本家 さとこのひとりごと
     

前編

    妊娠26週頃より、逆子がなおらんかったので
計画的なお産―帝王切開―を選んださとこ。
さて、どんな風にお産はすすむんやろう・・・・・・
   

“手術前日”
    入院する前から、帝王切開することは決めてたから、手術のためのもろもろの検査は入院前に一通り終わってるねん。ちなみに、心電図とレントゲンなんかをしてた。レントゲンは、さとこの体の中に横向きに体育座りしているみーちゃんが、ちゃーんと写ってて記念にもらいたいくらい面白いもんや。
予定では午後一時から手術。麻酔の先生とお話して腰椎麻酔をすることに決定してん。そして手術中にもどさんように、今日の午後10時から絶食絶水になるねん。その前に薬をのまされる。さとこだけかもしれんけど、これがなんか体がほてってくる薬や。暑くてなんか寝られへん。
みーちゃんも明日出てくることを知ってるんか、最後のお腹の中を楽しんでるみたいに、よう動いてる。
短いような、長かったような妊娠生活も、もう終わりや。今は淋しい怖いよりも、楽しみのほうが強くなってきてる。
みーちゃん、ママもがんばるから元気に出てきてな。
   

“手術当日”
    待ちに待った手術の日がやってきてん。ほんまに、大きなお腹とお別れや。みーちゃんは五体満足で元気にしてるかな。男の子なんかな。女の子なんかな。腰椎麻酔は初めてするけど、ちゃんと麻酔は効くやろか。色んなことが頭に浮かんでくる。でも、どんなことがあっても逃げられへん。ほんまにまな板の上の鯉や。「先生、上手にさばいて下さい。」心の中でお祈りする。
安産祈願で中山寺に行った時もらった御札にも、お水をお供えしてん。
そうしてるうちに、看護婦さんから「浣腸しとくよ」とのこと。準備は着々とすすんでいく。ところが急虚手術開始時間が早まってん。大学病院やのにそんなんあるんやな。家族には少し早めに病院に来てもらえるように言うてたけど、慌てて連絡しなおす。なんと、うちのママちゃんは今日に限ってPHSをもたずに家を出てる。一体、何のためのPHS?
でも、なんとか手術前に、だんなやだんなのお母さんや、うちのママちゃんも来てくれた。そして前投薬を受けたり、血管確保のための点滴をしたりしてん。嫌やけどおしっこの管も入れられた。これはチクッと痛くていやや。
準備も完了して、いよいよ手術室へ。
髪は、キャップみたいなのをかぶせられて、血圧計や心電図を手早く付けられる。そして、腰に針を入れられて、いよいよ麻酔や。針を入れられる数秒間チクッ、ズキッと痛かったけど、後はわからへん。麻酔薬が効いてるかどうか、足に水をたらされて確認。さとこはなかなか効かへんみたいやった。それから、お腹に緑の布をかけられ、いよいよ始まってん。
腰から下の麻酔やけど、頭も少しぼんやりしてる。でも先生の話し声や、心電図のピッ、ピッという音が聞こえてきて、ちょっとドキドキしてきてん。何かの本で陣痛が来たら、「こんにちは赤ちゃん」の歌のリズムがいいらしいと読んだので、さとこは陣痛じゃないけど「こんにちは、みーちゃん」を歌っててん。
いつお腹を切られてるかもわからへん間に、お腹の中の方がゴロッっと動いたと思った瞬間、「ぎゃー、ぎゃー」と、おじさんの様な叫び声が聞こえてきてん。これってもしかして、みーちゃん?赤ちゃんって、おじさんみたいな声なん?
先生たちは、「元気な子やなー。」を連発し、なんかすごく盛り上がってて楽しそうや。
みーちゃんは、五体満足なんか男か女かどっちなん?恐る恐るやっと聞いてみたら、なんと女の子やった。あんなおじさんの声やのに。
きれいにしてもらったみーちゃんを、助産婦さんが真横に連れてきてくれてん。
感動の御対面や。
産まれたてのみーちゃんは、赤くてしわしわで目はしっかり閉じてたけど、「みーちゃん」って呼んで、ほっぺを触ってみてん。不思議と涙は出へんかった。五体満足で元気に生まれてきてくれて、すごくほっとしたのと、女の子やったという驚きの方が大きかってん。
その後、先生に「卵巣はきれい?」って聞いて、「きれいよ」と言ってもらえてますますホッとしてん。
そしてその後、縫合されたと思うねんけど、その後は、寝てしまって覚えてないんねん。目が覚めた時には、看護婦さんがお迎えに来てくれててん。看護婦さんに声をかけられて、さとこの第一声は「なんか、おなかすいたわ」。
みーちゃんがお腹からいなくなったせいか、すっきりして急に空腹感が出てきてん。看護婦さんらに「あまり麻酔が効いてないんちゃう?」とか言われながら、待っててくれただんな達に会うことができてん。
うちのママちゃんに「さとちゃん、ようがんばったね。女の子でよかったね」って涙流して言われた時、「ああ、よかった」とさとこも初めて涙が出てん。だんなには、何て言われたんやろう・・・・記憶がはっきりせえへん。
落ち着いてから先生に聞いてんけど、みーちゃんは、足から出てきた途端、勢いよいよくつるんと頭まで出てきて、すごく元気やったそうや。さとこの身体自体も、すごく元気やったみたいやし、ほんまによかった。なにより、推定体重も2800g位と言われてたのに、3346gもあった。予定日までお腹にいてたら、どうなってたんやろう。今まで、ずっと男の子と思ってたのに、女の子やってんね。みーちゃん怒ってないかな?
後編につづく
   

覚子と澪音は4月18日金曜日
無事に退院してわが家に戻ってきました。


 
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