富山県福野町にある円形劇場ヘリオスは客席数最大613席のホールです。大貫妙子さんが出演するというので、Kさんと聴きに行きました。座席は平面から一段上がった部分の最前列。前に誰もいなくて、すぐ近くで大貫さんが歌っているような親密な空間でした。それでも照明などきちんとしていて、楽しい時間を過ごしてきました。このコンサートは大貫さんとSaigenjiさんのふたりが二部構成で出演するというもので、私はSaigenjiさんを初めて聞いたので、誰だろう、このにーちゃんは?と怪訝な感じて見ていたんですが。いや、エネルギッシュ。元気。サウンドも変わっている。おもしろい人だなあ。くわしい経歴はヘリオスのHPにも載っていますが、南米の音楽をベースにオリジナルを作っている人のようです。彼の歌っている歌の中で私が一番聞き入ってしまったのは、南米の民謡でした。「平原の中を男が歩いている。彼のあとを月が追ってくる。そういう情景を歌ったものです。」と前置きして、なんの伴奏もつけずに、朗々と歌い出したときに、青白い平原が浮かんだような気がしました。続けて彼がそれをモチーフに作ったオリジナル曲を聞きました。・・・彼の描き出す歌の世界と自分の間にはあまり接点がないような気がして、とにかくエネルギッシュで密なので、へろへろと遊ぶ隙がない感じというか、コンサートの曲に同調していくことはできるけれど、時々見失ってしまう感じというか、だけれど、Saigenjiさんの根っこにこういうフォルクローレがあるなら、大丈夫かもと思いました。
Kさんは、大貫さんのコンサートは10回以上聞きに行かれてるそうです。私は初めて。高校時代に友人にテープをもらってちょっと聞いて、それから「メトロポリタンミュージアム」があって、CMなどで耳にする機会も多いのに、きちんと聞いたのは初めてです。一ヶ月前に予習用にベストアルバムをいただいたのですが、すいませんばたばたしていて、聞き込むことはできませんでした。だから、結構、白紙状態で聞いた感想を書きます。あの声であの曲の人ですから、きっと少女のような人なのだろう、という予想にたがわず、赤いロングドレス。袖口に光るスパンコール(照明を反射した光がいつも私とKさんの上をチラチラしていました。)長い髪。という外見でした。しかし、もしかしたらこの方って、すごくタフな人ではないですか?曲を聞き、MCを聞き、そんなふうに思いました。「大きく浮かないから、大きく沈まない。」と本人は笑っておっしゃっていましたが、この長い年月(30年)そういうふうに続けていくのはすごいことかもしれません。(この年代の人たちはみんなタフだけれどね)透明感のあるよく響く声なのに、長く伸ばさない歌い方で、ここでずーっと声を伸ばして欲しい、と思うこともあるんだけれど、その途切れた間にあるものが良いのかもしれない、と思いながら聞いていました。初期の頃の音楽は全く生活感のない音だと思っていましたが、この年月の積み重ねがやっぱり彼女の歌にも反映しているでしょうか?そうしてずっと追いかけている人は自分の年月を重ねて彼女の歌を聞くのでしょうか。最後の三曲は有無を言わせないパワーにあふれていました。帰り道。彼女の歌の響きを消すのがもったいなくて、車の中では音楽を聞きませんでした。
■ヘリオスグルービーナイト vol.13[Just Acoustic]
出演:大貫妙子/Saigenji
http://www.town.fukuno.toyama.jp/helios/jp_site/groovy/groovy_jp_r.html
昨夜はお付き合いくださいましてありがとうございました。
Saigenjiは南米系の洗練された感じでライブが楽しくて、お行儀よくステージを向いて座っているよりBlueNoteのような場所で一杯気分で聴きたいと思いました(<私だけ?)
大貫妙子さまは、身も蓋もないくらいさばさばしつつちょっとシャイなしゃべりくちの姐さん的風情が、持ち歌のイメージからは意外かもですね。
彼女もそのコンサートも「歌を聞かせる」というより、サウンドやサウンドから立ち上がるイメージを楽しむタイプではないか、という気がします。私自身は詞や曲や声の持つ気負わず押し付けがましくない、でも一本筋が通ったスタイルと場所や情景を切り取ったような空気感が好きです。
高速を使わずに帰りましたが、金沢に入って8号へ出るまでは空いていたので、快適に往路+20分弱と予定通りの到着でした。山道はあまり車の通りもなくさびしいくらい暗かったのですが、県境の辺りはずっと尾根筋を走っていたのでなんとなく見晴らしはよかったです。でももしかしたらもう一つ海に近い通りを通った方が近かったのかな?
あそこのお客さんはお行儀良かったですね。でも、まるっきり見当ハズレな客層というわけでもなくて。富山って不思議。そうそう、お酒飲みながら野次とばしながら騒ぎたい感じがしました。二日前のことなのに、かなり時間がたったような気がします。(←動きすぎ)