかまわないんだよ。そういうことより作者が、どうもちょっと危険なところに惹かれている感じが、なんとなくヤバそうと思うのかも。そこが魅力になってるんだろうけれど。

■ Posted by: komuro : 2004年06月12日 06:05

>教師側から見て、さらに父兄側にたってしまうというところがあるのかも。
あ、そこが問題なのね。それは考えなかったです。私は、素でこの人の感覚はクールだけど優しいと感じていたから。
大人を違和感なく世界に呼び入れるのに、「先生」という職業を使って上手くいったのが「スイッチ」で、その後の作品ではやっぱり上手くいってないのよね。先生というカードはもう出せないし。この人の難関はだから、大人の扱いなんでしょう。今、ちょうど引き出しが空っぽという感じで描いてくれてないのが、残念でならない。もっと描いて欲しいのにな....。

■ Posted by: komuro : 2004年06月12日 06:25

私、昨夜と同じこと書いているわ....すみません(笑)。
今しばらくは読めないでしょうけど、気が向いたら「鍵」とかも読んでみてください。「笑えない理由」とかも面白いです(しつこい/笑)

■ Posted by: soke : 2004年06月12日 08:23

なに言ってるのkomuroさん(笑)新しいのも読みますよ。古いのはちょっとだめかもしれないけれど。大人を呼び入れていくことができるのか、大人を入れなくても、もうちょっと引いたところから描けるか、というところが、メジャーになるかならないかの境目かもしれないね。でも、別にメジャーにならなくてもいいなら、これで十分優れた作品だと思う。・・・それにしてもこの世界を描き続けるのは年齢的に無理がでてきてしまうだろうけれど・・・読んでからずーっと思っていたんだけれど、自分の好んで読む作品がいかに「大人が読んで楽しめる作品」に偏っていたかってこと。もともと読み始めは共感から始まっていたのにね。そういう意味でも面白かった。

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