新語をつくる男

 

父は新語づくりの名人だ。

10年ほど前に、ブルゾンを買ってもらったが、それ以来「ブルソン」とその類のものを呼んでいる。

先日インターネットを始めたが、「プロバイダ」をいまだに「ブロバイダー」と呼んでいる。

濁点系が苦手のようだ。

 

「GIVENCHY」を「ギブンチャイ」と読んだこともある。

「イヴサンローラン」は、読めなかった。

ある意味、正しいと思う。英語しか知らなければ。

 

3年前、ドイツに住んでいたときに、母が訪ねてきたことがある。みなで旅行して歩いたので、留守宅の父にはホテルの連絡先を書き、「取り次いでもらうまで」のドイツ語をフリガナつきで書いて残していった。

父はさっそく旅行中の母に連絡を取ろうと、ホテルに電話して見事取り次いでもらった。

本人は意気揚々としていたが、実はホテルの人は「わけのわからない事を言っている電話があるのだが、日本人らしいので出てくれ」と言ってきたのだということは知らされていない…

 

そんな彼だが、地元じゃあ結構な名士だ!

 

 

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