お宮参り      


    5月5日子供の日、生後31日
この日は澪音のお宮参りや。前日の夜には雨が降ってたけど当日はどうにか上がってくれた。澪音がお宮参りで使う着物は、覚子のおさがりや。27年前に覚子がお宮参りした時使ったものらしい。義母が大事に保管してくれてて、澪音が女の子やったから親子二代に渡って着ることが出来てん。
我が家から歩いて7〜8分の所にある都島神社で御払いしてもらってん。神社まで俺の実母が澪音をだっこひもで抱っこして、親父と義母の計6人での御宮参りや。都島神社は小さい神社やけど、わりと歴史のある神社で地元と根強くつながってる。俺と覚子も初詣はこの都島神社に毎年お参りして干支の置物を買って帰るのが正月の慣わしになってるほどや。
澪音の御払いのため皆神前に案内されて、板の間の上に引かれたゴザの上に正座していよいよ始まりや。宮司さんがいきなり太鼓をたたく。「澪音がおどろいて泣く」そう思って隣に座ってる母に抱かれてる澪音の顔を覗くと、いつもの寝顔で熟睡してる。たいしたもんや、微動だにせえへん。この後、宮司さんが鈴のいっぱいついた鳴り物を皆の頭の上で鳴らしたときも、澪音は熟睡のままやってん。
おもしろかったのは、お神酒を頂くときや。宮司さんが杯にお酒を注いで「お子さんの口元に持っていって、飲ます真似をしてください。」とおっしゃったので、言われた通りにお酒の注がれた杯を澪音の唇にあててやろうと、こぼさへんようにそーっと近づけて1センチ位のとこまできたとき、寝ている澪音の口から舌がペロッって出てきてん。これにはあまりにもタイミングが良すぎて、俺も澪音を抱いてる母も肩をふるわせて笑ってしまった位や。俺も親父も、亡くなった覚子の父も酒飲みやから血は受け継いでると思うけど、あまりにも早すぎるわ。
御払いが終わって、俺の弟家族もむかえて我が家で宴会を開いてん。これで、澪音も晴れて扇舍家デビューってところやな。
そしてこの日、覚子が入院した時から仕事を休んで看病や身の回りの世話をして、退院した後は澪音の世話や我が家のことなどいろいろしてくれた義母が帰ることになってん。義母が居てくれたから俺も楽が出来てたと思うし、覚子も同じやと思う。長い間居てくれてありがとう。
これからは二人や。本当の子育てはこれから始まるねんな。覚子と力を合わせてがんばりますわ。
   




 
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