春歌セリフ集 3/12〜3/14

Index
3/12 Mon 3/13 Tue 3/14 Wed Ending:血縁ベスト Ending:血縁ノーマル Ending:非血縁ノーマル Ending:非血縁ベスト

3/12 Mon

放課後

(若草学院)

≪Scene 1:若草学院校門前≫

(さて、これからどこに行こう……。

鈴凛
「アニキ〜!

兄君さま
「おや? どうしたんだ、鈴凛?

鈴凛
「た、大変だよ! ついさっき電話がかかってきてさ! 春歌がケガしたって!

兄君さま
「ええっ!?

鈴凛
「なぎなたの道場で、稽古中に事故に遭ったって……。

兄君さま
「そ、それは……。

[春歌の元に行かない]

兄君さま
「……でも、僕が行ったってどうしようもないし……。

鈴凛
「何言ってんのさ! アニキが行ってあげなきゃダメじゃん! 春歌、アニキのこと、待ってんだよ!

兄君さま
「……で、でも……。

鈴凛
「あー、もう! さっさと行ってあげてよっ!

兄君さま
「わ、わかったよ……。

→≪Scene 2≫へ

[春歌の元に行く]

兄君さま
「わかった! とにかく行ってみるよ!

鈴凛
「う、うん……。

兄君さま
「待ってろよ、春歌……!

→≪Scene 2≫へ

≪Scene 2:なぎなた道場≫

兄君さま
「春歌……! 春歌はどこですか!?

道場主
「あら、春歌さんのお兄さまでしたわね。来て下さったんですの。

兄君さま
「あ、あの……。春歌は……?

道場主
「ご安心なさい。春歌さんはご無事ですわよ。あちらの方にいらっしゃいますわ。

兄君さま
「春歌……。

春歌
「兄君さま……。申し訳ありません。
「兄君さまに、このようなお姿をお見せしてしまうなんて……。春歌は情けのうございます……。

兄君さま
「……い、いや……。春歌が無事で良かったよ。

道場主
「春歌さん、少し張り切りすぎたみたいですわね。熱中しすぎて、防御がおろそかになっていましたのよ。

兄君さま
「そうなんだ……。

春歌
「ワタクシ……少しでも早く上達したいと思いまして…。

兄君さま
「そんな……。春歌は女の子なんだから、そんなに無茶することないのに。

春歌
「でも……でも……。ワタクシ、いつも兄君さまにご迷惑をおかけしてばかり……。
「ワタクシ、兄君さまにお仕えするために戻ってきましたのに、何のお役にも立てませんもの……。
「お裁縫は下手ですし、お料理では白雪ちゃんにかないませんし……。
「ならばせめて、武道だけでも極めまして、兄君さまをお護りしなければと……。

[そんなことないよ]

兄君さま
「そんなことないよ。

春歌
「え……?

兄君さま
「その……。僕のそばに春歌がいてくれる……。それだけで僕は嬉しいんだ。
「たとえ何事もなくたって、春歌はいつも一生懸命、僕のためにつくしてくれるじゃないか。誰よりもひたむきにね……。

春歌
「兄君さま……。それでは……。

兄君さま
「ああ……。春歌は立派に僕を護ってくれてたよ。いままでずっと、ありがとう。
「だから……。これからも、今まで通りの春歌でいて欲しいんだ。

春歌
「兄君さま……。
「春歌は嬉しゅうございます……。
「ワタクシ、何のお役にも立てませんが……。もっともっと兄君さまにご迷惑、おかけするかも知れませんが……。
「たよりにならないこんなワタクシですが・・…。兄君さまのお側においていただけるだけで……。
「本当に幸せですわ……♥♥♥

[そうだね]

兄君さま
「ほんと、そうだね。

春歌
「……え?

兄君さま
「春歌が現れてから、ひどく大変だったよ。僕の生活、かき回されっぱなしでさ。

春歌
「兄君さま……。

兄君さま
「でも……だからこそかな……。春歌に逢うたびに思ってたんだ。春歌が一生懸命、僕のために尽くしてくれてるって。
「だから僕も、そんな春歌の頑張りに応えなきゃって。

春歌
「そ、そんな……。ワタクシは……。

兄君さま
「ごめんね。春歌はずっとムリしてたんだろ。だけど、もう十分さ。

春歌
「……兄君さま。それでは……。

兄君さま
「ああ……。これからは、僕が春歌を護ってあげるよ。

春歌
「兄君さま……。
「春歌は嬉しゅうございます……。
「ワタクシ、何のお役にも立てませんが……。もっともっと兄君さまにご迷惑、おかけするかも知れませんが……。
「たよりにならないこんなワタクシですが……。兄君さまのお側においていただけるだけで……。
「本当に幸せですわ……♥♥♥

▲ Back to Top

3/13 Tue

放課後

(かしのき公園)

(さて、これからどこへ行こうか……。

春歌
「兄君さま〜〜〜!

兄君さま
「あ、春歌。
(……あれ? いつもと違うぞ。桜吹雪と笛の音がない……。
「……なんだか今日はいつもと違うね。

春歌
「……いやですわ、兄君さま。ワタクシ、今まで通り、兄君さまのことお慕い申しておりますわ♥♥

兄君さま
「う、うん……。それはそうなんだろうけど……。

春歌
「兄君さま、お散歩ですか? 春歌もご一緒させて下さいますわね♥ ね♥♥♥

兄君さま
「う、うん……。

春歌
「兄君さま、今日はいい天気ですわね。風もなんだか心地よくて……。いい気持ち……♥

兄君さま
「そうだね。

春歌
「あ、ほら! 向こうの桜の木、もう花が咲いてますわ! 早く行きましょう!

兄君さま
「お、おい、待ってよ!

春歌
「兄君さま、早く早く!

(……やっぱり今日はいつもと違うなぁ。なんだかずいぶん、はしゃいでるみたいだ……。

春歌
「兄君さま……。

兄君さま
「ん?

春歌
「ワタクシ、今までずっとムリをしてたんですのね。兄君さまが昨日、おっしゃった通りですわ。
「だから決めたんですの。ムリをするのはやめようって……。あるがままの姿で兄君さまのお側に居ようって……。

兄君さま
「春歌……。

春歌
「……風が少しずつ暖かくなってきましたわ。春がもう近いんですのね……。
「さ、行きましょう、兄君さま! 公園の出口まで競争ですわよ!

(……やれやれ。どっちにしても僕は振り回されるんだなぁ。
(……でも、あんなに無邪気に笑う春歌って初めて見るような気がする。
(あれが本当の春歌の笑顔なんだろうな……。

春歌
「兄君さま! 早く来て下さいまし♥♥

兄君さま
「わかったわかった。いま行くよ!

▲ Back to Top

3/14 Wed

メール 『ご相談いたしたき儀がございます』

兄君さま。

お庭の緑にも春の匂いが感じられ、心地よい季節となりました。
兄君さまにあらせられましてはご健勝のことと存じ上げます。

ワタクシの大切な兄君さま……。
常日ごろ、兄君さまより賜る恩愛の情、述べ尽くし難きものにございます。
ワタクシの兄君さまへの想いもまた日々募るばかり……。

つきましては兄君さまに、ぜひご相談いたしたき儀がございます。
今日……もしお暇でありましたら、道場までいらしていただけますか?
春歌は兄君さまをお待ちしております。

何時いつまでも……。
時果つるまで……。

かしこ

 春歌……か。

 つい最近会ったばっかりなのに、
全然そんな気がしないな。
ずっと一緒にいたみたいな気がする。

 ちょっと日本と日本人を
誤解してるとこはあるけど、ね。

 そのせいで初めてあった頃は、
ずいぶん驚かされたな。

 いっつも羽織に袴で……
あれって意外とかわいかったよ。
着物もいいな、なんて思ったもの。

 そうそう……ひな祭りの時。
あの時だけは水着着なくちゃいけなくて、
とっても恥ずかしそうだったなぁ。

 立派な大和撫子になるんだって、
習いものもたくさん通ってたし……
がんばり屋さんなんだよね。

 ははは……
たまに張り切りすぎて失敗もしてたけど。

 春歌……。

 これからもずっと一緒にいたい。

 兄妹なんだから、
心配なんかしなくていいはずなんだけど。
でも……。

 ドイツに帰っちゃったりして……
なんて、心配になっちゃうんだよね。

 春歌……ずっと一緒にいられるよね。

 春歌……。

▲ Back to Top

Ending:血縁ベスト

≪道場≫

(えーと、春歌はここに居るハズなんだけど……。
(……おや、誰もいないぞ? おかしいなぁ。
(それにしても、すごく静かだな。……なんだか空気まで張りつめた感じだ。

兄君さま
「ん、この曲は……?
「あ、春歌……。
(春歌の舞ってる姿って本当に綺麗だ……。惚れ惚れしちゃうよ。

春歌
「あ、兄君さま……。きゃっ♥……いらしてたんですか? 黙ってみてたら……はずかしいですわ♥♥

兄君さま
「綺麗だったよ、すごく。

春歌
「もう、兄君さまったら……。

兄君さま
「あの……それで僕に話があるって、……今の踊りのこと?

春歌
「はい……。
「……兄君さまにあらせられましては、先日は誠にありがとうございました。

兄君さま
「先日って……?
「あ、ここでケガした時のこと……?

春歌
「はい。……あの時の兄君さまの優しさ……。ワタクシを気遣って下さったお心遣い……。
「本当にワタクシ、感激しました。あの時の兄君さまの温もり、生涯忘れられません♥♥
「ワタクシ、改めて思いましたの。……兄君さまこそ、ワタクシの理想とする殿方、最高の御方ですわ。
「わ、ワタクシ……。ワタクシ、もう二度と兄君さまのお側から、離れとうございません。

兄君さま
「春歌……?

春歌
「わ、ワタクシ……あ、あのっ!

兄君さま
「は、春歌……!?

春歌
「兄君さま……ワタクシ……悔しゅうございます。こんなにステキな兄君さまがいらっしゃったのにこれまで離れて暮らしていたなんて……。
「叶うことなら……、これまでの淋しかった年月を……。思い焦がれるばかりの日々を埋めてしまいたい……。
「兄君さま……。春歌は切のうございます。いっそワタクシが実の妹でなければ……。
「赤の他人であれば……。このまま兄君さまと夫婦の契りを結び、永遠の愛を誓えるものを……。

兄君さま
「春歌……。そ、それは……。

春歌
「でも、ワタクシ達は兄妹……それは決して許されぬ想い……。
「だから……だからせめて……一緒のお家で暮らしとうございます! 兄君さまのお側で……お護りしたいんです。
「兄君さま……ワタクシがお側にいたら……ご迷惑でしょうか?
「死が二人を分かつまで……。永久の時まで……。春歌をお側に置いて下さいますか……?

兄君さま
「あ……ああ。もちろんだよ。……ずっと春歌と一緒にいるよ。

春歌
「……兄君さま……。

兄君さま
「春歌……。

春歌
「兄君さま……。いつまでもご一緒して下さいましね……♥♥♥

(……なんとなく、この先一生、僕は春歌に振り回されそうな気がする。でも、それも悪くないかも……。

▲ Back to Top

Ending:血縁ノーマル

≪道場≫

(えーと、春歌はここに居るハズなんだけど……。

春歌
「ようこそ、兄君さま。お待ちしておりましたわ♥

兄君さま
「や、やあ。

春歌
「本日はお越しいただき、誠にありがとうございました。道中何事もなく、幸いでしたわ♥

兄君さま
「ど、道中って……。たかが町の中じゃないか。……相変わらずオーバーだなぁ。

春歌
「いいえ、兄君さまはご長男として家督をお継ぎになるお方。もし万が一のことあらば、春歌は生きてはいけませぬ!
「どのようなことがありましょうと、ワタクシ、兄君さまをお護りいたしますわ♥♥

兄君さま
「ははは……ありがと……。ところで、今日は何? 僕に用事って……。

春歌
「……兄君さま。先日は誠にありがとうございました。

兄君さま
「先日って……?
「あ、ココでケガした時のこと……?

春歌
「はい。……あの時の兄君さまの優しさ……。私を気遣って下さったお心遣い……。
「本当にワタクシ、感激しました。あの時の兄君さまの温もり、生涯忘れられません♥♥

兄君さま
「そ、そんなこと……。オーバーだなぁ、春歌は。

春歌
「いいえ。ワタクシ、思いを新たにいたしました。
「兄君さまを愛おしく思うこの気持ち……。胸の奥でさらに大きく募るばかり……。
「いまとなってみると、ワタクシ、兄君さまと兄妹であることが恨めしゅうございます。

兄君さま
「そ、そんな……。

春歌
「ああ……いっそ、ワタクシが赤の他人でさえあれば、身も心も兄君さまに捧げて結ばれようものを……。
「でも……これで良かったのかも知れませんわ。……もしワタクシたちが兄妹でなかったのなら、兄君さまとの出会いもまた叶わぬこと……。
「ワタクシは兄君さまとお会いできた喜びだけを胸に、これからの生涯を生きていこうと思います。

兄君さま
「春歌……。

春歌
「でも……。やっぱりワタクシ、不安ですわ。兄妹の中で、ワタクシは新参者ですもの……。
「兄君さまと皆さま方の間にある絆……。ワタクシ、太刀打ちできるでしょうか……?

兄君さま
「そ、そんなことないよ。僕だって春歌のこと……。

春歌
「兄君さま……。
「兄君さま……。春歌は嬉しゅうございます……。でも……。
「だからこそ……ひとつだけお願いを聞いていただけますか?
「ワタクシに……特別のお約束をさせて下さいませ♥
「これからもずっと……。兄君さまのおそばにお仕えするために……ぽっ♥

▲ Back to Top

Ending:非血縁ノーマル

≪道場≫

(えーと、春歌はここに居るハズなんだけど……。

春歌
「ようこそ、兄君さま。お待ちしておりましたわ♥

兄君さま
「や、やあ。

春歌
「本日はお越しいただき、誠にありがとうございました。道中何事もなく、幸いでしたわ♥

(って、相変わらずオーバーだなぁ……。

兄君さま
「ところで、今日は何? 僕に用事って……。

春歌
「……兄君さま。先日は誠にありがとうございました。

兄君さま
「先日って……?
「あ、ここでケガした時のこと……?

春歌
「はい。……あの時の兄君さまの優しさ……。ワタクシを気遣って下さったお心遣い……。
「本当にワタクシ、感激しました。あの時の兄君さまの温もり、生涯忘れられません♥♥
「私、改めて思いましたの……。兄君さまこそ、私の理想とする殿方、最高の御方ですわ。

兄君さま
「そ、そんなこと……。オーバーだなぁ、春歌は。

春歌
「いいえ。ワタクシ、つくづく思いました。ドイツからはるばる兄君さまを頼ってきて本当に良かったと。
「実はその……。兄君さま、驚かないで下さいましね。
「先ほどドイツのお祖母様からお手紙が届きまして……。兄君さまとワタクシが……。実の兄妹ではないって……。

兄君さま
「ええっ!? それ……本当?

春歌
「はい。ワタクシ、そのことを聞きまして、最初はとても悲しゅうございました……。
「敬愛する兄君さまが、血のつながらない、赤の他人だったなんて……。ワタクシ……一体どうしたらいいのでしょう?
「このまま兄君さまのお側にお使えしても……よろしいのでしょうか……?

兄君さま
「そ、それは……。……。

春歌
「ワタクシ……兄君さまと離れたくありません……。

兄君さま
「そ、そんなこと……当たり前じゃないか。血がつながってなくたって、春歌は僕の……。大切な妹なんだから!

春歌
「……本当でございますか? でしたら……その……。
「このまま一生……春歌のこと、兄君さまのお側において下さいますか?

兄君さま
「もちろんさ……。

春歌
「ありがとうございます……兄君さま……。春歌は三国一の……いえ、世界一の幸せ者にございます。
「であればワタクシ、兄君さまと血縁が無いことに感謝いたしますわ。
「だってワタクシ、わかったんですもの……。兄君さまこそが、お祖母様の仰っていた背の君となるべき御方だって……。
「兄君さま……ワタクシ、もう兄君さま以外の殿方は目に入らないような気がします……♥
「これからもずっとおそばに……お仕えしてもいいですか?

兄君さま
「もちろんだよ、春歌……。

春歌
「ああ、兄君さま……。嬉しゅうございます……♥♥♥

▲ Back to Top

Ending:非血縁ベスト

≪道場≫

(えーと、春歌はここに居るハズなんだけど……。
(……おや、誰もいないぞ? おかしいなぁ。
(それにしても、すごく静かだな。……なんだか空気まで張りつめた感じだ。

兄君さま
「ん、この曲は……?
「あ、春歌……。
(春歌の舞ってる姿って本当に綺麗だ……。惚れ惚れしちゃうよ。

春歌
「あ、兄君さま……。きゃっ♥……いらしてたんですか? 黙ってみてたら……はずかしいですわ♥♥

兄君さま
「綺麗だったよ、すごく。

春歌
「もう、兄君さまったら……。

兄君さま
「あの……それで僕に何か話があるって、……今の踊りのこと?

春歌
「い、いえ……。あのワタクシ、兄君さまにお渡ししたいものがあるんですの。
「わざわざ来ていただいて申し訳ございません。この帯を兄君さまに差し上げたくて……。

兄君さま
「これを僕に……?

春歌
「はい。それで、あの……。
「申し上げにくいんですけれど……兄君さまの帯……。あっ、ベルトでかまわないんですけれど……、それと、交換していただけますか……ぽぽぽっ♥

兄君さま
「え? 僕のベルトとその帯を……? 何なの、それ?

春歌
「……いやですわ、兄君さま♥ そのようなこと、とてもワタクシの口からは申し上げられません♥♥
「きゃっ……恥ずかしいですわ〜♥ ぽっ♥♥

兄君さま
「……なんだかわからないけど、いいよ。春歌がくれるものだったらありがたく受け取るよ。

春歌
「ありがとうございます、兄君さま……。春歌はとっても嬉しゅうございます♥♥ 今まで生きてきた生涯で最高の喜びですわ♥♥♥

兄君さま
「ははは、オーバーだなぁ。……はい、それじゃこのベルト。

春歌
「ありがとうございます! 兄君さまにいただいたベルト、ワタクシ、生涯大事にしますわ♥♥♥
「ああっ、恥ずかしゅうございます♥ いやですわ、兄君さまったら♥♥♥

(いやですわって……。自分から言い出したクセに……。と、とにかく帯を回してみよう。

兄君さま
「……ん?

春歌
「あら、どうかなさいました?

兄君さま
「いや……この帯、なんか小さすぎるみたいだね。長さが足りないよ。……ひょっとして、サイズ間違えたとか……?

春歌
「そんな……♥ 兄君さまったら! ……それはもちろん、春歌の帯ですわ♥

兄君さま
「へ? ……どゆこと???

春歌
「は、はい……。あの……その……。
「きゃっ……恥ずかしいですわ〜♥♥♥

兄君さま
「…………。だからね……。

春歌
「は、はい。……その、殿方と婦女子が帯を交換するということは、永久の愛を誓い、契りを結ぶという証なんですの。
「で、でも兄君さまは帯などお持ちでありませんし、そこでベルトをいただいて、代用ということで……。
「きゃ〜っ、ワタクシったら、こんなにハッキリと言ってしまうなんて♥♥♥

兄君さま
「え……!? ……永久の愛? 契りを結ぶって……!? なんでいきなり、そんな話に……?

春歌
「ワタクシがこんなコト言ってしまうなんて……。ああ、兄君さま……♥ 罪なお方ですわ……♥♥♥

兄君さま
「おーい、もしもし? 話聞いてる?

春歌
「あ、はい。
「……兄君さま、先日は誠にありがとうございました。

兄君さま
「先日って……?
「あ、ここでケガした時のこと……?

春歌
「はい。……あの時の兄君さまの優しさ……。ワタクシを気遣って下さったお心遣い……。
「本当にワタクシ、感激しました。あの時の兄君さまの温もり、ワタクシ、生涯忘れません♥♥

兄君さま
「そ、そうなんだ。……あはは、オーバーだなぁ。あんなの当然のことだよ。

春歌
「いいえ、そんなことございませんわ。
「ワタクシ、確信しましたの。兄君さまこそ、お祖母様の仰った御方だって。
「婦女子が生涯かけて仕えるべき殿方……。お祖母様は仰いました。そういうお方を見つけたら、絶対に逃してはいけませんと。
「ですからワタクシ、こうやって兄君さまと契りを結んでいただこうと……。
「兄君さま……。これでワタクシ、名実ともに兄君さまのもの♥ 永久に兄君さまと離れませんわ♥♥

兄君さま
「……あ、あのねぇ……。
(うーん……。こう一人で盛り上がられると、なんて言うか……疲れるよなぁ。まぁ、悪い気はしないけど……。
「いや、春歌の気持ちは嬉しいけど……。でも僕たちは兄妹なんだから……。

春歌
「あら! イヤですわ、兄君さま……♥ ご存じ無かったんですの? ワタクシ、兄君さまの本当の妹じゃありませんもの!

兄君さま
「え……。ええっ!?

春歌
「ですから……。兄君さまさえその気なら……。もちろん……結婚だってできますわ……きゃっ♥
「ワタクシったら、ついハッキリと……♥♥
「兄君さま……大好きです! ワタクシだけの背の君になってくださいますか……?

兄君さま
「う、うん……。

春歌
「……! ありがとうございます、兄君さま!
「ワタクシ……生涯かけて……兄君さまをお護りいたします……♥♥♥

(……なんとなく、この先一生、僕は春歌に振り回されそうな気がする。でも、それも悪くないかも……。

▲ Back to Top