■ 2004年04月29日 ■ 第二夜「デザイナー」

いや、おもしろかったですね。第一夜のちょっと物足りなかった部分をふきとばしてくれるような中身の濃さ。これは本当に三夜連続で三部構成になった番組なのかも。少女まんがの核に向かってだんだん間合いをつめていく感じがします。
一条御大はマンガが好きだ。マンガ家になってよかった、と言います。これだけ長くマンガを描いて、今なおそう言えるところが素晴らしい。現在連載中の『プライド』と30年前の『デザイナー』がつながっている面白さ。この番組はたぶん、こういう構成になるだろうなあという予想はしていました。本のタイトルは忘れましたが、最近出た一条さんの本に、家のことや貧乏したことや絵を勉強したことやデザイナーさんにいろいろ教えてもらったことを書いたものがあったから。語り下ろしみたいな本ですが、「プライド」を持って生きることを信条として生きていく、という一条さんの姿勢がはっきり現れていて面白かった。この番組でご本人自身の口から、語られるのを聞いてほんとにパワフルな人なんだなあと再確認しました。

『デザイナー』という作品を読んだことのない、うちの子供たちが見ても、この番組はおもしろかったそうです。なぜなら『プライド』を読んで、一条さんがどういう人かわかっているから。『デザイナー』って面白いの?と聞くので、今度実家から持ってきて見せてやると約束しました。

70年代から80年代の少女マンガの黄金期にどっぷりひたってきた人間にとっては、『ベルばら』『デザイナー』『ポーの一族』というラインナップは、ちょっと不思議でした。『デザイナー』というのは、先端の技術で描かれたマンガだったけれど、マニア的には「柾」が大矢ちきだよね、というのがまず言いたくなる(笑)とか、内田善美がアシスタントしてたんだよね、とかいう話になって、作者本人について熱く語るということはあまりなかった気がします。そのあとの大長編『砂の城』とか『有閑倶楽部』については、流して描いてるんじゃないかしら、くらいに私は見ておりました。

でも、今という場所から振り返ったときに、30年以上描き続けて、第一線で活躍されて、次の世代の読者(たとえばうちの子供たち)をひきつける力があるということは、すごいことなんじゃないか、と思いました。一条さんの作品は、とてもおしゃれなんだけれど、手が届かないほど洗練されてしまうことはない。一般の読者からかけ離れてしまうことはない。変わらずその位置をキープし続けることはすごく難しいと思うんですが。

少女まんがの黄金期みたいな時期があって、そのあと細分化されたり再生産になってしまったりマニアックになったり、同人方面へ行ってしまったり、拡散したかのように見えたんだけれど、ここにきて一条さんが「マンガ家になってよかった」と言いつつばりばり仕事をしていたり、山岸さんが『テレプシコーラ』で「いまどき正しい少女まんが」(byいしかわじゅん)を描いていたりすることは、すごいかもしれません。本来のマンガの面白さを再発見させてもらっています。

そして、第三夜が楽しみですね。この流れで『ポーの一族』についてどう語ってくれるのか。
野心とも勝ち負けともプライドとも無縁のところに、存在してる作品だと思うんですが。
でも、そいういろいろなものが同時に存在しているのが少女まんがなんですよね。

投稿者 SOKE : 2004年04月29日 10:35
コメント
■ Posted by: くーみん : 2004年04月29日 11:21

■ Posted by: : 2004年04月29日 01:01
(第一夜のところからコメント移動しました。)

あちこちにある日記のメモと、メールのおかげで今日は、見忘れませんでした。

メカ班、凄いっすね。
火華姫とデザイナーは同じメカなんだな。
最近、思うのは、パソの専門用語辞書にマンガ辞書ってないかしらっということ。
固有名詞とか、名セリフの言い回しを添削してくれるの。
萩尾望都は一発で出ないもの。
聖悠紀もでないけれど、単御登録してある花郁悠紀子と変換してから出しました。
あれ、これは偶然かしら。「悠紀」

明日は、ポーということで、実は昨日の流れから、番組自体がしっかり三部作になっているように感じました。
明日も楽しみです。

さて、些末なことながら、おおやちきさんが柾氏を描いていたことは、とっくに公式だと思っていました。

Z Iでバラの花を木原敏江さんが描いたのと同じように。

■ Posted by: soke : 2004年04月29日 11:44

コメントこっちに移動しました。
ほんとに、すごいアシスタント、聖悠紀と弓月光と新谷かおる。大矢ちき。内田善美。松苗あけみ。
くーみんさんのおっしゃるとおり、番組三つでひとつの作品かもしれないと思いました。番組の放送順序を予告と変えたんですよね。仕上がりを見て、そうしたのかな。
最初は『ベルばら』『ポー』『デザイナー』だったんだよ。

これはどう?
「花郁さんの絶筆にペン入れしたのは青池さん」
マニアの常識(笑)

■ Posted by: くーみん : 2004年04月29日 13:13

単行本の後書きに描いてあるからマニアの常識「未満」でしょう。(笑)

花郁悠紀子さんの絶筆は鉛筆描きだから、厳密には、もう、この世に存在しないんですね。
コピーくらいは残っているかもしれないけれど。

鉛筆の線を残して、作品を未完とするか、ペン入れしてえんぴつの線を消して作品を完成するか、難しい選択だったと思います。彼女の絵だけえんぴつで残すっという選択もあったかもしれないけれど。

最近のデジタル処理技術をもってすれば、そういう形で再現することも可能かもしれない。作品としてはすごく違和感のある画面になってしまうけれど。

しかし、らっぽりの生原は凄いですね。OPのベタのところが、黒ラシャの切り張りではなくって、一面墨汁でしっかり塗ってあるんです。塗るのも大変だけれど、乾かすのも大変だったろうなっと思いました。

今回のこだわり館はかなり満足な出来です。
このまま、この路線で番組を作って欲しいなっと思いました。
やっとマンガを血肉として育った人が番組をつくりだしたんだなっと思います。

■ Posted by: soke : 2004年04月29日 13:29

ああ、いかん。以前くーみんさんがMLに書いてましたね。このへんには一家言おありなのだった(笑)とっさに他に思いつかなくてねえ。

・・・銀河荘なの!に萩尾さんが描いているとかー
D班レポートの中の肖像画とかー
「ドジ様見てる?」とかー
ダートムアの少年のバックがすごいとかー
骨董やのご主人がフィリップのきらら星人とかー
とかとかとか。

なかなか、これぞ、っていうのが出てこない。

『兄弟仁義』は同人誌版は持っていますが、生原は見ていません。なぜか原画展は地元ではしませんねえ。コミティアとかでやってるのね。できればカラー原稿とかを展示する常設の場所を地元に作ってほしいと思うんですが・・・

■ Posted by: くーみん : 2004年04月29日 17:12

そうか、いつか金沢で金沢のマンガ家展を開催して下さらないかしら。学芸員がそういう年代になるには、あともうちょっとかかるかしら。


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