2010年 4月 1日
 岡山県 保健福祉部長 様
       医薬安全課長 様 
岡山・骨髄バンクを支援する会
代表 原田 早苗

骨髄バンク事業についての要望書

 骨髄バンク事業の推進につきましては、平素よりご配慮賜り感謝申し上げます。
 近年、岡山県を始め中国地区の他県におきましても ドナー登録者数が伸び悩んで
おります。
 2008年1月にドナー登録30万人の目標数値に達し、患者さんの9割りの方にHLAの
一致するドナーさんが見つかっていますが その内移植が出来たのは、約6割の方たち
です 。いろいろな諸事情で提供出来なくなる人が少なくない現状です。
 骨髄移植を希望される患者さんすべての方に 移植のチャンスが与えられるように
私達ボランティアは願っています。
 つきましては岡山県におかれましても、下記のとおり今まで以上に推進していただき
たく要望致したいと思います。 よろしくお願い申し上げます。



 1. 県内のすべての各保健所管轄内で 年一回以上献血併行型ドナー登録会を開催
    していただく。

 2. 県内の高等学校に向けて以前企画して下さっていた 「いのちのリレー出前講座」
   を再開していただく。 (これにつきましても骨髄移植推進財団の語り部事業で成果
   をあげており、岡山県内でもまだ一校だけですが 毎年HRの時間をいただいて開催
   し、高校生の皆さんの感想文を通し 献血と骨髄バンクに対して自分の事として捉え
   て下さっているのを感じています。)

 3. 現在、雇用促進対策の一環で 行政におかれましても様々な事業を展開されていま
   すが、沖縄県におかれましては 骨髄バンク登録説明員を雇い上げ献血併行型ドナー
   登録会の回数を増やし、 ドナー登録者を多数確保しています。
   岡山県におかれましても 行っていただきたいと切に要望します。




この要望書に対して4月14日、
岡山県の担当部署、岡山県骨髄データセンター(岡山県赤十字血液センター)
岡山・骨髄バンクを支援する会が参加しての話し合いの折に回答を受けました。
(岡山の会からは原田、財団の中国・四国地区広報委員として広畑が出席)

1.について
 すでに県内4箇所で行っており必要ない


2.について
 県内の高校で献血の普及広報活動を行っているので、その時に、チラシを
 配るだけで十分ではないか。



3.について
 そもそも日本赤十字社がする事であり岡山県としてはする気は毛頭ない。

 今以上の事は出来ない。
 骨髄バンク事業については岡山県が行うべき事は、国からの通達は来て
 いるが、法律ではないので従うことはない。




要望書についての回答は文書
ではなく口頭の又聞きのため
回答文の文責は管理人@津田



管理人の思い
4月25日 イオンモール倉敷での献血並行ドナー登録会の終了後の例会で
代表の原田さんからこの話を伺ったときにはそんなには感じていなかったの
ですが要望書の文章を入力していて、原田さんがなぜあんなに憤慨していた
のかが理解できました。

何もする気のない岡山県に対してなんと謙った表現、話し合いの前に、前もっ
て文書での回答でもあれば対抗策も考えられたでしょうが、要望書の心境の
ままでは、如何せん考えの差がありすぎます。
岡山県は骨髄バンクの現状をどのように捉えているのか疑問です。

2009年度の新規ドナー登録者数の内訳は下表のようになっています。
血液センター、献血ルーム「ももたろう」 141名(全国17位)
献血並行ドナー登録会 開催数 10回 171名(全国22位)
県内8箇所の保健所 5名(全国31位)
合計 317名
これは新規登録者数ですが年齢制限などで登録取消者数は244名にも上ります。
表から岡山県赤十字血液センターが今出来ることはやっている事は分かります。

元々、「骨髄バンクは出来たが誰が広めるのか」とのことで始めた岡山の会、
説明員制度ができた2000年以降ドナー登録者を増やす活動を続けてきました。
献血並行ドナー登録会の説明員は岡山の会が10回全てにボランティアとして
参加しています。
岡山の会が説明員をやらなければ献血並行型の登録会は開催できませんから
ドナー登録者数は317-244=74名の減となり、単純計算毎年70名づつドナー
登録者数は減り続けることになります。

岡山県下8箇所の保健所でのドナー登録者数が年間わずか5名!!
この事からでも岡山県がドナー募集のための普及啓発、広報活動を何らして
いないことは明確です。
「早く行政にも行って頂きたい」「何をすれば分からないなら、こんな事をすれば
いいんだよ」との思いで続けてきたのですが、岡山県はそれを良いことにボラン
ティアに任して何もしなくていいとの考えのようです。

「やめればドナー登録者数は減る一方だし、この活動を何時まで続ければいいん
だろう」と常々原田さんは話しています。

ボランティアとして負担の多い説明員を行政の方々にも担っていただきたい
まだ頭の柔らかいうちに骨髄バンクの必要なことを高校生に伝えたい
この思いは聞く耳を持たない岡山県には伝わらなかったようです。