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魔珠購入 ジュダの手記 マナの詩

魔珠購入

ガメッツ
  「おやおや、ついに見つけたのかね?
  「そう。これがダンジョンの底にあって“全ての願いをかなえる”といわれていた究極のアイテム。
  「……『魔珠』だよ。
  「あれだけウワサになっていたけど、このとおりホンモノは大したことないだろ?
  「じっさいは、ただの石をみがいてつくっただけのものさ。
  「しかし……。おまえさんには、その価値がわかるはずだよ。
  「これからどこかで、ダンジョンのある場所を見つけ、必要ならダンジョンをつくり……
  「そして、そのなかに、この『魔珠』を置けば……。そら、もうわかっただろう?
  「“全ての願いをかなえるアイテムがある”というウワサは、冒険者たちを呼びよせることになる。
  「ダンジョンのまわりはにぎわい、やがて町ができ、人々の営みが生まれていく……。
  「これぞ、ワシら商人にとっての、やりがいのある仕事……。究極の夢だとは思わないかね?
  「なあに、おまえさんなら、きっとできるさ。おまえさんほどの商人ならばな。
  「そのむかし、ワシの先祖が、◯◯◯山のダンジョンをつくったように……な!

ジュダの手記

「ジュダの手記4」 (やぶれた古文書)
……こうして私は、勇者を殺すことに成功した。
私の剣は『血ぬられた剣』となった。伝説の勇者を殺した剣。
これは呪われた武器であると同時に、力を持ったアイテムになるであろう…。

スカピン 「ジュダというと、伝説の勇者を殺したとされる、伝説の裏切り者のことですね。
キリール 「この古文書が、本当にジュダの手記だとしたら、これは大変な発見だわ!
「ジュダの手記3」 (すすけた古文書)
……勇者を殺したときに返り血をあびる。
私のローブは血の色にそまり『返り血のローブ』となった。
勇者のむくろをながめながら、私は魔王の手下に会い、裏切りを決意した日のことを……
思い出していた……。
「ジュダの手記1」 (虫くいの古文書)
……これより私は裏切り者となる。魔王の手下に渡された 『いつわりの仮面』は、
魔王の内通者となった証であると同時に、表情を読まれないための役割を果たすアイテムである。
このアイテムは私にとって都合がよかった。本当の顔をこの仮面の下に隠し、
私は機会を待つことにする……。

スカピン 「この手記をみると、かなりの悪党ってカンジですね!
「ジュダの手記2」 (まぼろしの古文書)
……表情を読まれない『いつわりの仮面』は、都合のいいアイテムだった。
私を裏切り者だと信じて疑わない魔王の手下どもに、私の表情を読まれずに済むのだから。
いいだろう。私は裏切り者となり、勇者どのを殺したものとなろう。
歴史のなかで汚名を受けるのは構わない。これが我が一族の役目なのだから……。

スカピン 「……でも、この手記をみると、単純な裏切り者ではなかったように思えますが。
キリール 「この古文書が、本当にジュダの手記だとしたら、これはいままでの通説をくつがえす世紀の大発見だわ!
      伝説の裏切り者ジュダは、本当は勇者を裏切ってなかったということになるわね。
      これはすごい研究の価値があることよ!

マナの詩

一路の詩を

女盗賊の詩
「……この物語のヒロインは、
 美しくしなやかな獣のような
 ひとりの女盗賊よ。

「自分の腕とかしこさで、
 力をちゃくちゃくとたくわえて、
 めざすは果てなく大きな野望。

「町に巣くう巨大な悪は、
 彼女の道をふさぐ。
 大きな夢はかなうかしら?

「彼女の役に立つものは、
 盗賊ごのみの軽い武器。
 便利な道具もあればよし。

「けれども、きれいな宝石や
 香水、ドレスも役に立つ。
 彼女の強さは美しさだから。

「この町を手にいれたあとも、
 彼女の野望は果てしない。
 いったいどこまで続くのか。

「しなやかな獣の大きな野望。
 それを見とどけることは、
 けっこう楽しい物語かもね。

「ラララ、ララ……」
獣人の詩
「……深く大きな森のなか。
 大きな耳とシッポをもった
 人間になりたい女の子。

「彼女はまるで猫のよう。
 むじゃきで気まぐれ、考えなし
 後先かまわず、かけまわる。

「好きなものは、食べ物や、
 またたび、面白いおもちゃ。
 むずかしいモノはほしがらない。

「彼女は猫のようだから、
 言ったことはすぐ忘れ、
 そのくせ、甘えた猫なで声。

「けれども彼女は猫のよう、
 本人とてもしあわせだから、
 じっとあなたも見てあげて。

「森のけものは、人間が
 思うほどには不幸じゃないの。
 物語はきっとハッピーエンド。

「ラララ、ララ……」
ドラゴンの詩
「……ドラゴンの詩は、
 タマゴから生まれる物語。

「物語をはじめるためには、
 タマゴを見つけにいきなさい。
 きっとあなたを待っている。

「もしもタマゴを見つけたら、
 裏庭にあるリンゴの木に、
 そっとタマゴをおきましょう。

「そこからきっと生まれるわ。
 ステキな冒険の物語が。
 いつかかなう空飛ぶ夢が。

「ラララ、ララ……」
魔王の詩
「……魔王の詩は、
 夜からはじまる物語。

「夜の闇を恐れずに、
 夜中の世界を歩いてみれば、
 きっと彼に出会えるわ。

「魔王にならんとする彼は、
 闇と魔のなかに生きている。

「彼の助けをしたければ、
 呪われた武器や闇の品。
 恐れずそろえておきなさい。

「彼に会えるは闇のなか、
 夜中にじっと待ってなさい。
 きっと訪ねてきてくれる。

「彼の進むは、血ぬられし道。
 中途半端な気持ちでは、
 ともに歩んでゆけはしない。

「誰にも見せない彼の心。
 それを開いてみせることは、
 あなたにだってできるかしら?

 「ラララ、ララ……」

別路の詩を

勇者の詩
「……伝説の勇者は扉をあける。
 たとえあなたが望まずともね。
 だって、勇者なんだから。

「怪物たおし、宝の箱あけ、
 勇者はどんどん進むもの。

「勇者の好みは、剣やヨロイ。
 ほかのものにはキョーミなし。
 お店においておくことね。

「勇者はいつか魔王を倒す。
 だって、勇者なんだから。
 勇者の敵は怪物じゃないの。

「勇者の物語のおしまいは、
 ハッピーエンドと限らない。
 でもね、悲しむことないわ。

「だって、勇者なんだから。

「ラララ、ララ……」
騎士の詩
「……この詩は、
 おとぎ話の世界のような、
 お城と騎士とお姫さまの物語。

「固く閉じられし王城の門。
 けれども騎士となかよくなれば
 重い扉がひらくでしょう。

「お城に入れば、王様、大臣、
 おとぎ話の世界のような
 人々たちと出会うでしょう。

「そして、お城の一番奥には、
 鳥カゴのなかの小鳥のような
 とても美しいお姫さま。

「騎士の夢を助けたければ、
 必要なのは武器やヨロイ。
 できれば気高きものがよし。

「この物語のおしまいは、
 おとぎ話の世界のように、
 騎士と姫さま結ばれる?

「それとも、誰かステキな人と、
 別の物語をつくるかしら?
 現世を生きる騎士らしく。

「それは誰にもわからない。
 ふたつの道にわかれている
 若い騎士の物語。

「ラララ、ララ……」
魔法使いの詩
「……町はずれの古い塔。
 古い書物とガラスびん。
 修行と研究にあけくれる。

「毎日毎日あきもせず、
 考えてるのは同じこと。
 ほかのものには目もくれない。

「ほしがるものもそんなもの。
 古くてむずかしい本か、
 魔法の材料、そんなものばかり。

「そんな姿をじっと見る、
 けなげな女の子がいても、
 彼はちっとも気がつかない。

「若いふたりのほのかな思い、
 それは恋というのには、
 まだまだ幼いものだけど……

「あきれず怒らず見ててあげて。
 恋の果実がみのるには、
 誰かの助けが必要だから。

「ラララ、ララ……」
研究家の詩
「……昔、小さな女の子が、
 1冊の本に出会ったとき、
 それが物語のはじまり。

「その女の子は熱心に勉強して、
 いろいろ苦労もあったけど、
 いまではりっぱな研究家。

「あけてもくれても、
 考えているのは、
 いつも研究のことばかり。

「古い書物や工芸品。
 ほかの人が見むきもしない、
 そんな品に、大よろこび。

「彼女はステキな人だけど、
 研究以外のすべてのことが
 まったくできないのが不安。

「けれども安心していいわ。
 割れナベ閉じブタ、世の中は、
 結構うまくいくものだから。

「ラララ、ララ……」
伯爵の詩
「……伯爵サマは夜の貴族。
 闇の世界に生きるかた。
 おかげでちょっとヘンだけど。

「好きなものは、闇のもの。
 あやしい品を好んで欲しがり、
 それを美しいという。

「伯爵サマの美意識は、
 ほかとはちょっと違うみたい。
 だからびっくりしないでね。

「伯爵サマに見そめられると、
 しつこくつきまとわれるけど、
 あんまり気を悪くしないでね。

「伯爵サマは大マジメ。
 みんなと常識ちがうから、
 決してそうは見えないけどね。

「伯爵サマはひたむきだから、
 自分のそばの小さな花に、
 意外と気がつかないみたい。

「それを教えてあげてもいいし、
 あなたが伯爵夫人になるのも、
 それはそれでいいかもね。

「夜の貴族の物語は、
 いっけん奇妙に見えるけど、
 本人たちにはハッピーエンド。

「ラララ、ララ……」