・・・というわけで見てきました。連休のせいか客の入りもそこそこで三分の一くらい席がうまっていました。
さて、映画。まるでフェルメールの絵のような画面が時々あるんですが、町の様子、室内の様子を見て、それが17世紀の生活の息遣いを伝えているかというと、ちょっとどうかな?と思うときがあるの。時々、どうしようもなくフラットな画面があらわれて、現実にかえってしまうようです。もったいないなあ。・・・主人公の女の子は絵の少女に違和感なく重なりました。フェルメール役のコリンファースは、イメージ通りか否かは別として、好きな顔だなあと思って見ていました。妻の母役の人も好き。肉屋のピーターはも少しなんとかしてほしい。金髪のハンサムのはずでは。
なんせ原作を読み終わって三時間後くらいに見たので、自分の頭の中のイメージに肉付けしてもらえるのが楽しかった。女中が身につける頭巾とか、洗濯するための大釜とか、冬の寒さで凍った運河や、凍ってばりばりの洗濯ものとか。
↓(以下ネタばれ)
そんな中で手も触れないのに通じ合う心や、頭巾を外した場面をも少し丁寧に描写してほしかった・・・原作を読まずに映画だけ見た人に、話が通じてるんだろうか?と不安になりました。耳飾の場面を変えてしまったのはいかがなものだろう。あれではちょっとあからさますぎるのではないかしらん。
絵に奉仕するという大義名分のために、妻と女中の目に見えない力が対立し逆転していくところが原作の面白さだと思うけれど、そのへんの緊張感を出すのは難しいかも。小説は主人公の一人称だし、主人公の家の境遇を織り込んでいるからあまり目立たなかったけれど、映画で客観的に見ると、あの主人公に感情移入する人はあんまりいないかな。ちょっとヤな女かも。子供がいじわるするのも当然かも。そういう雑多な感情をねじふせるくらい、絵の世界に没頭する二人を描ければいいんだろうな。そのためには、画家はけっして女中に手を触れちゃいけないんだわ。映画はほんの少し下界に降りすぎたのかも。
フムフム。原作を読んでいったsokeさんならではの感想。
映画も見てないでこんなこというのはどうかと思うけど、やはり映画だけ見てる人には下界に降りていく方が受けるんじゃないかと思ったりして・・・
そうかもしれないけど、上手い降り方と下手な降り方があって・・・
今回のはどんなもんでしょう。
ウィルス騒動で疲れ果てているYusaです。
もっと早くレスしたいと思いつつ、そんなわけで時間ばかりが経ってしまって。いっそWin98ダイアルアップの日々に戻ろうか、とさえ思ってしまいますわ。
「真珠の耳飾りの少女」私は原作の方が好きです。て、映画観たのは飛行機の中だから、画面の美しさとかは想像は出来ても実感できてない部分もあるとは思いますが。
SOKEさんもお書きですが、
「原作を読まずに映画だけ見た人に、話が通じてるんだろうか?と不安になりました。」
同じことを私も思いました。特に主人公の感情の起伏。1時間40分くらいと短いから、どうせなら2時間にしてもう少し時間をかけてもよかったのでは、と思います。
まず、映画ではグリエットとフェルメールが彼の家で顔を合わせるのも、ピーターが彼女の両親に教会で会っちゃうのも、早すぎるような気がしました。妹の病気のこととかカットするのは仕方ないのかな。あそこでピーターが恩を売るというか、彼女が彼に頼らざるをえなくなるというのは展開のひとつのポイントの筈だけど。
この本って、英米では超ベストセラーになったから、原作読みのことを無視しているとは思わないんだけど、知っている人が多いと思って色々説明を端折ったんだろうか。
あとやっぱり、耳に穴を開ける場面を変えた理由がよくわからん。下界に降ろす手段?? クローヴを買って塗る場面とか面白かったのに。
ただ、最近思うんだけど、原作と映画がある場合、どっちを先に知っているかって重要だよね。原作読みだと、どうしても映画が描いた部分より、描かなかった部分が気になってしまう。これは舞台作品にもある程度云えることだけど、なまじ映画って、映像がリアルで情報量が多そうに見えるし、舞台ほど大胆な省略や解釈が期待される媒体ではないと思うので、よけい気になるのかも。原作読んでなくても面白いと云っている人は大勢いるから、それなりに描けている筈なんですが。
それはそれとして、やっぱりお洗濯や料理、絵の具を作る場面は面白いよね。石鹸の黄緑色とか妙に印象に残っている。
それに、原作がそのまま画面に出てきたような場面も多かったことは事実です。
だけどやっぱりピーターはもっと美形を使ってほしいわよね。(笑)
スカーレット・ヨハンソンはきれいで年齢も演技力も役に合っているとは思うのですが、あの絵の少女には私はどうしても見えなくて…。だって眉が吊っているし、目も欧米人として特に大きい方ではないので、フェルメールのパトロンに、「あの目の大きな(wide-eyed)メイドはどこかね」と云われるようには見えないんだわさ。
なんて文句言いつつ、DVD買ったりするかも知れませんが。(笑)
僭越ながら、去年の日記にちょこっと書いた感想を再録しておきます。(無関係の話も入ってるけど)
http://www2.diary.ne.jp/search.cgi?user=70648&cmd=show&num=2003111231068666606&log=2004580147&word=Pearl
http://www2.diary.ne.jp/search.cgi?user=70648&cmd=show&num=2003111601069016359&log=2004580147&word=Pearl
http://www2.diary.ne.jp/search.cgi?user=70648&cmd=show&num=2003121251071268148&log=2011470835&word=Pearl
パソの対応、ご苦労さまです。いやいや、聞きしに勝る大変さで・・・すごいよね。きっとYusaさんは海外サイトを回っているから拾いやすいんじゃないかなあ。だって対策をほとんどとってない身近な人の中で感染した人はまだ聞かないから。
自分の見てない映画とか読んでない本で、いつか読むだろうというものは、人の感想文はナナメに読んでいるので、本読んで、映画を見てから、Yusaさんの日記を読みに行きました。(さるさるの検索ってこういうとき便利)ついでに、掲示板も掘って読みましたよ。(こっちは検索がないので大変)掲示板の方がくわしかったかな?そして、感想がほとんど同じだ〜と思ってにやにやしちゃいましたよ。マスター&コマンダーに通じる当時の生活の丁寧な描写がおもしろかったです。
耳飾の場面は、原作では見えない側までつけろっていう画家のわがままだったけれど、映画では靴下のほころびと同じで、ちょっとね。本当のクライマックスは隠していた髪の毛を見られるところなのに。そのへんの山場をずらしたんでしょうか。新教徒が装飾を隠して質素に暮らしている中で、頭巾から豊かな巻き毛が現れるっていうのが、官能的な意味を持つというのを他の本でも読んだことがあるよ。
スカーレット・ヨハンソンは、絵の少女とは違うけど、きれいな子だし、違和感はなかったな。『ロスト・イン・トランスレーション』を楽しみにしてます。SWのアミラダの替え玉役をやってたんだってね。ナタリー・ポートマンに似てる?
ピーターのしょうもなさについてはコメントをひかえますが、原作のはなかなかいいヤツだと思う。だからこそ、主人公も心を許すんだろうね。コリン・ファースは顔が濃かったわ。男優はみんな濃かったんですが、オランダってそうなんですか?(ちが)
Yusaさんの日記読んでると、文学作品とかSFの新しいのとかもコンスタントに入ってるね。『航路』は私も気になってます。某所で引用一覧を作ってる方がいたような(笑)これも課題図書。SFはCさんに、これを読めば最近の動向は大丈夫、ってのを何冊か紹介してもらおうと思ってるんだけれど?元気?
>原作を読まずに映画だけ見た人に、
はい! それは私。
>話が通じてるんだろうか?と不安
話しは通じたような気になってるんだけど、すくなくともわからない、とか駆け足だった、とかは思いませんでしたが。
きっと原作を読んだ方がご覧になると、あそこも無いここも無いと思われるんだろうけれど、知らないことは幸福なのか、全く問題なく良かった〜、と思って帰ってきてしまいました。
そして、耳に穴を空ける意義…とか、全く悩まないのでありました。…というか、話がどんどん先に進むから立ち止まって考えている時間がないんだと思いますよ、いきなり映画だけ見ている人には。
原作読んでる人はポイントわかっているから、そこを注意してみるんだけど、何も知らないとポイントもわからないから通りすぎていく…みたいな。
う〜ん、原作と映画、どっちが先が本当に良いのでしょうね。
むかし『L.A.コンフィデンシャル』を友達と一緒に見に行ったとき、友達は原作を既読で私は未読でした。映画が終わった後、彼女が「なんて浅いんだ!」「あんな話じゃない」とか言って怒っていたので、映画の出来に満足していた私は「よかったじゃん?」といいながら、心の狭いヤツ・・・と、思っていましたーでも、原作を読んで、彼女の言いたかったことはわかった。エルロイの生い立ちやら経歴からくる暴力と死の匂いまで、映画は再現できなかったかもしれない。だけど、映画を先に見て、感動しちゃったので、私は擁護的になるのね。ガイビアースもケビンスペーシーも艦長!もといラッシーもよかったー!LAの場合、映画と原作のビジュアルが被ることはほとんどないくらい別ものなので、映画先のほうが両方楽しめてよかったのかも。『真珠』も、映画が先だったら映画の良い場面が印象強いかもしれない。さて、どっちが先がいいかは・・・難しいね。指輪は、映画が無きゃ原作読まなかっただろうけれど、二部三部は原作を先に読んどいてよかったと思ったし〜まあ、めぐりあわせってことで。