花鎮め・おまけ編。


「悟浄」
 先程とは打って変わった上機嫌さで、八戒が詰め寄る。
 八戒の頭を抱えていた悟浄だが、自分が一糸纏わぬ姿だったのを思い出し、せめて身体を覆う物を・・・と思った矢先にこの始末である。
「約束、くれるんですよね」
 そう言って、八戒の手が、太股に触れる。
「ちょ・・・俺は身体中が痛てぇんだぞ!今日はもう無理だからな!!」
 これ以上ヤられては堪らないと、必死の抵抗をしてみるが、何しろ身体に力が入らないのであっさり八戒に押さえられる。
「いくらなんでも、またやろうとは思ってませんよ」
 だから安心してください。
 そう笑顔で告げる八戒の手が、更に奥へと進んで行く。
 強い力で足を割り開かれて、悟浄の顔は羞恥に染まる。
「やっ・・・やめろって!」
 悟浄の両足は間に入った八戒の身体に邪魔をされ、閉じる事も出来ない。
 八戒は振るえる悟浄の膝をしっかりと押さえると、中心に程近い、内股の柔らかい皮膚に接吻けた。
「んっ・・・・」
 先程の情交で敏感になった悟浄には、その刺激でさえ強く感じられるのに、八戒は少々強く吸い上げただけでその場から離れてしまう。
「はっかい・・・」
 潤み始めた瞳で見やれば、八戒は嬉しそうに悟浄に微笑む。
「コレが、約束の証ですから」
 八戒は今しがた己が付けた赤い花弁を指でなぞる。
「っ・・・」
「コレがある限り、僕は貴方から離れません」
 八戒はもう一度、愛しそうにそこへ唇を寄せる。
「ばっ・・・そんなの直に消えちまうに決まってるだろ!」
 悟浄は再び自分を支配し始めた快楽に流されない様、必死に八戒を睨み付ける。
 そんなあやふやな約束がどこにある!
 そう怒鳴れば、
「消える前にまた付けるから、これでいいんです」
 と返された。
 コレが消えそうになる度に、八戒は新しい痕を刻む為に悟浄の足を割り開く。
 そう宣告されて、悟浄は激しい目眩を覚えた。
 こんな場所にキスマークなんかつけられたら、浮気なんて二度と出来ない。
 しかもこんな痣、3・4日もあれば簡単に消えてしまうと言うのに!
(こいつ・・・やっぱりイイ性格していやがるぜ)
 諦め半分、八戒を見れば、極上の笑みを浮かべている。
「ま、いっか」
 悟浄は痛む身体を無理矢理起こすと、八戒を抱き寄せ、耳元で囁いてやった。
「約束は、絶対に守れよ」
 ここまでやっといて破ったら、たたじゃおかねぇからな。
 どう只じゃおかないのか、言った自分でも判らないのに、八戒はその言葉を聞いて更に笑みを深める。
「はい」
(俺ってば、つくづくこいつの顔に弱いよな〜)
 そんなことを思いながら、契約履行の証代わりに、悟浄は八戒に接吻けを贈った。


更に呆れられそうな結果になってしまった・・・(^^;)
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