エナビア記

エナビア地方、クス城の記録。重要事項は旧文体で書かれていて判別不能。三人の娘の物語が語られている。

Contents
プロローグ バロン バロン1 バロン2 バロン3 花1 花2 花3 木登り1 木登り2 木登り3 ふくれっつら1 ふくれっつら2 ふくれっつら3 帽子1 帽子2 帽子3 思案 物思い1 物思い2 夜(ときめきポイント351以上) 夜(ときめきポイント601以上) 夜(冷却選択) エンディング1 エンディング2 エンディング3

【付録】 エナビア記攻略 (バッドエンド条件・ときめきポイント増減表)


プロローグ

エナビア地方、クス城の記録から

第8章

第7代領主 アルベルト・シーンと
その家族の肖像

第7節

三女・ルーシア

ここは、クス城の庭園。

城主アルベルトの三人娘が、家庭教師の午前の授業を終えて、庭へ現れました。

長女・マリアは17歳。

「私、ハープの演奏会に出ることになったの。
 初めてだもの、なんだか緊張するわ」

次女、アリシアは16歳、乱暴で少し言葉遣いに問題があります。

「あら、姉さんなら平気よ。
 いつも偉そうに教えてくれてるじゃない」

そして、末っ子のルーシアはまだ13歳。

「でも、たくさんの人が聞いてるのよね?
 うわぁ、考えただけで緊張しちゃう」

そして、そのルーシアが一番気になっているのが……

「待てよバロン!芝生に入っちゃダメだ!
 お館様に叱られるのは僕なんだぞ!」

「ここを追い出されたら、のたれ死ぬしかないんだぞ!!」

庭師エディの息子で使用人の、カート・グロール14歳。
ルーシアとの間には、越えがたい身分の違いがあります。

だけど、彼のことを思うと、胸のときめきが止まりません。

『ああ、このときめき!
 誰にも言えないこの胸のときめき!
 どう説明すればいいのかしら!?
 そう、初めてリフとパーティーで踊った時、初めてお父様から紹介されたあの時、
 あの時のときめきを100くらいとすると…
 そうね、このときめきは、……』

『200くらいかしら?
 ああ、私のカート、どうして私の胸をこんなに騒がせるの!?
 このときめきが、300になって、500になって、1000になったら、その時、私はどうすればいいの!?
 ああ、カート、どうしてあなたは庭師になんか生まれたの?
 どうして私は貴族になんか生まれたの?』

バロン1orバロン2

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バロン

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「私、また今度のパーティーでハープを演奏することになったの。
 楽しみだわ」

「あら、姉さんったらすっかり余裕ね!
 私なんか、木登りしか出来ないダメな娘なのに」

二人は一緒に笑い出しました。
でもルーシアは一人、雲を見上げています。

「待てよバロン!
 捨て犬のくせにデカくなりやがって!」

カートの飼っている犬が、芝生の上を走って来ました。

(以下、バロン1orバロン2と同じ)

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バロン1

「ひどいわ!
 あんな汚い犬を庭に入れるなんて!」

と、アリシアは何かにつけ怒ってばかりで、いつもマリアになだめられています。

「アリシア、言葉が過ぎませんか?
 庭には鳥も犬もいていいじゃないですか」

そんな優しいマリアが、ルーシアは大好き。

『んもぅ、アリシアってイジワル。
 バロンのこと汚いなんて、ひどすぎ!
 ……もう、こんなのうんざり。
 カートと一緒にお花を育てて過ごせたりしたら、どんなに素敵かしら』

『でも、とても口に出して言えないわ……
 お父様が決めて下さったフィアンセには何て言えばいいの?』

1・アリシアにあたる
2・もう一度よく考える

1・アリシアにあたる

ルーシアが口を開くより一瞬早くアリシアが話しかけてきました。

「ルーシアはいつも、姉さんの意見をそのまま繰り返すだけね。
 あなたを見てるとなんだか恥ずかしいわ」

1・マリアの顔をうかがう
2・何でもいいから言い返す

1・マリアの顔をうかがう

「ほ〜ら、また姉さんのほう見た!
 姉さん加勢しちゃダメよ!」

1・見てないもん!
2・アリシアのいじわる!
3・ぶん殴る

1・見てないもん!

「見てないもん!」
「ウソツキ!!」
「ウソじゃないもん!」
「大ウソツキ!!」

1・ほんとは見た
2・見るふりをしただけ

1・ほんとは見た

ルーシアはそれ以上言い返せませんでした。

自分の気持ちに素直になれないルーシア、やっぱりアリシアとはどこか似ています。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・見るふりをしただけ

ルーシアは同意を求めて、マリアの顔を見上げました。
でも、敬愛する姉は冷たい視線を投げつけるだけでした。

アリシアも何か言おうとしましたが、それもマリアに制されて、二人の口論はお終いになりました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・アリシアのいじわる!

「アリシアのいじわる!」

「二人とも、下らない言い争いで時を過ごすのはやめにしましょう」

「まぁ、二人ですって、ルーシア。
 一人はあなただけど、もう一人は誰かしら。
 ルーシア一人で争ってるって思ってたわ」

本当に口の減らないアリシアにうんざり。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・ぶん殴る

「!!!!
 !!!!!!!
 !!!!!!!!!!」

ルーシアは顔を真っ赤にして立ちあがり、ふるえる拳を握りしめました。
だけどそのまま何をすることも出来ず、ただ悔しさだけが込み上げてきました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・何でもいいから言い返す

「そんなことなくてよ!
 いいがかりはやめて! 停止するのです」

「ほ〜ら、また姉さんのマネしてる!
 あなたはいつもお父様お母様のいいなりで、姉さんのまねをして上品ぶるだけね!」

ルーシアは何も言い返せません。
口論で勝ったためしがありません。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・もう一度よく考える

『二人とも、同じ両親のもとに生まれて、同じ先生から勉強を習ったのに、なんで違うのかしら……
 もしかして……どちらかに出生の秘密があって……
 てことはつまり……』

1・アリシアは拾われっ子……
2・私は拾われっ子……

1・アリシアは拾われっ子……

『……

 なんてね……
 そんなことないよね……
 そうとしか思えないけどね』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

共通パート

2・私は拾われっ子……

『ああ、私は本当は貴族でも何でもない、ただの町娘で、ある日突然本当の両親が訪ねて来て……』
『私どもの娘を育てていただいて何と感謝の言葉を述べていいか……
 ルーシア……いいえ、今はまだお嬢様と呼ばせて下さい。
 あなたも今までの裕福な暮らしから一転、苦しい生活を送ることになりますが、こんな父母について来てくれますか?』

『いいえお母様、これも神様のお導き。
 それにちょうど今の私には一人の町娘としての夢がありますの……
 ……

 なんてね……
 だめだこりゃ』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

共通パート

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バロン2

「どうしたのルーシア?」

マリアはルーシアをいつも気にかけています。

「あの犬が気になるのね?
 もらって来てあげようか?」

と、強引なアリシア。

「あ、ちがうの!なんでもないの!!」

『ダメダメ、彼は使用人よ。
 お父様に知れたら、あの人にも迷惑をかけてしまうわ』

『それともこの気持ちを打ち明けて、二人で遠くの町へでも行けば……』

1・打ち明ける
2・相談してみる
3・ちょっと短絡的ね

1・打ち明ける

『ねぇ、カート……』
『何でしょうか、お嬢様』
『お嬢様だなんて、そんな……』
『仕事のことで何かありましたら、遠慮無くおっしゃって下さい』
『いいえ!……仕事のことじゃないの……』

『……はぁあ〜
 なんだか私ったらおバカさんみたい。
 でもあきらめましょう。
 お父様が決めて下さったフィアンセがいるのですもの。
 会えるだけでいいの、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

共通パート

2・相談してみる

『お姉さんに相談すればいいんだわ。
 いつも相談に乗ってくれたじゃない』

1・マリアに相談
2・アリシアに相談
3・やっぱり、あきらめる

1・マリアに相談

「マリア姉さん、あのね……」

「なんですの?
 何か困ったことでもありましたの?」

「私……
 ……ハァ(タメイキ)
 んーん、なんでもない」

『……はぁあ〜
 なんだか私ったらおバカさんみたい。
 でもあきらめましょう。
 お父様が決めて下さったフィアンセがいるのですもの。
 会えるだけでいいの、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

共通パート

2・アリシアに相談

「アリシア姉さん、あのね……」

「都合のいい時しか姉さんって呼ばないのね。
 やっぱりあの犬が欲しいんでしょ?」

「……
 ……ハァ(タメイキ)
 んーん、なんでもなーーい」

『……はぁあ〜
 なんだか私ったらおバカさんみたい。
 でもあきらめましょう。
 お父様が決めて下さったフィアンセがいるのですもの。
 会えるだけでいいの、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

共通パート

3・やっぱり、あきらめる

『……やっぱりいいの。
 私の勝手な夢なんだもん。
 お父様に知れたら大目玉だわ。
 見てるだけでいいの、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

冷却選択

3・ちょっと短絡的ね

『そうよ、ちょっと短絡的ね。
 私にはフィアンセがいるわ。
 カンドーされちゃうかもしれないし、それに彼の気持ちだって……
 確かめてないもの……』

『……カートのこと考えると、悲しくなってばかり。
 やっぱり、あきらめるんだ。
 このままじゃおかしくなっちゃう』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の出来事でした。

冷却選択

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バロン3

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「私、また今度のパーティーでハープを演奏することになったの。
 楽しみだわ」

「あら、姉さんったらすっかり余裕ね!
 私なんか、木登りしか出来ないダメな娘なのに」

二人は一緒に笑い出しました。
でもルーシアは一人、雲を見上げています。

「待てよバロン!
 捨て犬のくせにデカくなりやがって!」

カートの飼っている犬が、芝生の上を走って来ました。

「あの子、また犬を庭に入れてるわ!
 今度こそお父様に言い付けないと!」

アリシアは今日も怒りんぼうです。

「アリシア、あなたはどうしてそうなの?
 犬が勝手にしたことではないですか」

「そうよ!アリシアはいつも口が過ぎるわ」

『ここはカートの庭みたいなものよ!
 アリシアがどこかに行けばいいんだわ!
 ……でもカート、わかってくれてるかしら……
 私もアリシアと同じって思われてたらどうしましょう……』

1・カートをかばう
2・マリアに打ち明ける
3・わかってるなら私に熱いベ〜ゼを……

1・カートをかばう

『ああ〜ん、かばってあげたいけど何と言ってかばえばいいの?』

1・カートは悪くないわ!
2・私はカートに感謝してるわ
3・私のカートにいじわる言わないで!

1・カートは悪くないわ!

『あああ〜ん、そんなこと言えないよ〜う。
 言えるわけないじゃな〜い』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

2・私はカートに感謝してるわ

『あああ〜ん、そんなこと言えないよ〜う。
 言えるわけないじゃな〜い』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

3・私のカートにいじわる言わないで!

『あああ〜ん、そんなこと言えないよ〜う。
 言えるわけないじゃな〜い』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

2・マリアに打ち明ける

「あのね、マリア姉さん」

「あら、神妙な顔でどうしたのかしら」

1・私、恋をしたみたいなの
2・気になって仕方がない人がいるの

1・私、恋をしたみたいなの

「あのぉ……後でハープを教えて欲しいの……」

「あら、やっと苦手を克服する気になったのね。
 いいわよ、午後の授業の後、私の部屋にいらっしゃい!」

そうして言葉をはぐらかしているうちに、本当の気持ちすら見失いそう。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・気になって仕方がない人がいるの

「あのぉ……後でハープを教えて欲しいの……」

「あら、やっと苦手を克服する気になったのね。
 いいわよ、午後の授業の後、私の部屋にいらっしゃい!」

そうして言葉をはぐらかしているうちに、本当の気持ちすら見失いそう。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・わかってるなら私に熱いベ〜ゼを……

『あああ〜ん、そんなこと言えないよ〜う。
 言えるわけないじゃな〜い』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

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花1

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「ルーシア一人でどこに行ったのかしら……
 あの子、最近おかしいと思わない?」

「あの子、最近花を育ててるんですって。
 変なことはじめたものだわ」

その頃ルーシアは、一人で庭の隅にいました。
そこで小さな箱庭を世話しています。

「やっと庭らしくなってきたわ。
 うふっ。
 カートが見たらなんて言うかしら」

ルーシアが花の世話に夢中になっていると、遠くからアリシアの声が聞こえました。

「ルーシアー!何やってんのー!?
 午後の授業に遅れるわよー!」

「はーーーーい!
 すぐ行きまーーーーす!!」

「お花さんたち、また会いましょう」

立ち上がって振り向くと、少し離れた所にカートがいました。
途端に胸は高まり、身動きも取れなくなってしまいました。
カーとは特にこちらを気にかける様子もなく、自分達の小屋の方へ向かって歩いています。

そして視界の外へ消えてしまいました。

『ああーーん、どうしよう!
 もうお花たち、カートに見せても恥ずかしくないくらいにはなったわよねぇ?
 でもでも、見て下さいって言うのは変だし、でも、見てもらうために育てたんだしー』

1・声をかける
2・胸にしまう
3・もう一度花を確認する

1・声をかける

「…………………………

 ハァ、ハァ、ハァ、
 とても話しかけられない!」

『深呼吸よ。
 ちょっと落ち着いてから話しかけよう。
 だからまだ行かないでねカート。
 私が目を開けるまで、そこにいてね、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

2・胸にしまう

『……そうよね、あきらめましょう。
 だって、私のお花さんたち、まだまだ人に見せるほどきれいには咲いていないもの。
 ……だけど、いつか美しく咲きそろった時、私はあの人に、この花を見て欲しいって、言うことが出来るかしら……』

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・もう一度花を確認する

『ねぇ、お花さんたち!
 私に力を貸して!
 カートはあなたたちを見てどう思うかしら?
 美しい花だって言ってくれるかしら?
 つまらない花だって思うかしら?
 ねぇ!
 私のお花さん達!』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

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花2

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「ルーシア一人でどこに行ったのかしら……
 あの子、最近おかしいと思わない?」

「あの子、最近花を育ててるんですって。
 変なことはじめたものだわ」

その頃ルーシアは、一人で庭の隅にいました。
そこで小さな箱庭を世話しています。

「やっと庭らしくなってきたわ。
 うふっ。
 カートが見たらなんて言うかしら」

「ルーシアお嬢さんじゃないですか」

「あ、エディさん、こんにちは」

「これは申し訳ない、おどかす気はなかったんですけどね。
 ……おや? これは……?」

「これは、えーと、私が育てた庭なんです。
 てへっ」

エディはしばらく言葉を失い、その目には戸惑いの表情がありました。

「この花をお嬢さんが?」

「ええ、そうなの。
 どうですか? 私の花……」

エディは再び言葉を呑み込むように黙り、花や土をたんねんに調べました。

「……いい花ですじゃ。
 しかし、お手が汚れますゆえ、庭のことは私達親子にまかせて下され」

1・私、花を育てたいんです
2・カートにならまかせる
3・私の花、やっぱり良くないですか?

1・私、花を育てたいんです

「いいんです。
 私、花を育てたいんです」

エディはじっと手にした土を見ています。

「お嬢さんの意志なら仕方ありません。
 失礼とは存じますが、もう一度お聞きしてよろしいですか?」

「お嬢さんが一人で育てておいでなんですよね?」

1・それがどうかしましたか?
2・だめですか?

1・それがどうかしましたか?

「それがどうか……?」

「いや、いい腕をしておいでだ」

ルーシアはすっかり気を良くして、草花のことについてあれこれ質問して、午後の授業までの時間を過ごしました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・だめですか?

「ここで育てるのだめですか?」

エディはあわてて首を振った。

「いやいや、聞き方がまずかったですかの。
 あまりにいい腕なので驚きまして」

ルーシアは少しうれしくなり、午後の授業まで箱庭の前で過ごしました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・カートにならまかせる

「あの、それなら私……」

カートの名前がのどにつまりました。

「いえいえ、いいんですよ。
 お嬢さんに花を育てていただけるのは、庭師としてもとても誇らしく思います」

切なげな表情を見て、エディはすぐに言葉を取り消しました。

エディは気を使って、色々な草花の話をしてくれました。

仕事道具を庭の真ん中に出しっ放しで、後でみっちりしぼられるエディでしたが、
今はそんなことなど知るよしもなく、ルーシアには楽しい昼下がりでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・私の花、やっぱり良くないですか?

「私のお花、やっぱり良くないですか?」

ガンコ者のエディも、そう言われるとちょっと困ります。

「何をおしゃいます、立派な花ですとも。
 三 国 一の心のこもった美しい花ですとも」

エディは気を使って、色々な草花の話をしてくれました。
だけど、ルーシアは、少し寂しい気持ちになってしまいました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

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花3

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「ルーシア一人でどこに行ったのかしら……
 あの子、最近おかしいと思わない?」

「あの子、最近花を育ててるんですって。
 変なことはじめたものだわ」

その頃ルーシアは、一人で庭の隅にいました。
そこで小さな箱庭を世話しています。

「やっと庭らしくなってきたわ。
 うふっ。
 カートが見たらなんて言うかしら」

「あの子、私たちを避けてるようだけど、どうかしたのかしら」

「あの子、小さい時からそうだったわ」

マリアはルーシアの様子が気になりますが、アリシアは気にしてません。

「いいえ、違うわ。
 思い過ごしならいいけれど、あの子…」

「私も貴族なんかじゃなくて、庭師の娘に生まれてくればよかった……
 ……
 そうだ!
 いい考えがあるわ!」

『家出をするのよ!
 そして町娘のふりをして戻ってきて、ここで雇ってもらうの!
 庭師見習いとして!』

1・私ならできるわ!
2・そんな夢みたいな話……
3・さっそく実行だ!

1・私ならできるわ!

『キッチンに行けば、いつも焼き立てのパンがあるでしょ、とりあえずあれをいただくの。
 着替えはハンナに用意させるわけにはいかないから……
 夜のうちに自分でトランクに詰めて……
 ……?
 あら、トランクってどこにあったかしら?』

『いいわ!
 4着くらいなら両手で抱えても平気よね。
 とにかくパンだけはキープするの!
 まずはそっちよ!』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

2・そんな夢みたいな話……

『そうよね、今まで実行できたことないものね。
 身分が違うだけで、引き裂かれちゃうなんて、そんなのひどいよね』

『でも、アリシアも、2年後にはここを出て行くから、そしたら少しお話しようよ。
 私もずっとここにいるわけじゃないけど…
 私…… ここが好きなのに……
 カートのことも……』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

3・さっそく実行だ!

ルーシアが不意に立ち上がると、視界の隅に小さな人影を見つけました。

1・誰かいるの?
2・ゆっくり振り向く
3・気にしない

1・誰かいるの?

「誰かいるの?」

聞き取れないほどの小さな声で言いました。
すると、少し離れた繁みのところからカートが顔をのぞかせて返事をしました。

「申し訳ありません、ちょっと通りかかっただけでして……」

胸の中で天使が鐘を鳴らし始めました。

「あのぉ……」

無意識に口からもれた言葉が、背を向けて走り去ろうとするカートを振り向かせました。
うつむきそうになってしまう臆病な自分を励ましながら、ルーシアは聞きました。

「お花には、一日にどのくらい水をあげればいいんですか?」

「今のままで……今の通りで大丈夫ですから、安心して下さい」

そう言うとカーとは一礼して去って行きました。
ルーシアは去りゆくカートを目で追うことも出来ずに、うつろに立ち尽くすだけでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・ゆっくり振り向く

振り向くと、シャベルを持ったカートが向こうへと歩いて行く姿が見えました。
その瞬間、ルーシアの頭の中から、今までの計画が真っ白に消えました。
まるで雲の上にいるように感じました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・気にしない

ルーシアは決意を固めて、そのまま裏門の方へ向かいました。

きっと門の前の守衛と目が合っただけで、色々な言い訳を考えて、それを自分に言い聞かせて、戻って来るのがオチでしょうけれど。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

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木登り1

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「アリシア、あなたは身体が弱いのですから、危険なことはつつしみなさい」

だけどアリシアは木登り大好き16歳。

「危なくなんかなくてよ、ほら、あの枝に手が届けばもっと高く登れるわ」

「あ、ああっ、うわぁ 落っこちちゃうよー ドキドキ」

ルーシアは幽霊と高い所が大の苦手です。
そんなルーシアが一番気になっているのが…

「もうそれ以上は危ないから、どうか降りてきて下さい!
 でないと僕が叱られちまう!」

庭師エディの息子で使用人の、カート・グロール14歳。

「おだまりなさい!カート・グロール!
 指図するとは何事ですか!」

と、誰よりもプライドの高いアリシア。

「アリシア、お父様に報告しますよ」
「その通りよ!いつも木に登ってばかりだってばらしちゃうんだから」

ルーシアはマリアの真似ばかり。

『アリシアはカートが嫌いなんだわ。
 いつも汚いだの指図するなだのって。
 でも、もしアリシアが

 『カートをお城から追い出して』

 なんて、お父様にお願いしたりしたらどうしましょう……』

『ああ、私のカート、その時は私も行くわ。
 あなたを一人にはしない……』

1・カートに打ち明けてみる
2・カートの手をにぎる
3・カートの胸に飛び込む

1・カートに打ち明けてみる

『そうよ!打ち明けるのよ!
 だってそれしかないじゃない!
 ……打ち明けるって何を?
 二人で花を育てたいって?』

『ダメよダメよダメ!

 『身分違い〜の 二人の恋は〜 恋人達の〜 命を〜 奪う〜〜っ』

 って、有名な歌にもそうあるじゃない』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

2・カートの手をにぎる

『いっそカートの手を握って、このまま駆け出してしまえば……
 そうよ
 二度と帰れないかも知れないけど……
 でも私、後悔なんかしない……
 それは……彼を……』

『……はぁあ〜
 なんだか私ったらおバカさんみたい。
 でもあきらめましょう。
 お父様が決めて下さったフィアンセがいるんですもの。
 会えるだけでいいの、私のカート』

ルーシア13歳
やわらかな陽射しにつつまれた、
夏の日の午後の出来事でした。

共通パート

3・カートの胸に飛び込む

『ああ、私のカート!
 もう貴族の生活なんて嫌!
 だって、お部屋の中は息がつまりそうなの。
 この広い世界に住むあなたは、私の知らない花や、鳥や、動物のことを、たくさん知っているんでしょう?』

と、ルーシアが自分の世界に酔っているうちに、カートがエディに呼ばれて去って行きました。

誰にも言えない内緒の恋はいつまでも続いていきます。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

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木登り2

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「アリシア、あなたは身体が弱いのですから、危険なことはつつしみなさい」

だけどアリシアは木登り大好き16歳。

「危なくなんかなくてよ、ほら、あの枝に手が届けばもっと高く登れるわ」

「あ、ああっ、うわぁ 落っこちちゃうよー ドキドキ」

ルーシアは幽霊と高い所が大の苦手です。
そんなルーシアが一番気になっているのが…

「もうそれ以上は危ないから、どうか降りてきて下さい!
 でないと僕が叱られちまう!」

庭師エディの息子で使用人の、カート・グロール14歳。

「カート・グロール!
 お尻を支えてちょうだい!」

と、何ごとにも遠慮の無いアリシア。

「まぁ、ハレンチな!」

マリアは上品なお嬢様。
そしてルーシアはいつも振り回されてばかり。

『えええっ?? それってなに〜!?
 カートにお尻を支えろって言ったのー!?
 ああ、私のカート、あんな命令聞かなくていいのよ……
 どうしましょう、こんな遊びに興じてるなんて、お父様が知ったら……』

1・アリシアを怒鳴る
2・自分がお尻を支える
3・あわわわわ

1・アリシアを怒鳴る

「もういい加減にして!」

ルーシアはアリシアを怒鳴りつけました。

1・カートに迷惑だわ!
2・お尻を支えてもらうなんて!
3・アリシアのバカ!

1・カートに迷惑だわ!

「……」

カートの名前を言えるほど、気持ちに整理がついていません。
ルーシアは言葉を呑み込みました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・お尻を支えてもらうなんて!

「殿方にお尻を支えていただくなんて!
 あまりにもはしたないわ!」

ルーシアは顔を両手でおおってわめき立て、そのまま館の方へ駆けだしました。

「おこりんぼなんだから」

アリシアは自分のことをたなに上げてつぶやきました。

マリアはルーシアが去って行った方を見て、不安げな顔をしているだけでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・アリシアのバカ!

「アリシアのバカ!!」

ルーシアは館の方へ駆け出しました。
そして残された姉二人は、わけもわからず顔を見あわせるのでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・自分がお尻を支える

「私が手伝うわ!」

ルーシアは二人の間に割り込みました。

カートは隙を見て、ルーシアの影に隠れ、そそくさと立ち去りました。
そこにマリアの低い声が響きました。

「二人とも、危険な遊びはおやめなさい。
 お父様にいいつけますよ」

『が〜〜〜〜〜〜〜ん!!
 私木登りしてないのに、私まで!?』

おずおずと振り向き、マリアの方を見ると、その目はアリシアをにらんでいます。

ルーシアは、謝ればいいのか、言い訳をすればいいのか、しばらくマリアの顔をうかがっていました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・あわわわわ

「あわわわわわわわ……」

カートはさんざん怒鳴られた末、木登りに手を貸しました。
ルーシアは顔をおおって立ち尽くしました。

『お父様に叱っていただくわ!』

胸の中で呪文のように繰り返しました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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木登り3

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「アリシア、あなたは身体が弱いのですから、危険なことはつつしみなさい」

だけどアリシアは木登り大好き16歳。

「危なくなんかなくてよ、ほら、あの枝に手が届けばもっと高く登れるわ」

「あ、ああっ、うわぁ 落っこちちゃうよー ドキドキ」

ルーシアは幽霊と高い所が大の苦手です。
そんなルーシアが一番気になっているのが…

「もうそれ以上は危ないから、どうか降りてきて下さい!
 でないと僕が叱られちまう!」

庭師エディの息子で使用人の、カート・グロール14歳。

「カート!あなたも登っていらっしゃい!
 でないと私、ケガをするかもしれなくてよ!」

と、いつも強引なアリシア。

「おやめなさいアリシア。中止するのです」

長女のマリアは二人の妹の監視役です。
ルーシアは一人でおたおたするばかり。

『なんでなんでなんでー!?
 なんでカートまで一緒でなきゃいけないの!?
 ……そして木の上でどんな言葉をかわすのか、こずえを渡る風の音に消されて、下で待つ私達には届かないのね!
 ……』

『ああ、私のカート、アリシアのところへ行かないで!』

1・カートを止める
2・アリシアを怒鳴る
3・自分も木に登る

1・カートを止める

『そうよ!止めるのよ!』

と、思うけど、胸に詰まった気持ちの重さを身にしみるだけで口に出せません。

「カート、あなたは戻りなさい」

マリアの声が聞こえました。

カートは何度も頭を下げながら仕事へ戻り、アリシアはフテくされてしまいました。

ルーシアはその後しばらく、カートのことが頭から離れず、ときめいたままでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・アリシアを怒鳴る

「もういい加減にして!」

ルーシアはアリシアを怒鳴りつけました。

1・カートに迷惑だわ!
2・危険なことはつつしんで下さい!
3・駆け出す

1・カートに迷惑だわ!

「……」

カートの名前を言えるほど、気持ちの整理がついていません。
ルーシアは言葉を呑み込みました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・危険なことはつつしんで下さい!

「危険なことはつつしんで下さい!」

ルーシアの聞き取れないほどの小さな抗議を、マリアが引き取りました。

「木登りなら自分一人でおやりなさい」

マリアはルーシアの手を引いて館へ戻ります。
ルーシアは少しだけ涙をこぼしました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・駆け出す

「アリシアのバカ!!」

ルーシアは館の方へ駆け出しました。
そして残された姉二人は、わけもわからず顔を見あわせるのでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・自分も木に登る

『えーっと、私が登って、カートもアリシアに呼ばれて登って来て、私が枝の幹の側に座ると、後から来たカートはその更に幹の側に…』

と、ぐるぐると考えていると……

「そんなにカートと一緒がいいの?」

マリアが低い声で言いました。

1・一緒だといいです
2・そんなことないです
3・……

1・一緒だといいです

「あの……それは……」

ルーシアが答えに窮していると、アリシアがようやく降りてきました。

アリシアはマリアと顔を合わせようともせず、まっすぐにカートの前に行きました。

「あなたが口答えしないで、素直に私に従ってくれるなら、
 中の仕事につけるようにお父様に言ってあげてもいいのよ。
 そんな汚い服だって捨ててしまえばいいんだわ!」

そう言い終わると、チラリとマリアの方に冷たい視線を投げて、館の方へ去って行ってしまいました。

ルーシアは何かもやもやと、不可解な気持ちに包まれ、口をとがらせて、靴のつま先で、やわらかい地面を掘り返していました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・そんなことないです

「あの……それは……」

ルーシアが答えに窮していると、アリシアがようやく降りてきました。

アリシアはマリアと顔を合わせようともせず、まっすぐにカートの前に行きました。

「あなたが口答えしないで、素直に私に従ってくれるなら、
 中の仕事につけるようにお父様に言ってあげてもいいのよ。
 そんな汚い服だって捨ててしまえばいいんだわ!」

そう言い終わると、チラリとマリアの方に冷たい視線を投げて、館の方へ去って行ってしまいました。

ルーシアは何かもやもやと、不可解な気持ちに包まれ、口をとがらせて、靴のつま先で、やわらかい地面を掘り返していました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

冷却選択

3・……

「あの……それは……」

ルーシアが答えに窮していると、アリシアがようやく降りてきました。

アリシアはマリアと顔を合わせようともせず、まっすぐにカートの前に行きました。

「あなたが口答えしないで、素直に私に従ってくれるなら、
 中の仕事につけるようにお父様に言ってあげてもいいのよ。
 そんな汚い服だって捨ててしまえばいいんだわ!」

そう言い終わると、チラリとマリアの方に冷たい視線を投げて、館の方へ去って行ってしまいました。

ルーシアは何かもやもやと、不可解な気持ちに包まれ、口をとがらせて、靴のつま先で、やわらかい地面を掘り返していました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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ふくれっつら1

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

今日はアリシアがふくれっつらです。

「アリシア、そんな顔してるのとってもすごく変だわ」

「あなたには関係ないから放っておいて!」

アリシアはとても機嫌が悪いようです。
マリアもルーシアもつられて無口になってしまっています。

「だってお父様ったら、歌劇に連れてってくれるって約束、今夜も守れないっておっしゃるのよ!」

アリシアは何でもはっきりと言います。
ルーシアなんて、そんな約束したことすらないのです。

「!!」
アリシアが何かにつまずきました。
カートが使っているシャベルのようです。

「あの役立たずが、仕事道具を放り出して……
 ちょっと説教してあげないと」

マリアはいつもと同じあきれ顔をしているだけだけど、ルーシアはそうもいきません。

「私、注意してくるわ!」

「あ、ああん!
 ちょっと待ってお姉さ〜ん!」

1・ついて行く
2・あたふたあたふた

1・ついて行く

「なんであんたまで来るの!?」

アリシアはルーシアにはきつく当たります。

「だって、アリシア、いつも言うことがきついんですもの」

「監視役のつもり?
 妹のくせに生意気だわ!!
 カートなんか鉱山送りなんだから!」

二人は言い争いながら、小屋まで来ました。

「さぁ、来たわよ。どうする?」

「ちょっと待ってよ、アリシア……」

1・やっぱりアリシアを連れて戻る
2・ちょっと離れて見てる
3・鉱山送りって何よ、どーゆー意味よ!

1・やっぱりアリシアを連れて戻る

「やっぱりダメよ、帰りましょう。
 セバスチャンを通して言えばいいわ。
 勝手なことをするのは良くないわ」

アリシアも、ここまで来たものの、どうしたものか少し迷っていました。

「しょうがないわね!
 じゃぁ、あなたから言っておくのよ!
 忘れないでね!」

アリシアはシャベルを無造作に投げ置くと、戻っていきました。

ルーシアはエディの小屋と姉の背中を交互に見て脚踏みしました。

「ああ〜ん、もう、私って何がしたいの!?
 ルーシアのばかばかばか!
 あ、お姉さん!一人で帰らないで〜!」

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・ちょっと離れて見てる

「私、少し離れてる」

アリシアは少しひょうし抜けしたような表情。

ルーシアは、少し離れて見ていたけれど、結局小屋には誰もいなかったらしく、アリシアはシャベルを投げて去っていきました。

「ああ〜ん、待ってよ〜
 私も一緒に戻る〜」

そう言って姉の後を追いながらも、気持ちを小屋の前から連れ戻すことは出来ませんでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・鉱山送りって何よ、どーゆー意味よ!

「鉱山送りって何よ、どーゆー意味よ!」

「あなたって子はいちいちうるさいわねぇ!
 あなたも一緒に叱られて鉱山に行けば!?
 少し頭を冷やせばいいわ!」

アリシアは相変わらずヒステリックです。

「もう、知らない!
 二人で鉱山でもどこでも行けばいいわ!」

「ああ〜ん、待ってよ〜
 私も一緒に戻る〜」

そう言って姉の後を追いながらも、気持ちを小屋の前から連れ戻すことが出来ませんでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・あたふたあたふた

ルーシアがあたふたしてる間に、アリシアは一人で行ってしまいました。

『ああん、アリシアのやつあたり〜』

引っ込み思案で行動力不足、それは充分わかっていても、変れるものでもありません。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
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ふくれっつら2

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

今日はアリシアがふくれっつらです。

「アリシア、そんな顔してるのとってもすごく変だわ」

「あなたには関係ないから放っておいて!」

アリシアはとても機嫌が悪いようです。
マリアもルーシアもつられて無口になってしまっています。

「だってお父様ったら、歌劇に連れてってくれるって約束、今夜も守れないっておっしゃるのよ!」

アリシアは何でもはっきりと言います。
ルーシアなんて、そんな約束したことすらないのです。

「どうかなさりましたかね、お嬢さん方」

後ろの方からエディの声が聞こえました。

「こんにちは、いいお天気ですね」

最初にあいさつしたのはマリアでした。
あとの二人も続けてあいさつして、アリシアの不機嫌の理由を話しました。

「それはお可哀相なことで」

エディが言うと、マリアが返します。

「この子は甘えてるだけなんです。
 カートのことなどを思えば……」

「いえいえめっそうもない、器がちがいますよって、へい」

エディは寂しげな目をして、ルーシアに聞きました。

「ルーシアお嬢さんは、不自由に感じられることなんぞは?」

1・不自由はない
2・好きな人に好きと言いたい
3・カートが可哀想

1・不自由はない

「何もかもお父様が与えて下さるもの、不自由なんてしてないわ」

エディはうれしそうに答えました。

「私ら庭師も同じでして、必要なものは全てお館様にそろえていただいておるんで不自由は感じておらんのです」

アリシアは嫌みの一つでも言いたそうな顔をしていましたが、マリアに制されました。

ルーシアは、父に愛される幸せを深く胸に刻みました。

「そうよね。
 私なんかまだ子供だもん。
 お父様がいないと何も出来ないわ」

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・好きな人に好きと言いたい

「好きな人に好きと言いたい」

そんな言葉が口からすべりだしてしまって、ルーシアは真っ赤になってしまいました。

「女の子からそんなこと言うなんて、はしたないわ!」

アリシアはルーシアの口調をまねて言いました。

「恋心は胸の中をぐるぐる駆け巡っておる時が一番幸せなもんじゃ」

エディは笑顔のまま仕事へ戻りました。

ルーシアはその言葉の意味を探して、胸の中で思いを巡らせていました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・カートが可哀想

「カートが可哀想だわ……」

「とんでもありやせん、あんな半人前、まだまだ何の望みも持っちゃいけねぇ」

エディは首を大きく振って否定し、アリシアはいたずらっぽい目で、

「“可哀想”って思うのは“好き”だからよ!」

少しぼーっとしていたルーシアでしたが、それを聞いて真っ赤になってしまいました。

「そんなの、ちがうよ!
 絶対ちがうもん!」

二人に明るい会話が戻ったのを見て、エディは静かにその場を離れました。

「本当にそうじゃないってば、もぉ……」

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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ふくれっつら3

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

今日はアリシアがふくれっつらです。

「アリシア、そんな顔してるのとってもすごく変だわ」

「あなたには関係ないから放っておいて!」

アリシアはとても機嫌が悪いようです。
マリアもルーシアもつられて無口になってしまっています。

「だってお父様ったら、歌劇に連れてってくれるって約束、今夜も守れないっておっしゃるのよ!」

アリシアは何でもはっきりと言います。
ルーシアなんて、そんな約束したことすらないのです。

「あなたの言いたいことも分かるわ。
 でもね……」

マリアは、家の事情などを説明しました。
でもアリシアは納得なんかしません。

「約束を破るなって、いつも言ってるくせに、お父様は約束を破ってばっかり!」

アリシアのわがままぶりがカンにさわって、ルーシアは口をはさんでしまいました。

「私なんて約束すらしたことないもん……」

「勝手に何だって約束すれば?
 あなたのことまで、知らなくってよ!」

少しいじけかけているルーシアに、アリシアは遠慮なく追い打ちをかけます。

ルーシアはうっすらと涙を浮かべました。

1・じゃぁ私も歌劇に行けるように頼む
2・私はそんなワガママじゃないです
3・じゃぁカートと……

1・じゃぁ私も歌劇に行けるように頼む

「じゃぁ私も歌劇に行けるように頼む」

「一緒は嫌! 私とは別の日にしてね!」

アリシアは容赦ありません。
マリアは半ばあきれてしまいました。

「そんな二人とも歌劇が見たいなら、私とセバスチャンとで連れて行っていいか、お父様に聞いてみるわ」

「そんなの行かない!」

アリシアは走り去ってしまいました。

ルーシアはなんだか悪いことをしたような気になって、姉の顔を見上げましたが、マリアは視線を外したままでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・私はそんなワガママじゃないです

「私はそんなワガママじゃないですぅーー!」

アリシアの平手がルーシアの顔に飛びました。

「自分がどのくらいわがままかも知らないで勝手なこと言わないで!!」

ルーシアの目から涙がぽろぽろこぼれます。
アリシアは言葉をのみこんで走り去りました。

ルーシアはこぼれてくる涙を、右手と左手とで交互にすくいました。

マリアは何か声をかけてくれるけど、それからしばらく涙が止まりませんでした。

わがままなんて滅多に言ったことがないのに、はたから見たらそうでもないのでしょうか?
アリシアが怒る理由が、ルーシアにはわかりませんでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・じゃぁカートと……

「じゃぁカートと……」

口に出すつもりはなかったのに、ついそんな言葉がもれてしまいました。

「ルーシア、カートと遊びたいなら遊んでもいいのよ……
 歳も近いんだもの……」

マリアが言葉を選んで切りだしました。

「お勉強ばかりだものね。
 あなたがわきまえてくれるなら、そうね…
 乗馬や狩りのお供に付けていただけるようお父様に進言してもいいわ…」

マリアも少しとまどいながら言いました。
それを聞いてルーシアは耳まで真っ赤になってしまいました。

「いいの!そんなんじゃないの!」

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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帽子1

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「今日もいいお天気ね。
 朝方の霧がうそのように晴れたわ」

「お姉さんって、いつも早起きね。
 霧が出たなんて知らなかったわ」

「霧が出てたの?
 私もたまには早起きしなきゃ!」

「あっ!」

突然の強い風に煽られて、ルーシアの帽子が飛んでいってしまいました。
風に乗り、しらかばの林の隙間を縫って、不意にその姿を消しました。

「ああん!
 帽子ったら池の方へ飛んでいったわ!」
「あ〜あ、池に落ちちゃうんじゃないかしら。
 ついてないルーシアのことだもん」

アリシアはいつも意地悪です。

「ハァ……三人で池の方へでも歩きましょう。
 ルーシアもアリシアも仲良くするのよ」

三人は池のほとりを歩きました。

池の全体が見えるところまで来ると、アリシアが不意に笑いました。

「どうしたの?アリシア」

「だってルーシア、ほら」

アリシアが指さした先に、帽子が水に浮いています。

「私の言った通り!可哀想なルーシア!」

1・取ってくる!
2・しょうがない
3・誰か人を呼ぶ!

1・取ってくる!

「あきらめないわ! 取ってくる!」

ルーシアはドレスのすそを持ち上げて、片足を水の中に入れました。

「おやめなさい!
 はしたないとは思わなくて?」

マリアが止めますが、ルーシアはあきらめきれない様子です。

「私の帽子あげるよ。
 同じのを持ってるから」

しぶしぶうなずくルーシアでしたが、どうせまた後で恩に着せられると思うと、ちょっと嫌になってしまいました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・しょうがない

「しょうがないなぁ。
 お気に入りだったのに」

ルーシアはそう言いながらも、カートが池に入って帽子を取って来て手渡してくれる……
そんな想像を巡らせていました。

「ふぅ…… だめだなぁ……
 私やっぱりどうかしてるわ……」

「あの帽子はもう小さくなっていたから、そろそろ新しいものを買ってもらえるわ」

マリアがそう言ってなぐさめてくれました。

だけどそんな言葉も上の空で、ただ水面をながめているだけ、胸の中はいつもカートへの思いだけでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・誰か人を呼ぶ!

「誰か呼んで取ってきてもらうわ!」

ルーシアの脳裏には、カートに命じて池の中に取りに行かせている場面が浮かんでいました。

「ルーシア、本心で言っていますか?」
「ドキッ!!」

見透かしたようにマリアが問い返します。

「ちがうの! もういいの!
 つい言ってしまっただけ!」

ルーシアは首を振って取り消しました。
アリシアは少しあきれて腕組みしています。

「ごめんね、私っておバカさんだから、そんなこと考えちゃうんだ」

池を向いたままつぶやきました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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帽子2

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「今日もいいお天気ね。
 朝方の霧がうそのように晴れたわ」

「お姉さんって、いつも早起きね。
 霧が出たなんて知らなかったわ」

「霧が出てたの?
 私もたまには早起きしなきゃ!」

「あっ!」

突然の強い風に煽られて、ルーシアの帽子が飛んでいってしまいました。
風に乗り、しらかばの林の隙間を縫って、不意にその姿を消しました。

「まったくルーシアはグズだなぁ!」

アリシアはすかさず帽子が飛んだ方へ走り出しました。

「アリシア!走ってはなりません!
 また熱が出ますよ!」

アリシアは立ち止まり、ルーシアに向かって言いました。

「ヒースのいこい所の方へ飛んでいったよ。
 いっしょに行かない?」

1・走ったらだめ、歩いて行きましょう
2・私が探すから、お姉さんはここにいて
3・帽子はエディさんに届けてもらう

1・走ったらだめ、歩いて行きましょう

「わかってるわよ、歩いてるじゃない。
 何度も言わなくてもいいの!」

言い争いながらヒースのいこい所まで来ると、アリシアは駆け出しました。

「私、ここが好きなの。
 ほら、あれがラークスパーでしょ、そして、ガザニア、モーリー、オレオフィラム……」

アリシアは花ばかり気にして、帽子を探す気はなさそうです。
ルーシアもベンチに座りました。

しばらくアリシアと話をしていると、さっき飛んでいった帽子を持った男の子がこちらに歩いて来ます。
鼓動が早馬のように駆け始めました。

現れたのはカートでした。

ルーシアの鼓動は外にもれるほどに高なり、目をふせました。
アリシアが帽子を受け取り、しばらくしてルーシアも顔を上げました。
カートがいないことを確かめて、ほっと胸をなで下ろしている自分が、少し情けなくなりました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・私が探すから、お姉さんはここにいて

「私が探すから、お姉さんはここにいて」

ルーシアが言うと、アリシアはヒステリックに怒鳴りました。

「ルーシアは指図しないで!
 私が探すから、あなたはここにいるの!
 走ったりしないから好きにさせてよ!」

アリシアはそう言って木陰に消えました。

ふとマリアの顔を見上げると、両手で顔をおおっています。

「どうしたのお姉さん……」

マリアはただ首を横に振るだけです。

ルーシアはいつもけんかしてばかりの自分が、少し嫌になりました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・帽子はエディさんに届けてもらう

「帽子はエディさんに届けてもらうわ」

「じゃぁ、私がエディに頼んでくる」

アリシアはそう言って木陰に消えました。

ルーシアがそっとあとを追うと、アリシアはヒースのいこい所にいました。

するとそこに、さっき飛んでいった帽子を持ったカートが現れました。
彼はアリシアの側へ行き、帽子を手渡しました。

ルーシアは遠巻きにそれを見ながら、ふるえて身動きできませんでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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帽子3

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

「今日もいいお天気ね。
 朝方の霧がうそのように晴れたわ」

「お姉さんって、いつも早起きね。
 霧が出たなんて知らなかったわ」

「霧が出てたの?
 私もたまには早起きしなきゃ!」

「あっ!」

突然の強い風に煽られて、ルーシアの帽子が飛んでいってしまいました。
風に乗り、しらかばの林の隙間を縫って、不意にその姿を消しました。

「いや〜〜〜〜ん!
 私のぼうし〜〜〜〜!」

ルーシアは木の根につまずいて転びそうになってしまいました。

背中ごしにアリシアの笑い声が聞こえます。

「ルーシアはグズだから、帽子も嫌になって飛んでいくんだよ!」

ルーシアは身体を半分だけ後ろに向けて、アリシアに言い返しました。

1・グズじゃないもん!
2・風のせいじゃないの!
3・グズでもいいもん!

1・グズじゃないもん!

「グズじゃないもん……!
 ああっ、あああっ、きゃーーーっ!!」

ルーシアはバランスを崩して転んでしまいました。

姉二人は駆け寄りました。

「ういちちちちち……」

「注意をおこたるからこうなるのですよ!
 帽子はエディさんに頼みましょう。
 さぁ、もう行きましょう」

グズでのろまなルーシア、ちょっと怪我をしてしまったようですが、アリシアがくすくす笑っているので、泣き言は言えませんでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・風のせいじゃないの!

「風のせいじゃないの!
 グズは関係ないわ!」

ルーシアが帽子を追っていくと、聞き覚えのある声が耳に飛び込みました。

「お嬢様、どうなさいましたか!?
 私に出来ることでしたら、なんなりとお言い付け下さい」

視界の隅っこにちらりと見えた声の主はカートでした。

1・聞こえなかったフリをする
2・立ち止まる

1・聞こえなかったフリをする

ルーシアは聞こえなかったふりをしました。
だけど、胸は高なり、気もそぞろ、カートのことが気がかりで仕方ありません。

しばらく帽子を探すふりを装っていたら、ふと、背後から頭に何か乗せられました。

振り向くと、カートがいました。

「これ、お嬢様の帽子……
 少しよごれちまったみたいだけど……」

ルーシアは緊張して固まってしまいました。
カートも言葉をなくしてルーシアの顔を見つめていました。

「ありがとう。
 たいせつな帽子だったの」

気が付くと、言い終わらないうちに駆け出していました。

心は羽のように浮かれていました。
古い歌を思い出し、口ずさんでみましたが、恋の歌は同じ所を繰り返すだけでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

2・立ち止まる

ルーシアが立ち止まると、カートは背中ごしにもう一度尋ねました。

「何か探していらっしゃるんですか?」

「……ええ、帽子を……」

そう答えて、ルーシアが振り向いた時には、カートの姿は小さくなっていました。

カートが帽子を持って現れたら、今度はどんな話をしようかと、そんなことを考えながら、ヒースのいこい所へと続く、橋のらんかんに腰をかけ、池に浮かぶミコアイサの親子を眺めていました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・グズでもいいもん!

「グズでもいいもん!」

ルーシアは耳も貸さずに走り去りました。

しばらく帽子を探してさまよいましたが、あいにく見つかりませんでした。
汗だくになって、気が滅入ってきた頃、ルーシアを呼ぶ姉達の声が聞こえました。

「ルーシアー!見つかったよー!」

帽子はカートが見つけて持って来てくれたという話でした。
ルーシアはそれを聞いて、がっくりと落ち込みました。

本当にツイてないルーシア、何か思い通りに行かないことばかり。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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思案(ときめきポイントが651以上になると発生)

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

と、いつもは三人そろって現れるはずですが、今日はルーシア一人です。

「アリシアは熱を出して寝込んじゃうし、マリア姉さんはつきそい……
 でも一人でいるのって、少し寂しいけどなんだか、ドキドキしちゃうのはなぜ?」

次女のアリシアは小さい頃から体が弱く、よく熱を出して寝込んでいました。

ルーシアは物思いにふけりながら、一人で歩いていました。

高原の短い夏を惜しむかのように、小鳥達は早口でさえずります。
しらかばの林の向こうには池があり、そのそばの薬用植物園を抜けると、あとは広大な原生林へと続きます。

『お父様もそろそろ感付いたみたいだし、もう変な素振りは見せないほうがいいわ。
 待っていれば必ず、彼の気持ちを確かめるチャンスが訪れるはずよ。
 その時まで、軽はずみな事はやめるの。
 わかってる?
 私自身のことなのよ?』

1・でももう気持ちが止まらないの〜
2・うん、軽はずみなことはしないわ

1・でももう気持ちが止まらないの〜

いつの間にか占い師の池とライオンの池の間の所まで来ていました。

池のそばにはヒースのいこい所と呼ばれる、屋根付きのベンチがあります。

近くにはエディ親子の庭道具小屋があり、彼らはよくそこでお茶を飲んだりしています。

空には鳥が歌い、さわやかな風が木々の枝を揺らします。

(以下、物思い1と同じ)

2・うん、軽はずみなことはしないわ

『お庭の世話を忘れるところだったわ!』

ルーシアは自分の小さな箱庭のある花壇の近くに来ていました。
少し離れたところからでも、赤や青の色とりどりの花が、力強く育っているのがわかります。
そしていつものように花に語りかけます。

「お花さんたち、みんな元気なのね」

そこにエディの声がとどろきました。

「ほら、ちゃんと説明して差し上げるんだ!
 まったく半人前のくせに、さぁ、お嬢さんに説明しろ!」

ルーシアが振り向くと、押し出されるようにカートが現れました。

うしろではエディが腕組みしています。

とまどうルーシアにカートが言いました。

「あの、その箱庭、僕が見てたんだ……
 土の調子、水の量なんか、全部……」

1・ちょっとガッカリ
2・カートが育ててくれたなんて!
3・エディさんには関係ないわ!!

1・ちょっとガッカリ

「そうでしたの?
 私自分で育てたと思ってたのに、ちょっとガッカリ……」

「がっくりされるとまた困っちまうんですが、コイツが勝手して、妙な期待持たせちまって、まったく……」

「すみません、喜ばせようと思って……」

「ありがとう、カート……」

ルーシアは小さな声で言ったけど、複雑な気持ちは晴れませんでした。
一人で何でも出来ると思っていた、自信のひとかけが崩れるような気持ちでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

冷却選択

2・カートが育ててくれたなんて!

「本当にそうなの!?」

ルーシアはうれしくて飛び上がりました。
でもカートの顔を見ると、やっぱり言葉がうまく出なくなります。

「ありがとう、カート!
 ものすごくうれしい!」

カートも少しどぎまぎしています。
エディはそんなカートの耳を引っ張って、繁みの方へ連れていってしまいました。
繁みでは何かお説教の声が聞こえますが、ルーシアはなんだか夢心地でした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・エディさんには関係ないわ!!

「エディさんには関係ないわ!」

エディの背中を両手で押して、箱庭から遠ざけました。

「あ、お嬢さん、あっしは何も、いえ、この小僧っ子が……」

ルーシアは涙目でエディを押し続けました。
それを見てカートは許しをこいました。

「お嬢様を怒らせたら、二人ともこの城にいられなくなっちまう!
 どうか許して下さい、僕が悪かったんだ」

ルーシアは大きくエディを突き放し、

「怒ってないから放っといてよ!!」

そう怒鳴って涙をこぼし始めました。

それを見て、エディ親子はまた何かもめていたようですが、最後にはエディが去り、カートがルーシアに寄り添っていました。

カートは色々なことを優しく尋ねました。
ルーシアは両手で顔をおおって、首を振ったりうなずいたりするだけでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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物思い1

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

と、いつもは三人そろって現れるはずですが、今日はルーシア一人です。

「アリシアは熱を出して寝込んじゃうし、マリア姉さんはつきそい……
 でも一人でいるのって、少し寂しいけどなんだか、ドキドキしちゃうのはなぜ?」

次女のアリシアは小さい頃から体が弱く、よく熱を出して寝込んでいました。

ルーシアは物思いにふけりながら、一人で歩いていました。

高原の短い夏を惜しむかのように、小鳥達は早口でさえずります。
しらかばの林の向こうには池があり、そのそばの薬用植物園を抜けると、あとは広大な原生林へと続きます。

いつの間にか占い師の池とライオンの池の間の所まで来ていました。

池のそばにはヒースのいこい所と呼ばれる、屋根付きのベンチがあります。

近くにはエディ親子の庭道具小屋があり、彼らはよくそこでお茶を飲んだりしています。

空には鳥が歌い、さわやかな風が木々の枝を揺らします。

1・ベンチでお昼寝する
2・ベンチで本を読む
3・エディの小屋へ

1・ベンチでお昼寝する

「そうそう、私ったら眠いんだわ」

ルーシアはふらふらとベンチへ行き、そのまま横になりました。

どれほど時間がたったでしょうか。
ルーシアが目を覚ますと、すぐ側にカートがいました。
びっくりして飛び起きると、彼はけらけらと笑い出しました。

「あはははは!
 お嬢様があんまり無防備だから、さらって行こうかと思っていました!」

ルーシアは真っ赤になりました。

1・まぁ、失礼な人だこと!
2・さらってどこへ行くつもりでしたの!
3・さらって!さらって!

1・まぁ、失礼な人だこと!

「まぁ、失礼な人だこと!」

「申し訳ありません!
 ついふざけたこと言ってしまいました!
 どうかこのことは、ここだけの秘密に!
 お館様には言い付けないで下さい!!」

1・ダメよ!身分をわきまえなさい!
2・秘密にはするけど……

1・ダメよ!身分をわきまえなさい!

「ダメよ!身分をわきまえなさい!」

緊張のあまり、きつく言ってしまいました。
カートは途端に小さくなって、何度もルーシアに頭を下げました。
ルーシアは言葉を失ってとまどうだけでした。

だけど、その一方で、恋に溺れていく自分に涙が出そうな思いをこらえていました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・秘密にはするけど……

「秘密にはするけど……」

言いかけた途中でカートがつぶやきました。

「もっとたくさんの秘密を持ちたい」

ルーシアは言葉につまりました。

1・うん
2・なんて馴れ馴れしい子なんだろう

1・うん

「うん。秘密持とうね」

ルーシアが言葉をしぼってそう言うと、二人はしばらく黙ってしまいました。

聞きなれた鳥の声が、いつになく高く透き通り、どこか遠くへと、思いを伝えんとしているようでした。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・なんて馴れ馴れしい子なんだろう

「だめよ、馴れ馴れしく言わないで。
 お父様は全てお見通しになるわ。
 それに、そんな風に見ないで欲しい……」

ルーシアはそれ以上の言葉を選ぶことが出来ませんでした。
二人はお互いの顔も見れないほど、身体をこわばらせました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

冷却選択

2・さらってどこへ行くつもりでしたの!

「さらってどこへ行くつもりでしたの!」

ルーシアが聞くと、カートは小声で、

「母さんがいる町に……」

そう言いかけて、言葉を詰まらせてしまいました。
ルーシアも言葉に詰まり、胸の中の無邪気な恋心を両手で抑えました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・さらって!さらって!

「…………」

「ごめんなさい!
 バカなこと言っちゃった!」

ためらってる隙にカートが割り込みました。

ルーシアはがんばって笑顔を作りました。
そしてカートが後ろを向いて走り出すまで、二人は見つめ合い、言葉を探していました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・ベンチで本を読む

「午後の授業のため、少し本を読んでおきましょう」

ルーシアはベンチに座って本を読みました。

しばらくすると、池のほとりをカートが通りすがりました。
ルーシアと一瞬目が合いましたが、思わず目をふせて続きを目で追いました。

しばらく待って本から顔を上げると、予想に反して目の前に彼が立っていました。

「花が好きだったら、これを……」

カートは花を編んで作った首飾りをルーシアに渡しました。
白とピンクの花が交互に編みこまれた、きれいな首飾りでした。

「ありがとう」

ルーシアが礼を言うと、カートは片ひざを地面について、深く頭を下げました。
ルーシアがそっと右手を差し出すと、彼はその手を取ってくちづけました。
でもその瞬間、ルーシアは真っ赤になって後ろを向いて顔をおおいました。

「ごめんなさい!私ったらはしたない!」

「こっちこそ、つい悪乗りしちまって!」
「んーん、私が悪いの。ごめんなさい」

ルーシアは鼓動を抑えるのに必死でした。

二人は交互に頭を下げて謝りあいました。
先にカートが笑いだして、つられてルーシアも笑って、見つめ合い……
そしてその、からまる視線がはずれると、二人は同時にうつむいてしまいました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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3・エディの小屋へ

「そうだ、エディさんどうしてるかしら〜、
 なんちゃって〜
 本当はカートのことが気になるくせに〜」

ルーシアはエディの小屋へ向かいました。

「えらく遠出しておいでですな。
 しかもお一人ですか?」

小屋の手前でエディとすれ違いました。

「ええ、姉が病にふせってまして……
 エディさんこそ……?」

「ああ、また熱を出されたか……
 わしは、カートが小屋で寝とるよってな」

「カート一人で寝ているのですか?」

「あいつにゃ朝一番で、ヒースのいこい所を掃除させとるんで、この時間は辛くての」

ルーシアは館の方へ戻ろうとする足を不意に止めて尋ねました。

「あのぉ、お茶を一杯もらえませんか?」

エディは少し困った顔をしながらも、ルーシアを小屋へ案内しました。

カートは長イスで寝ています。

「ここでお茶を飲んだなんて、お館様には内緒にしといて下さいましな、二人だけの秘密ですよ」

エディは二人を残して仕事へ戻りました。
ルーシアは一人、自分のつま先を見つめて、土をかぶせて汚してみたりしながら、物思いにふけりました。

「あ、お嬢様……こんなところで……少し片付けないと……」

カートが目を覚ましました。

「いいのよ、どうせパーティーが終わったらドレスは汚れているんですもの。
 ずっとここにいてもいいの……」

「僕もお茶をいただいていいですか?」

ルーシアは小さくうなずきました。
なんだか夢を見ているようでした。

そして二人はテーブルに向かい合い、たどたどしい会話が始まりました。

「館の中のお食事ではどんなお話をなさるんですか?」

「んーん、私はあんまり話さないの。
 アリシア姉さんが一人でしゃべるのよ」

「夜は毎晩パーティーなんですか?」

「毎晩パーティーだったら逃げ出してるわ。
 パーティーは楽しいけど、疲れるの。
 そして寂しくなるの」

「………貴族って変だな」

「あ、すみません、変なこと言っちまった」

「うふっ、いいの、私もう貴族やめるの」

「やめる???
 貴族ってやめられるんですか?」

ルーシアはそこで言葉を失い、口をとがらせてしまいました。
何かもどかしさを感じます。

ルーシアはカップを口にあてたまま、上目遣いにカートを見て言いました。

「私、土の臭い好きなの……」

「お嬢様は……花のような甘い香りがします」

カートはそう言うと、テーブルに手を置き、身を乗り出してルーシアに顔を寄せました。

そしてカートは黙ってしまいました。
ルーシアも黙りました。
城を出てどうやって生きていけばいいのか、不安がくちづけの予感をかき消しました。

カートも力無くいすにすわり、カップに両手を添えました。

愛しさと不安とが二人の胸につのりました。
そしてお互いそれを感じていました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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物思い2

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が庭へ現われました。

と、いつもは三人そろって現れるはずですが、今日はルーシア一人です。

「アリシアは熱を出して寝込んじゃうし、マリア姉さんはつきそい……
 でも一人でいるのって、少し寂しいけどなんだか、ドキドキしちゃうのはなぜ?」

次女のアリシアは小さい頃から体が弱く、よく熱を出して寝込んでいました。

ルーシアは物思いにふけりながら、一人で歩いていました。

高原の短い夏を惜しむかのように、小鳥達は早口でさえずります。
しらかばの林の向こうには池があり、そのそばの薬用植物園を抜けると、あとは広大な原生林へと続きます。

いつの間にか、薬用植物園のあたりまで来ていました。

「あの人はここのお嬢様だから無闇にほえるなよなぁ」

バロンについて来たのはカートではありません。

「こんにちは
 はじめまして」

「これはごていねいに、恐れ入ります。
 ここの管理をしているラモンズです。
 カートが館の方で仕事の時は、私がバロンを預かってるんです」

「まぁ、バロン、今日も白くてほわほわちゃん」

「あ、お嬢様、ドレスが汚れますゆえ……」

1・バロンと遊ぶ
2・ちょっと休んでいく
3・時間が無いし、引き返す

1・バロンと遊ぶ

「バロン!おいで!!」

ルーシアが呼ぶとバロンは尻尾を振ってついて行きました。
走り、草の上でころがり、抱き上げるとペロペロと顔をなめます。

「だめよ、あんまり汚すと叱られるわ」

それでもバロンはおかまいなしです。

「うふっ!バロンったら、やんちゃさんね!
 あなたのご主人も、本当は同じようにやんちゃなんでしょう!?
 私もお父様にこってりしぼられて、他のメイドと同じように、城を追い出されてしまえばいいんだわ!」

大声で叫ぶと少し気持ちが楽になりました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

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2・ちょっと休んでいく

「よいしょっと」

ルーシアがその場に座り込むと、バロンが駆け寄って来ました。

「あ、お嬢様、ドレスが汚れてしまいます!」

「いいの、気にしないでラモンズさん!」

ルーシアはバロンを抱え上げました。

「好きよ!バロン!大好き!
 ずっと側にいてね!離れないで!」

バロンを固く抱きしめながらも、心の中にいるのはいつも決まっていました。
彼のことを一瞬でも忘れられません。
恋の行方への不安を忘れたくて、強くその胸にバロンを抱きしめました。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

3・時間が無いし、引き返す

「じゃあ、エディさん達は今、館のほうでお仕事してるのね?」

「おそらくそうかと」

「じゃあ、一緒に行こう!バロン!」

ルーシアが駆け出すふりをしてもバロンはついて来ませんでした。

「向こうに行くとアリシアにいじめられるって、知ってるんだわ!」

ルーシアがラモンズの顔をのぞき込むと、ラモンズも引きつった作り笑顔で応えます。

ルーシアは、お城のみんながアリシアを嫌いだと思っているようですが、ラモンズがアリシアの悪口を言えるわけがありません。

ルーシア13歳
その心も身体もまだつぼみのように、
固く閉ざされたまま……
夏にまだ早い日の出来事でした。

共通パート

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夜 (共通パート)

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

『日が暮れて、また日が昇っても、あなたが遠い野辺のあなたのままだなんて、
 そんな意地悪な神様に、いつまでもお祈りしていなきゃいけないなんて……
 私どうすればいいの?』

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ときめきポイントが351以上になった日の夜

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

『ねぇ、カート……
 私、そわそわしていて変じゃないかしら?
 この想い、1000になる前に800くらいでお父様に気付かれて、引き離されたりしたらどうしましょう。
 お話をたくさん出来ればいいのに、手を触れるだけでいいのに、なんだか、自信が持てなくて……
 私ったら、泣いてばかりなの……』

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ときめきポイントが601以上になった日の夜

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

ノックに続きアルベルトの声が聞こえた。

「まだ起きてるのか? 早く寝なさい。
 午後の授業にも度々遅れてるようだし、遊びが過ぎるのではないかね?」

「はーい!もう寝まーす
 ……もしかしてもう知られちゃったのかなぁ……
 お父様、許して下さるわけないし……」

(ときめきポイント−20)

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冷却選択後の夜

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

『でももういいの。
 私、自分が見えてきたような気がするの。
 眼を閉じて、もう一度目を開ければ、あなたを忘れられると思うの。
 だからもう少しだけ、あなたのことを好きでいさせて……』

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エンディング1(ときめきポイントが99以下になった場合 or 冷却選択を2回した場合)

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

『でももう今日でおしまい。
 あなたにも迷惑かけたくないし、お姉様達や、お父様お母様、大切な家族を裏切るわけにはいかないもの』

『だからもうこれまで。
 さようなら、私のカート
 さよなら……』

物語はこれで、おしまい。

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エンディング2(ときめきポイントが800〜999になった場合)

『今日も色々なことがあったわ。
 ねぇ、私のカート……私、どうすればいいと思う?
 あなたのところへ行きたいのに、あなたはすごく遠くにいるんですもの……
 もう、胸が壊れそうよ』

「おはよう、ルーシア、気分はどうかね」

ルーシアやアリシアを起こすのは、メイドのハンナの役割でしたが、その日の朝は、アルベルトが起こしに来ました。
ルーシアは父親のことは大好きだったけど、何か嫌な予感がしました。

「おはよう、お父様…
 今日は何か特別なことでもあるのかしら」

「ルーシア、もうアリシアには言ってあるが、二人をラサの学校に通わせようと思ってね」

「ラサ……?
 ラサ……って、もしかして……」

ラサは馬車で何日もかかる遠い町です。
そんなところの学校に行ったら、もう二度とカートに会えないかも知れません。

「いやよ! そんなの! 突然すぎるわ!」

「ああ、行くかどうか決めるのはルーシア、お前が自分で考えることだ。
 母さんやセバスチャンとも話したんだが、私はお前たちを立派な貴族の娘として社会に出す義務がある。
 メイドのライラやエバにしても、カートにしてもそうだ、私が面倒を見ねばならない。
 わかるね?」

『もしかしてお父様は、私がカートに心を寄せていること知ってるのかしら?』

ルーシアは思わず両手で顔をおさえました。

「返事は明後日の夕食まで待つから、しっかりと考えておきなさい」

アルベルトはそう言うと、部屋を出てドアを閉ざしました。

ルーシア13歳
やわらかな恋心を抱きしめたまま
ベッドの上で泣き続けました。

物語はこれで、おしまい。

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エンディング3(ときめきポイントが1000以上になった場合)

その日は窓の外の雨音で目が覚めた。
まだ薄暗く鳥の声も少ない。
どんな気分で目を覚ましたと言えば、私の気持ちが伝わるんだろう。
私は窓の外に振る雨をしばらく眺めた後で、クローゼットの前に立った。

荷物を持って、カートと一緒に、どこでもいいから遠くへ……
どこか田舎の方へ行って、農家の手伝いか何か……
住み込みで雇ってもらえでもすれば、のたれ死ぬこともないだろう。

1・でもやっぱりやめよう
2・たとえ死んでもやり遂げる

1・でもやっぱりやめよう

「やっぱりダメよね。
 二人にもしものことがあったら、責められるのはきっとカートの方だもの…」

ルーシアは昨晩遅くまで考えて出した結論を、クローゼットにしまい込みました。
そして、もう一度ベッドに戻り、ぐっすりと眠りました。

いつもの中庭。

今日も今日とて、マリア、アリシア、ルーシアの三人が、庭へ現われました。

「アリシア、あなたは身体が弱いのですから、危険なことはつつしみなさい」

だけどアリシアは木登り大好き16歳。

「危なくなんかなくてよ、ほら、あの枝に手が届けばもっと高く登れるわ」

「あ、ああっ、うわぁ 落っこちちゃうよー ドキドキ」

と、いつも通りの毎日が繰り返す、
平和なクス城の、ある夏の出来事でした。

物語はこれで、おしまい。

2・たとえ死んでもやり遂げる

ルーシアは小さな鞄を両手で胸に抱え、鼓動の高なりを抑えました。
後ろ手に部屋のドアを閉め、人気のない館の中を小走りに玄関へ向かいました。
扉を開き、雨が作る白いもやの中に身体を滑り込ませると、冷たい空気がのどを伝うのがわかりました。

頭の上にカバンをかざして走りました。

カートは一番に起きて、ヒースのいこい所の掃除をしているはずです。
彼にどう言えばいいのか整理はついていなかったけど、素直な愛しさで胸は一杯でした。

そして、ヒースのいこい所が見えてきました。

カートも、予想通りそこにいます。
ルーシアは息を切らせて駆け寄ります。

「お嬢様、どうなさったんですか?」

ルーシアは走ってきた勢いで、そのままカートの胸に飛び込みました。

「お父様が決めた人と結婚するのがイヤなの!」

静かに降っていた雨はいつの間にか白い霧になって二人をつつんでいました。
泣きじゃくるルーシアにカートはとまどうばかりです。
ルーシアは、自分の気持ちをうまく口にすることが出来ないまま泣き続けました。

白い霧が二人の姿を隠します。
メイド達がルーシアを探し始めるまでの短い時間がよどみます。

ルーシア13歳、やっとほんの少しだけ、自分の気持ちを口に出すことが出来ました。

このお話はここまででお終いです。
カートがどんな言葉をかけたか、
二人はこの後どうしたのか、
そのことはつづられていません。

それは一番きれいな場面で
物語を終わらせたかったからです。
悲劇を描きたくなかったからです。

これから二人を待ち受ける苦難の数々、
革命のこと、
アリシアの病気のこと、
それら全てをページの後ろに伏せたまま……

物語はこれで、おしまい。

「最後に登場人物を紹介します
 主人公は、ルーシア・シーン、私です
 そして片思いの彼、カート・グロール
 優しいお姉さん、マリア・シーン
 乱暴なお姉さん、アリシア・シーン
 厳格な父、アルベルト・シーン
 カートのお父さん、庭師のエディ・グロール
 ちょい役の、ラモンズ・マーティン
 そして……
 バロン、今日も白くてほわほわちゃん

 だけどこれからよね……
 いつまでも泣き虫のままでいたら、カートにも迷惑かけちゃう。

 1・大丈夫、どんなことでも平気
 2・お先真っ暗で、ちょっと後悔

1・大丈夫、どんなことでも平気

(ときめきポイント+100)

2・お先真っ暗で、ちょっと後悔

(ときめきポイント−100)

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