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| 数字・ことば |

| 今から10年後のわが国の労働人口の落ち込み予測。2007年には人口が減少に転じ、団塊世代が60歳定年の時期に到達するなど、わが国の経済社会は大きな転換点を迎える。 これに備えて厚生労働省は昨秋、雇用政策研究会(座長は労働政策研究・研修機構理事長、学識経験者ら14人で構成)を立ち上げ、今後の雇用・労働対策の見直しについて検討してきた。 労働力人口とは、満15歳以上の人口のうち、就業者と一時休業者及び完全失業者との合計で、一国で動く意思と能力を持っている人々が供給できるサービスの総量を示す指標だ。 それによれば労働力人口は、すでに1999年から減少に転じ、昨年現在で6642万人。予測では、これが2015年には408万人減の6234万人、更に2030年には昨年比1047万人減の5595万人へ急ピッチで減少するという。このまま放置すれば日本経済は現在急速に経済発展を見せている中国や韓国に追いつき追い越されることは確実だ。 雇用政策研究会は、このような労働力人口減少への対策として今後10年間に、(1)60歳代の再雇用・就業支援(2)出産 ・子育てで離職した母親の再就職支援(3)ニートなどの若者の就業機会を増やすため、新卒以外の雇用対策を講じることなどを提言している。 もちろん、労働力人口の回復には、雇用面だけでなく、若い世代が安心して出産後も働き続けられる環境づくり、養育私設の充実など、多方面にわたる対策が極めて重要となる。政治の果たす役割も不可欠だ。 |
| 靖国神社に「英霊」として祭られている戦死軍人約246万6000余柱に含まれている外国人英霊の数。内訳は台湾出身者2万7000人弱、朝鮮出身者2万1000人余人。いずれも旧植民地下で日本人として徴用された人々だ。 靖国神社をめぐっては、第2次世界大戦中に旧日本軍に重用された韓国人や台湾人の元軍人・軍属・遺族らが近年、来日して抗議するケースが相次いでいる。 このうち韓国人400人余が「日本の英霊として合祀(ごうし)されていることは、人格権の侵害であり、苦痛だ」として合祀取りやめと44億円の損害賠償を訴えていた裁判の判決が5月25日、東京地裁であった。地裁は判決で「合祀の判断や決定は靖国神社が行なったもので、国と神社が一体になって合祀したものとはいえない」と述べて原告の訴えを棄却した。 先ごろ封切られた映画「あんにょん・サヨナラ」(日韓、05年。キム・テイル、加藤久美子共同監督)では、父親が靖国に合祀されているを知ったソウル在住の女性が、また、映画「出草之歌」(日本、06年。企画NDU)では、かつて「高砂族」と呼ばれた台湾の先住民族の女性が別々に靖国神社を訪ね、分祀を求めて抗議する光景を描いている。 「出草之歌」の主人公である高金素梅さん(立法委員、無所属)の「胸に手を置いて良心に問いかけます。日本人がもし台湾で死んだら、あなた方は、その魂を日本に連れて帰るでしょう。われわれも同じです。」という訴えは切実だ。 |
| わが国の高齢化率。政府が6月2日、公表した2006年版高齢社会白書によれば、わが国の65歳以上の高齢者人口(昨年10月1日現在)は、前年より72万人増えて2560万人と過去最高を記録した。これを同日の日本の総人口1億2776万人で割り算して100を掛けると最新の高齢化率20.04%がはじき出される。 国内総人口に占める65歳以上の割合は、「高齢化率」として世界で最も共通して用いられている指標だ。世界的に比較できる最新の高齢化率は00年時点の国連統計だが、それによれば米国12.3%、英国15.9%、仏16.0%、独16.3%、伊18.1%だが、日本は同時期、まだ17.34%にとどまっていた。 それがこのところ深刻化している「少子化」の傾向とあいまって、急ピッチで「高齢化」割合が上昇。現在ではイタリアを抜いて「世界一」になっていると思われる。わが国の「高齢化率20%突破」は史上初めて。先進国でもトップクラスだ。少子化が続く限りしかし、これは快挙と呼べない。 というのはわが国の高齢者福祉の費用の大半は、現在働いている若い世代の積み立て金で賄われているからだ。今回の白書の中に政府が書き込んだ将来の高齢化率は15年26.0%、50年35.7%だ。 つまり15年には若者3人弱が、また50年には2人足らずの人が1人の高齢者を世話しなければならないという社会が到来する。高齢者年金制度などとうに崩壊している事態だ。危機はもうすぐだ。国民的大議論を巻き起こして対策に知恵を出し合うべきだ。 |
| 在日米軍再編のためにかかる経費のうち、日本側が負担すべき経費の見積総額として浮上したのが3兆円という数字だ。麻生外相、額賀防衛庁長官、ライス米国務長官、ラムズフェルド国防長官が出席して、米国で日米安保協議が開かれた直後の4月25日、同協議の最終報告取りまとめに当ったローレス米国防副次官がワシントンの国防総省で記者会見し、「日本側負担は260億ドル(1ドル=115円換算で2兆9900億円)となろう」と発言したのが公式で明らかにされた最初だ。 それによれば、今後6〜7年で沖縄の基地建設や国内での再編に200億ドル(同2兆3000億円)、沖縄駐留米海兵隊のグアム移転に60億ドル(同6900億円)を負担することが日本の責任だと極めて高飛車な態度で提示した。日本政府は直ちに、安倍官房長官が会見で「途方もない金額。(日米で)合意した数字でもないし、要求を受けたものでもない。思いやり予算もはいっているかもしれない」などと、さも驚いてみせた。 しかしこれは見え見えの芝居だ。それよりはるか以前、「在日米軍再編にかかる日本側経費について総額3兆円を超すとの試算が11日、明らかになった。・・・(7日から11日まで開かれた)日米外務・防衛審議官級会議を開催。このなかで日本側は試算を説明した」(日経3月12日付)と報道されていたからだ。つまり3兆円の発信地が日本側だったことは明らかだ。 国民の痛み苦しみを知らない人々でなければはじき出せない売国的な数字ではないか。 |
| 厚生労働省調べによる昨年12月時点の全国で生活保護を受けている人の数。世帯数では105万1676世帯となっている。受給世帯、人数ともに1990年前後のバブル経済崩壊ごろから増え始め、いまや最大の数字を示しており、そのこと自体、小泉政権下日本の「貧富の格差拡大社会」を反映した数字と言える。貧しき民がどんどん増えているのだ。 生活保護法は「第1条 この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」から始まっている。その憲法第25条は「第1項 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と述べる。国が国民に「生きる権利」を保障したのだ。 生活保護世帯数の最低記録は1992(平成2)年度平均の58万5972世帯(89万8499人)、人数では95(同7)年度平均の88万2229人(60万1925世帯)で、その後、1度も減少したことがない。 生活保護費は、家族の構成人数や生活状態、また歳と地方などを考慮して決められるため同一ではないが、大体16万円余(都市の標準3人世帯)から6万円余の間で、これを日本政府と地方自治体が3対1の割合で負担しあう。これらの金額を人数分または日数で割り算してみると、「健康で文化的」とは到底いえない実態が浮かぶ。 |
| 厚生労働省が6月29日までに集計した速報値によれば、全国の児童相談所が相談を受け付けて在宅指導や施設入所などの対応をした児童虐待件数は2005年度の1年間で3万4451件と、過去最多を記録した。 児童虐待は統計を取りはじめた1990年には1101件だったが、毎年増え続け、99年度に1万件を、次いで01年度には2万件を突破。さらにその後の6年間で3倍も増えて、04年度には史上初めて3万件を突破し、3万3408件となった。この15年間では30倍以上増加したことになる。相談件数がこのように急増した背景には、04年10月に児童虐待防止法が改められ、たとえ未確認の場合でも、虐待があったと疑われる場合には通告する事が義務付けられたことも大きいと厚生労働省はみている。 ところでこの児童虐待数の統計については、厚労省が集計するわずか2日前の27日、内閣府が06年版青少年白書(正式には「青少年の現状と施策」)を発表し、この中で「04年度の児童虐待相談件数は前年度より6839件増えて3万3408件」と公表している。厚労省といい、内閣といっても同じ日本政府内部で、なぜ、年度が1年も違う数字が相次いで公表されたのだろうか。 白書は27日閣議で猪口少子化問題担当が閣議報告した正式統計。他方は29日開かれた全国児童相談所長会議で報告された「速報値」で今後さらに増えそうという。「白書」は「児童虐待は子供の生涯、さらには世代をこえて大きな影を落とす」と警告している。真剣な防止策を考えなければならない。 |
| ガゾリンをはじめとする石油製品がこのところ軒並み値上げされている。代表的な製品であるレギュラー・ガソリンで見ると1リットル当たり今年1月時点で131円だったのが、3月133円、5月138円、7月139円と上昇し続け、8月に入った途端、140円台にアップした。沖縄県の離島などでは輸送コストも上乗せされて150円台に突入した所も出ている。 石油製品の値上げは燃料コストの上昇で諸物価にはね返り、生活費全般に及ぶことが確実だ。もともとわが国のガソリン代は各国に比べてかなり高い事は事実。それは国が消費税に加えてリットル当たり53.8円という高いガソリン税をかけているからだ。しかしそれは昔からのことだ。 今回のガソリン代値上げの直接の理由は、原油を精製して全国の小売店に売る大手石油会社が8月1日出荷分からから卸売り価格をリットルあたり4〜6円値上げしたからだ。これら大手が卸値を上げた理由は原油価格の高騰だ。原油価格は産油国の政情不安が大きく左右する。過去40年間の原油価格の推移を見ると、第4次中東戦争(73年)、イラン・イラク戦争(80年)、湾岸戦争(90年)と産油地域で戦争が起きるたびに急上昇した。 そして今回は03年3月以来続くイラク戦争だ。特に戦争長期化が避けられなくなった今年は原油価格がほぼ一本調子で上がっている。ブッシュの米国による戦争のツケを今、日本国民がせっせと支払っている構図だ。米国は早くイラクに平和を返せ! |
| またよく数えた記者がいたものだ。小欄ではない。9月27日付「産経新聞」だ。 安倍晋三氏が新首相に決まった26日の就任会見を報じた同紙によれば、「就任会見は首相官邸で約26分間行なわれた。発言の中でとりわけ目立ったのは副詞の「しっかりと」だ。「しっかりとスタートする」「しっかりと支援していきたい」など計32回登場。1分間に1回以上使った計算だ。また文末では「思います」(35回)、「まいります」(22回)、「考えています」(18回)を多用。「しっかりと」強調した決意が最後に「思います」といった形で弱まった印象を与える」のだそうだ。 この記者のせいかどうか知らぬが「朝日」から、「テレビで見ていたら家を出る新首相が「しっかりやります」と言っていた、記者会見でも「しっかり」を連発。きっと「しっかりなさい」と言われて育ったんだな」(28日付夕刊「素粒子」欄)と皮肉られていた。ちなみにヤフーで「安倍+しっかり」を検索したら約25万件も!もちろん記事のダブリも多いのだろうが。 安倍氏は29日、衆参両院本会議で首相就任後初の所信表明演説。今度は準備された原稿を読んだだけなので、得意の「しっかり節」連発はなかったが、各メディアは英単語の多さにあきれた。「イノベーション?テレワーク??カントリー・アイデンティティー??カタカナ109回」(「毎日」同日付け夕刊の見出し)といった具合。テロやミサイルがカタカナは仕方ないとしても目にあまる「英語総理」だ。 |
| 21世紀幕開け早々、世界中をびっくりさせた大事件がイスラム系青年によるとみられるハイジャック事件、「2001.9.11米国同時多発テロ」だった。 (1)ボストン発ロサンゼルス行きがニューヨークの世界貿易センタービル北棟に突入(2)同じくボストン発ロサンゼルス行きが同ビル南棟に突入(3)ワシントン発ロサンゼルス行きが米国防総省(ペンタゴン)に突入(4)ニューヨーク発サンフランシスコ行きがペンシルバニア州に墜落。これらの乗員・乗客や世界貿易センタービルや国防総省ビルの被害者、さらには災害救助員らを含めると死者は110カ国の2749人に達するとされる。事件は今や発生した日付から「9.11」というだけで通じるようになった。 あれから5年。「9.11」の影響は誠に大きかった。米ブッシュ政権は「さあ報復だ」と呼びかけて、同年中にまずアフガニスタンに、さらに03年にはイラク戦争を開始して、同盟国にも参加を呼びかけた。事件以降欧米各国でイスラム系住民への反感が強まった一方、イスラム系住民による参戦国への報復テロとみられる事件も相次いだ。死傷者1700人に達した04年3.11スペイン列車テロは同国の政変、イラク撤兵を促した。さらに死傷者756人の05年7.7ロンドン同時テロ、今夏の航空機テロ(未遂)へと尾を引く。 米のイラク侵攻作戦も泥沼の長期戦となり、ブッシュ大統領への支持率は急落。国内でのアラブ系住民への警戒は、かつての「自由の国米国」を「スパイ監視国家米国」へと変えつつある。 |

| エールフランスのホームページなどによると、フランスは7月1日から新たに「国際連帯税」を導入した。これはアフリカなどの貧困および感染症対策の財源に充てるため、フランスを出国する旅行者の航空券に一定額を上乗せして徴収する新税で、シラク大統領のアイデアとされる。 同大統領は05年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「世界航空券1枚につき1ユーロ(約148円)課税すれば年間100億ユーロが調達できる」と提唱、アナン国連事務総長が直ちに賛意を表明した。 シラク大統領のこの構想の背景には98年にフランスで立ち上げた非政府団体(NGO)「アタック」(ATTAC=市民を支援するために金融取引への課税を求める会)が提唱したトービン税構想がある。 米国の経済学者故J・トービンさんは、野放し状態にある国際金融取引に少しでも課税して、途上国救済に充てようというアイデアだった。 しかしこれらのマネーゲームは実態把握が極めて複雑で困難というわけで、代わって浮上したのがわかりやすい航空新税だった。 国際連帯税の税額はエコノミークラスの場合フランス国内(海外領土を含む)、欧州連合(EU)とアイスランド、ノルウェーおよびスイス行きが1ユーロ、日本などの他国行きは4ユーロ。ビジネスクラスとファーストクラスはそれぞれ10ユーロと40ユーロで、年間5億ユーロ。現在、英国・ブラジル・ノルウェー・チリなど12カ国が追随の姿勢を見せているが、日本は「まだ議論もしていない」(国交省国際航空課)という。 |
| 英語起源の最新の外来語でNot in Employment, Education or Training の頭文字を合わせた略語。すなわち職についておらず、学校など教育機関にも所属せず、職業訓練を受けてもいない無職の若者を指す。 本場の英国でもそれほど頻繁に使われている用語ではないらしいが、日本では労働省がまとめた04年度版「労働経済の分析」(いわゆる「労働経済白書」)にも登場し、すっかりおなじみとなった。 同白書などによれば、パートやアルバイトなどの一見、フリーな立場にある人を指すフリーターは、前年比8万人増えて217万人、ニート人口は52万人と、ここ数年で急増したとされる。 働かずに暮らしていけるならば、結構ではないかと思いがちだが、それは間違っている。彼らに働く意欲がないわけではなく、長く続く不況と就職難の世相を見て自信をなくし、学校を卒業しても就職を半ばあきらめ、社会との関係を築けないまま人生を送っている若者が増えているのだ。 ニートの若者を享楽型、引きこもり型、立ちすくみ型、つまずき型と分類する専門かもいるが、ニート人口が増加すれば、国民全体の生産性は下がり、将来設計が立ちにくく、晩婚化 ・少子化が更に進むことは確実だ。 政府もようやく事態の深刻さに気づき、中央教育審議会などにニートの実態調査と教育の在り方について審議させることにした。「反社会現象」として排除するのではなく、若年の雇用改善策にも本腰を入れるべきだ。 |
| 韓国大統領直属の国家情報機関で、国家安全保障にかかわる情報収集が主な任務。英語名はナショナル・インテリジェンス・サービスでNISと略称する。漢字の略称は国情院。国情院の前身は1961年、朴正熙クーデター政権が発足した直後に創設した韓国中央情報部(KCIA)だ。 KCIAは当初、「北」からの共産主義の進出防止が目的とされたが、実態は朴政権の政敵に干渉・妨害工作を行ない、民主化運動を弾圧、学生・学者・市民・政治家を次々逮捕、連行しては尋問や拷問を繰り返した。 KCIAの活動は韓国内だけでなく海外にも及んだが、その代表的な例が73年8月発生した「金大中氏拉致事件」だった。日米両国で朴独裁を批判していた野党指導者の金氏が白昼、東京都心のホテルから連れ去られ、5日後にソウルの自宅近くで解放された事件だ。朴氏はその後、腹心のKCIA部長に暗殺され、後継の全斗煥政権は81年、KCIAを国家安全企画部(NSP)に改組したが、これもまた民主化運動弾圧機関だった。 金大中政権はこれらのマイナスイメージを改めようと、99年国情院に改組した。国情院は05年、院長の諮問機関として過去事件真相究明委員会を作って金大中氏拉致事件など再調査をスタートさせた。 その結果最近、事件はKCIAを中心とした韓国政府の組織的犯行だったことが初めて公式に確認され、同内容を盛り込んだ報告書を今秋にも国家情報院が公表する運びとなった。国情院はさらにほかの事件についても究明を続けている。 |
| 実際に犯罪行為を犯さなくても事前に話し合っただけで罪に問われるという「共謀罪」。 これまで日本の刑法では考えただけで実行されなかった行為は、犯罪とはみなされないというのが原則だった。 この原則を放棄し、まだ準備にもかかってないのに犯罪とみなして検挙できるというむちゃくちゃな法律案を政府・与党が成立させようとしている。 この法案は、正式には「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」というのが名称で、一見、何の変哲もないが、中の「組織的な犯罪の共謀の処罰」には「イ又はロに掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を共謀した者は、それぞれイまたはロに定める刑に処するものとし、ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除する」という1項がある。 「イ又はロに掲げる罪」とは懲役4年以上に当たる罪で、法律専門家たちが数えてみたら619例もあった。ここで団体とは「2人以上のこと」(政府答弁)なので家族・町内会・企業・市民団体など何にでも適用できる。警察への密告も奨励されている。 この法案は、過去2回上程されては廃案となり、政府は3度目の正直を目指す。 福島みずほ党首は26日、都内で開かれた反対集会に出席し、たけし映画の題名をもじって「この国会凶暴(共謀)につき気をつけましょう」と警戒するよう呼びかけた。 |
| 日本軍は第2次大戦末期、当時植民地だった朝鮮全土から約3000人の朝鮮青年を「軍属」として徴用し、ジャワ、マストラ、マレー、タイなど主に東南アジアの占領地で捕虜収容所の管理に当たらせた。うち相当数が日本の敗戦後、戦争犯罪を問われて逮捕された。 戦犯は連合国側の当初の分類で、戦争指導者による平和への罪をA級、通常の罪をB級、人道への罪をC級と分類され、東京ではA級が、またBC級は現地で裁かれた。韓国・朝鮮人のBC級戦犯については死刑148人、無期18人、有期107人が確認されているが、無罪とされた人の数は不明。 日本人の旧軍人・軍属は戦後、恩給の支給対象となったが、韓国・朝鮮人については、既に日本人ではないとして対象から外され、また本国でも親日派、対日協力者として冷たく扱われた。元戦犯だった在日韓国人李鶴来(イ・ハンネ、81歳)氏は在日の元戦犯仲間と「同進会」を結成して、裁判に訴えたが最高裁は99年、「(原告らは)著しい不利益を受けており適切な立法措置が望ましい」と判決で指摘し、国会に下駄を預けた。 他方、韓国政府直属の「強制動員被害真相糾明委員会」は今年5〜6月にかけて李氏ら33人を初めて「犠牲者」と認定、慰労金補償や医療援助に道を開いた。6月20日、羅錘一(ラ・ジョンイル)大使が李氏らを招きこれまでの苦労をねぎらった。それにしても最高裁さえ指摘した程だが、日本の国会の怠慢ぶりはどうだ。李氏らへの救済立法を急ぐべきだ。 |
| 米陸軍のエーレン・ワタダ中尉、ハワイ・ホノルル生まれ。28歳の日系3世だ。軍務に就いて3年、彼が所属する「ストライカー旅団」は7月にイラク戦線に向かうよう命令が下っているが6月7日、彼は記者会見を開き、声明を読み上げて、イラク行きを拒否する姿勢を明らかにした。 声明の中で同中尉は、「米陸軍の将校として、重大な不正義に反対することは自分の義務だ。イラク戦争は道義的に間違っているだけでなく、米国内法にも国際法にも国際習慣にも違反している。イラク民衆に対する大量殺りくや虐殺行為は重大な道徳的誤りだ。将校就任に際し、私は米国法と民衆を守る旨を宣誓したが、今、違法な戦争に参加せよとの違法な命令を拒絶する事により、この宣誓を順守する」などと語った。数日後、彼の母親キャロライン・ホー・ワタダさんが、「私は断固息子を支持する」という声明を発表。父親のボブ・ワタダさんも「息子を誇りに思う」と語った。 支持の声はたちまち全米に広がり、同日27日には東はニューヨークから西はハワイ各島まで、約30都市で市民団体がワタダ支持の集会やデモを行なった。このうち同中尉が勤務する米西海岸ワシントン州フォートルイス基地前では、市民多数が「違法な戦争に抵抗するエーレ・ワタダ中尉ありがとう」という横断幕を掲げた。 これに対し米軍当局はまだ対応を明らかにしていないが、ワタダ氏は「イラク派遣を拒否した初めての将校」として、今や米国内反戦運動のシンボル的存在になりつつある。 |
| 中東の独立国レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派の民兵組織。ヒズボラとはアラビア語で「ヒズブ・アラー」=神の党を意味する。 1982年にイスラエル軍がレバノンに侵攻したのを機に、イランやシリアから資金や武器の支援を受けてシーア派のレバノン人で結成され、同国のベカー高原やレバノン南部に約2000人が展開する。一説では民兵3000〜4000人を擁するともいわれ、実態は明らかでないが、92年からは政治部門が総選挙にも初めて参加し、定数128人から成る国会に14議席を得た。党首はハッサン・ナスララ氏。しかし、政府に閣僚は送り込まず、独自の政治活動を進める。85年に明らかにされた政策綱領によれば、イスラエル打倒・反欧米帝国主義を目標としており、結成当初からもっぱらイスラエル軍を攻撃、小競り合いを繰り返してきた。 イスラエルは去る7月12日、「ヒズボラがわが国領内に侵入し、イスラエル兵二人を拉致した」という口実の下にレバノン南部から国境を突破して侵入するとともに、大規模な空爆とロケット攻撃を開始した。当初、国連安全保障理事会が求める武装解除も拒否して軍事活動を続けるヒズボラを苦々しく見守っていた国際世論も、「自衛のため」と称してレバノン南部や首都ベイルートに空爆して都市を破壊し、女性・子供を含む多数の一般市民を殺し続けるイスラエルの蛮行に怒り、その分ヒズボラ支持者が増えつつある。国連の仲介の下、停戦を模索中。 |
| 安倍晋三内閣が発足した。安倍氏が与党自民党総裁選に向けて出版した本のタイトルが「美しい国へ」(文春新書)だ。何やらかつての川端康成ノーベル賞演説に似るが、自国が「美しい国」であることを願うのは、誰しも共通の願いではある。安倍氏にとっての「美しい国」とは一体どんな日本であろうか。同書を一読する。 安倍氏の日本は「日本は、六十年にわたって・・・謙虚に国づくりと国際貢献に励んできた。その間、好戦的な姿勢など一度たりとも示したことはない。それなのに、国家間で何か問題が起きると、かつての戦争に対する負い目から、じっとこらえて、ひたすら嵐の過ぎ去るのを待つという姿勢をとってきた。その結果、ともすると、あたかもこちらに非があるような印象を世界に与えてきた」と言う。戦争に敗れた日本に非はないと言っているようだ。 また同氏が特攻隊員の手記を紹介するのはいいが、「今日の豊かな日本は、彼らがささげた尊い命の上に成り立っている」といった具合に単純化されると、では日本が殺したアジア各国の犠牲者は、また今なお米軍基地の存在に苦しむ沖縄はどうなのかと思う。ここで論じる紙数ははないが安倍氏のA級戦犯合祀(ごうし)の靖国神社肯定論もその延長にある。 安倍氏の「美しい国」は案外、同書で称賛する米国映画、例えば「ターミナル」「ミリオンダラー・ベイビー」「大草原の小さな家」などを総合したイメージではなかろうか。安倍氏のもつ「美しい国」は、危険な単純化の上に構築されている。 |
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