■ 2004年04月28日 ■ 第一夜 「ベルサイユのばら」

「THE・少女マンガ!〜作者が語る名作の秘密〜」第1夜 「ベルサイユのばら」 を見ました。CM無しでまるまる一時間一作品について語るのは、けっこう長くて、内容も通常のまんが夜話よりも充実していたように思います。まず作品のストーリーを丁寧に紹介して、作者の生い立ちを、絵と歴史への関心という点から振り返って、間に関わりのある人たちのインタビューが入ります。それから、現在の作者へのインタビューと、もっと具体的な「ベルばら」の内容を交互に紹介し、間をファンである中井美穂さんと評論家の藤本由香里さんと、読者の方のインタビューでつなぐ。NHKにしては珍しく、少女まんがで初めてのちゃんとしたベッドシーンを描いたことについての言及がありました。番組の最初と最後を池田さんが「世間に知られる存在になりたい」と願ったことが実現した、というふうにまとめているところが、すごい。池田さんは野心の人なのだ。良い作品を残したいとか、人の心に残るものを残したい、とは言わないんだよね。その結果としての影響力というところが結論でした。
私がこの番組の中でおもしろかったのは、若木書房時代の本の紹介があったこと。『由紀夫君』とかいうの。ハンサムな転校生をめぐっての、女の子ふたりの物語。この三人のうち二人が病気で死んでしまうという悲しいお話。ちょっと映ったカットがその後のいろんな作品を連想させておもしろかった。それから貸本に『桜京』があったんだねえ。内容はコミックスになった『桜京』と同じだろうか。それと、藤本さんの話がおもしろかった。中井さんは、あんな人だっけ?なんか以前とイメージが違う。読者代表の人たちも穏やかで感じがよかったです。
総じて過不足なく編集されたまとまりの良い番組でした。あんまりきれいにまとまりすぎてて、物足りないくらいでした。でも映像というのは正直で、池田さんの語り口とかには、さすがに自信とかいろんなものが感じられましたね。やっぱり普通のおばさんとは違うみたいです。

美術館に展示される原画がちょっとよそよそしく見えるように、NHKの番組になったマンガ作品も、ちょっとよそいきの顔をしていて、私が知っている作品からは距離があります。マンガを読んで楽しむということは、すごく個人的なもので、読む速度も思い入れも人それぞれ違っているので、なかなか共通項をくくれないんじゃないかな。ナレーターが入る番組よりも、大ファンの人が熱く語るような番組の方が見ていて楽しいかも。でも、よくできた番組でしたけれど。明日とあさってはどうでしょうか。

投稿者 SOKE : 2004年04月28日 00:37
コメント
■ Posted by: 茶 : 2004年04月28日 02:06

こちらへ寄ってからはっとして、途中から見ました〜。私の部屋のはちょっと天気が悪いとBSうつらないので今日もダメで、暗くなったリビングへ下りて‥
なので最初15分ほどはどうか知りませんけど〜なかなか良い番組だったと思います。作者も色々あったけど〜ご健在でしたね!
大画面で見るアップの絵は、穴があくほどマジマジと見つめた少女の頃を思い出させ、すっかりファンの気分に戻ってました。しかし鼻とんがってたなあ‥
ファンの声が一番要点をついているのはどの番組も同じですね〜。
しかし「由紀夫君」とは‥なかなか〜。貸し本時代は知りませんでしたので。すごいセンスだけど、そういえば深刻な話がはやった時期もありました(^^;原爆症という所がちょっとだけ社会派?
藤本さんてああいうお方だったのか‥(初めて見た)
中井さんの髪型、ちょっとオスカルっぽかったよーな?

■ Posted by: soke : 2004年04月28日 07:19

よしながさんの『フラワーオブライフ』も原爆症でしたよ。突然。これも、少女まんが的系譜かも?藤本さんのしゃべりかた・・・女子大生みたいでしたね。意外でした。画面で見るオスカルって、すごく女っぽくて、映画とかヅカのオスカルが昔、「どうしてこんなにしちゃうの。」と思ってたけれど、大人の目にはああ映るんだ・・・と、わかりました。そしてアントワネットが王妃として死ぬところが描きたかったんだ、という池田さんの言葉も、目からウロコというか。そうか、あの最後10週はオスカルの死に匹敵していたのか(作者にとっては)と思いました。当時の熱狂の最中にいたので、そういうことは見えませんでした(笑)でもって、『おにいさまへ』のサンジュストさま〜の中に面影探したり。キャラが違うって。

■ Posted by: 茶 : 2004年04月29日 01:12

恋するオスカルってめちゃ女っぽいんですよね。でも連載の当初はけっこう長い間そうではなくて恋を知らない少年のような(というか少年以上の)凛々しさで、そこがよかったのにぃ(^^;
映画は化粧品会社とのタイアップで肌の綺麗な若い女優というのが条件という大人の事情があったり、舞台にしても2時間程度のうち半分以上ドラマチックな恋の盛り上がった所になるからどんどん女っぺくなってしまうのよね。宝塚の役者さんは魅力をよくわかっていたと思うけど、監督は男性だし、やはり女が演じてるフェルゼンやアンドレと差をつけないとならないしね〜。
昔々、ツヴァイクの「マリー・アントワネット」を偶然にも連載直前に読んでいた私は「桜京」のキャラをあてはめただけのストーリーだと思ってました。それが悪いんじゃなくて、すごく上手くはまってた(^^)
10週貰ってたのか〜増しな方でしょう(^^;十分なのでは‥
(よしながさんのそれは未読。なんと‥??)

■ Posted by: soke : 2004年04月29日 11:30

そうそう、絶対『桜京』のことをはずせないんですよね。あそこで京を描いていたから、オスカルにつながっていったんだと思います。あとは、木原さんとか大島さんのマンガの影響を抜きにして語れないんだけれど、そういうことは後からはわかりにくいかもしれません・・・『デザイナー』で「柾氏」のことを語らないのが片手落ちなように。これについては、橋本治が、深刻ぶっている登場人物たちがみんな子供なのにひきかえ「柾氏」だけが唯一大人だった、という評論を書いていておもしろかったです。『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』だったかな?

よしながさん、おもしろいですよ。おすすめです。
主人公の祖父母が長崎で被爆したという設定でした。
深刻な話なんですけれど、懐かしかったです。この設定。
むかしよくあったような・・・

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