二浪生活、そして・・

「あと、1年、絶対に頑張る」と決意し、この1年だけは、本当に勉強した。過去3年近く、まともに勉強したことなどなかったが、もう一回自分の人生を軌道修正してやるぞという気持ちは、誰にも負けなかった。 

それまでほとんど勉強していなかった理科と数学をやらなければならなかったが、これもなんとかクリアー。

受験する大学は大阪外国語大学。条件は、1.授業料がただになる。2.将来、また外国に行って、いろんな所を見られるような気がする。 

試験日が近づき、模擬試験の成績はまずまず。結構、ボーダーラインだった。しかし、英語だけは抜群にできた。受験者13万人中1人だけ満点を取ったこともある。これもみんな、アメリカで苦労したおかげである。 

試験が終わり、合格発表の日、ぼくはひとりで発表を見にいった。今でも忘れない受験番号0058が、掲示板の中央に見えた。自然に涙がでてくる。中学校を卒業して5年・・、ついに自分の力でここまで来たぞという達成感と充実感。この感動は忘れられない。多分、普通に高校に行き、受験していたとしても、これほど感動することはなかったと思う。 

おばあちゃんがいつも言っていた、「若いときの苦労は買ってでもせよ!」という言葉の意味が、ようやくわかったような気がした。