負けじとプリクラ      


    覚子と澪音がプリクラしてきた。それを見て何か無性に悔しくなってきてん。
俺は今までプリクラをしたことがないねん。覚子に「一緒にプリクラせえへん」って誘われたりして、今までチャンスはあってんけど、プリクラの前に並んでるキャピキャピの女の子の後ろに大の男が並ぶのにすごく抵抗もあって、いまいちふんぎられへんかってん。でも覚子が澪音とプリクラをしてきてそのシールを見せてもらうと、覚子にリードされてしまった様で悔しくなったというのが実情や。
こうしてはおられへん。恥ずかしいなんか言ってられへん。子ギャルだろうが大ギャルだろうが列の後ろに澪音をだっこしながら並んで、プリクラしてやる。
そんな決意を胸に6月の最後の日曜日夕方、日も陰ってきたので車で覚子と澪音の3人でプリクラ目指して家を出てん。最初に向かったのは3分ほど行ったカラオケボックスや。このカラオケ屋の店先にプリクラが置いてあるのを俺が見つけててん。車を停めて、いざプリクラへ。でもここにあったプリクラは吉本のフレームのもので、俺も覚子もなんか気に入らへんかってパスや。
そして、その次に向かったのはこの前覚子と澪音がプリクラしてきたベルファや。覚子はあの時たまごっちのプリクラしかなかったって思い込んでたけど、実は3階のサンリオのファンシーショップの前にキティーちゃんのプリクラがあることを思い出しててん。ベルファの屋上の駐車場に車を停めてエレベーターで3階へ、目指すはキティーちゃんのプリクラ。ファンシーショップの前にたどり着くとそこには確かにキティーちゃんのプリクラがあって先客が1組いたものの、並んでる人はなし。
前の人達が終わっていよいよ我が家の番や。覚子は澪音を抱っこしてフレームを選んでる。今までプリクラをしたことのない俺にはフレームを選ぶ権利は無いみたいや。覚子はなれた手つきで決定ボタンやキャンセルボタンをおしていく。「これで、決定ボタンを押したらシャッターがきれるから、いいところで押してや。」よしよしこれでようやく俺の役目や。「いくで、ええか」そう言いながらカシャ。「あかんわ、みーちゃんがちゃんと前向いてへん。ひろくんキャンセルボタン押して。」
よしタイミングとしては澪音が正面を向いたときにボタンを押せばいいんやな。覚子に抱かれてる澪音はキョロキョロしてる。正面を向いた瞬間ボタンを押した。よしっ、ばっちしや。すると覚子が「あかんキャンセルして。」なんで、澪音はちゃんと正面向いてるやんか。でも画面に映った覚子の顔を見てみると片目は閉じててもう片目は半開きでなんとも不気味な顔や。澪音の顔を見ながらグットタイミングでボタン押してるのに覚子は出遅れたみたいや。キャンセルボタンを押すとキティーちゃんが「ラストチャンスよ。」もうしくじられへん。「澪音が前を向いたときボタン押すから、笑った顔しときや。」ラストチャンスにプレッシャーを感じながらどうにかボタンを押した。完璧とは言われへんけどまあまあの出来や。
このあと、続けてもう一回プリクラして澪音より数日遅れて俺もプリクラデビューを飾ってん。
   




 
前にもどる   次にすすむ
[成長日記] [産前産後日記] [妊娠日記] [メールちょうだい] [さとちゃん亭]